このDVDには、一緒にツアーを回った各パート(もちろんスペシャリストばかりだ)の人たちが
「バンドメンバーから見た宇多田ヒカルとは」
を語る映像が特典として付いていた。
その中である一人のミュージシャンが、
『ヒカルはステージの上ではポップスターとして輝いている。また、彼女は自分の曲に関して作詞作曲アレンジまで全てを一人で手がけるプロデューサーとしても物凄い才能を持っている。
そして何より彼女のスゴいところは、そのどちらにもなろうとしていないところだ。
プロデューサーだからこうだとか、ポップスターだからこうだとかではなくて、宇多田ヒカルは宇多田ヒカルとして、前を向いて、自分が面白いと思うことをどんどんやろうとしている』
と話していた。私は新たなヒッキーの魅力を教えてもらって、「うんうん!そうだそうだ!」とひたすら頷いていたことを覚えている。
と、同時に、
弟結婚!⇔兄は37歳独身
弟はダブル天鳳位!⇔兄は天鳳位とってない
弟はMリーガー!⇔兄は麻雀プロですらない
うげぇぇぇって感じになりそうな比較だが、そもそも比べるものではないのだ。
雀荘業務、塾講師、天鳳配信、観戦記執筆、
自分の目の前にあることを「自分として」一生懸命やっていくことが大事だ。そう私は宇多田ヒカルに教えてもらった。ありがとうヒッキー。これで夜中に鬱になることもないだろう。
さて、先日2019Mリーグドラフトが行われた。
若干、世間の話題とピントがズレるかもしれないが、
「MリーガーはMリーガーだからスゴい」のではなくて、「Mリーガーになれるその人がスゴい」のだと強く感じる。
例えば、
二度の天鳳位達成、連盟VS天鳳位第1ステージ優勝、麻雀駅伝での区間賞、B1リーグ編入後即Aリーグ昇級、という華々しい実績。それ以外にも雀サクッで数多く配信をするなど下積み的な活動も数多く行ってきた。
そしてU-NEXT Pirates所属という肩書きがさらに加わるのだが、
Mリーガーになったからといって、それまでの実績が霞むことはないと私は思う。もちろん本人にとっても、天鳳位もAリーガーもどれも大事なものあることは間違いないだろう。
なんとなく上手く言えないのだが(最近筆不精だったせいに違いない)、Mリーガーになることが全て!という風潮が世間には、そこはかとなく流れているように思う。しかし、Mリーガーというのはあくまでもその人の1つのファクターであって、
「Mリーガーだからその人がスゴい」
のではなくて、
「Mリーガーになれるほど、その人がそれまで積み重ねてきたものが存在する」
のだと私は思うのだ。
もう一人、
私の知っている限りで申し訳無いが、瑞原プロはお母さんプロとして活動を続けやすくするために団体を移籍するなど、道を模索してきた人だと思う。
配信対局で実況をされたりプリンセスリーグでも活躍されたりしているが、
なにより特筆すべきは天鳳段位戦の実績だ。
七→八→九→八→九→八→九→八
という段位変遷を経つつ、お子様がいるなかで鳳凰卓(七段以上限定の天鳳最上位卓)を鬼打ちし続けるのは並大抵のことではない。
瑞原プロは、この段位戦での積み重ねが決め手となって(U-NEXT Pirates監督談)、Mリーガーに選出された。鳳凰卓でしのぎを削ってきた戦友としても、瑞原プロを全力で応援したい。
一方、今回有力と目されながら、涙を飲んだプロの方もいる。
日本プロ麻雀協会の金太賢プロ。最強位を獲り、雀王を連覇したうえ、Mリーガーをまじえたバラエティ番組を担当するなど、まさにここ数年間精力的に活動してきた。
しかし、まさかの指名なし。
その後に出されたコメントがこちらだ。
自分よりもまず同じ団体の水口プロを気遣う優しさ。そして、きっと悔しいはずなのにポジティブに頑張るという発言。本当に素晴らしいと思った。
「金さんの麻雀がMリーグで見たい!」という声が多かったのは、獲得タイトルをはじめとしたそれまでの金プロの活動の賜物であろうし、こうして前向きであり続けることが、ファンだけでなくMリーグに関わる方々にもきっと響くのではないだろうか。
そして繰り返すが、Mリーガーでないからといって、その人の実績や積み重ねてきたものが色褪せることは決してないのだ。
私は麻雀プロではないのだが、結局のところ、
「人と比較して腐ることなく、自分の目の前の活動を真摯に一生懸命やることが大事だ」
と気づいた、ドラフト近辺の出来事であった。
最後に、偉大なる先駆者麻将連合の井出洋介プロが、このブログに少し近い内容を(恐れ多い)、数億倍の重みで、かつ物凄くコンパクトに凝縮してツイートしてらしたので、紹介させていただく。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!