先日
つまらないといいながら
テレビを見てると
NHKで「沁みる夜汽車」
という10分ほどの番組を見た
鉄道に関わる体験談を
ご本人のインタビューと
再現ドラマで見せる
心に沁みる
ちょっといい話
何の気なしに見ていた
ゲテが見たのは
ある女性が特急「白鳥」乗って
婚約者の両親にあいさつに向かうという
エピソード
50年ほど前
大阪から特急「白鳥」に乗って
山形にいる婚約者の実家にあいさつに行こうとしていた
豪雪地帯を通る列車は
案の定
大雪で停車
大阪に引き返すという
そもそも
相手の男性の実家から
結婚に難色を示されており
それを押して挨拶に行くつもりだった
雪で列車が止まったとはいえ
約束の時間に来ないのは
やはり印象は悪い
結婚をあきらめようかと思っていた
女性は隣に座っていた初老の紳士に
「やりきれませんねぇ」
とつぶやいた
と
その初老の紳士
「やりきれない・・・
槍は”切る”ものではありませんよ
槍は”貫く”ものです」
そう言われた
女性の心中を察したような一言だった
はっとした女性
大阪に逆戻りする列車の途中駅
「米原」で下車
先方に電報を打って
遅れる旨を連絡
そのまま東海道本線で東京へ
東京から上野に行って
そこから東北行きの列車にのり
都合6本の列車を乗り換えて
やっと
山形の最寄り駅に到着
約束より一日半遅れた
駅の改札で
出迎えてくれた婚約者の姿を見た瞬間
号泣したそう
その女性の気持ちに心打たれた
相手の両親に許しをもらい結婚
「”想いを貫く”という紳士の言葉がなかったら
結婚はあきらめて、今とはちがう人生だったかもしれない」
インタビューを受けた当の女性は
そう言って照れくさそうに笑った
想いを貫くのって
大変
下手すりゃ
わがままなヤツ
勝手なヤツと
間違われかねないし
自分とは逆の”想い”を持った人物と
軋轢を生むことにもなりかねない
それでも
やるしかないんだよねぇ
やらないといけない
想いを貫く
いい話でしたよ
じゃまた