本日
バイト帰りに本屋さんに寄った
特に買うものはなかったが
本が好きなわたし
ズラーッと本が並んでいるのが嬉しいのだ
しかし
立ち読みはしない
立ち読みするぐらいなら買う
いや、もちろん子供の頃はやっていたが
立ち読みって何かムダに感じるのだ
買って時間の空いたときに読めばいい
本屋さんやコンビにで、じーっと居るのはムダに思うのだ
さて
本屋を出て帰宅しようとすると
男性から声をかけられた
「・・・ゲテか?」
振り返る
「あ、やっぱゲテや」
男性は笑う
懐かしい友人だった
「・・・あっちゃん!」
懐かしくて当時のニックネームで呼んだ
「そうそう」あっちゃんは笑って大きくうなずいた
小中学校で一緒だった
今は岡山県に住んでいるらしい
ご両親は奈良なので帰省しているのだそうだ
いや偶然だった
あっちゃんとは忘れられない思い出がある
あっちゃん、喘息だ
体育の時間は授業内容によって
見学していることがあった
小学校6年生の時だ
「校内マラソン大会」
いつも棄権していたあっちゃん
「出る」
って言い出した
小学校最後の大会だからか
出たかったのだ
そこでわたしを含む、4人の有志が集結
「チームあっちゃん」を結成した
いや、この名前は今思いつきました
当時は名前なんか付けてなかったもんで
便宜上この表記を使う
チームは、あっちゃん入れて5人
あっちゃんと併走してサポートするのだ
スタート
コースは学校の裏山に出来た
住宅造成地をぐるぐるまわるのだ
元々山だったので坂が多い
はじめて走るあっちゃん
やはり不安なのかペースが遅い
事前に、担任に呼ばれたチーム
ホイッスルを渡された
「なにかあったら、吹け」
近くにいる教師に知らせろってことだ
あっちゃんの表情が曇った
・・・デリカシーって無いのかね
この担任、わたし今でも嫌いだ
あの時のあっちゃんの顔
今でも憶えている
あっちゃんには知られないようにするとか
方法はあっただろうに
さて
やはりキツクなってきたのか
あっちゃん歩くことが多くなった
距離と時間にハンデが付いている
女子のグループに追い越され始める
やがてひざを付き、手をついてしまった
「・・・ごめんな、みんな、ごめん」
アスファルトにポタポタ涙を落として号泣していた
ただ黙って横に座って待った
立つのを
あっちゃん、走り出した
やっとゴールした
最下位ではなかった
グラウンドにペタンって座って
顔見合わせてヘラヘラ笑った
なんだかテレくさかったのだ
ただヘラヘラ笑った
なんか通じた
なにかは・・・わからん!
ただ、わたしだけ
笑いに理由があった
あっちゃん、ハナ水がてろ~んって垂れていたのだ!
わたしはそれに笑っていた
で
あの担任だ
「先生、感動したよ」
だと
大人を喜ばせるためにやったのではない
理由はただひとつ
「あっちゃんと走りたかった」
それだけだ
ほかの面々もそうだった
「これ作文にして、コンクールに出さないか」
書くわけないだろ!
その担任、その後、県の教育委員会、
どこぞの中学の校長を歴任されたらしい
・・・っぽいな
まぁ、向上心のカタマリみたいなオッサンだったから