中 日
130 111 000 7
102 000 000 3
DeNA
(中) ○濱田、浅尾、S朝倉-谷繁
(D) ●久保、山口、加賀、大原、国吉-黒羽根、嶺井
本塁打
(中) 谷繁1号3ラン(久保)
(D) ブランコ6号2ラン(濱田)
敵地の横浜スタジアムで行われたDeNAとの3連戦の2戦目は、ドラゴンズが快勝!
連敗を2で止めて後半戦の初勝利を挙げて、借金を再び1に減らしました。
阪神にサヨナラ負けした首位・巨人とのゲーム差は6.5まで縮まって、ペナントレースはこれからますます面白くなりそうです。
チームを勝利に導いたのは、43歳の指揮官・谷繁兼任監督のタクトだけではなく自らのバットでした。
両チームが初回に1点ずつを取り合って迎えた2回表、先頭の松井佑が死球で出塁すると相手の暴投と高橋周のライト前ヒットで無死一、三塁のチャンスを作って打席には谷繁。
フルカウントからDeNA先発・久保の投じたど真ん中のストレートをフルスイングすると、ドラゴンズファンの待つレフトスタンドに飛び込む勝ち越しの今季第1号3ラン。
この一発で、谷繁は26年連続本塁打となって野村克也氏の25年を抜いてプロ野球新記録を樹立しました。
5回にも2死一、三塁のチャンスで山口の150㌔のストレートをキッチリとセンター前にはじき返して、貴重な追加点をもたらすタイムリー。
谷繁兼任監督は決勝の3ランを含む3打数2安打4打点の大活躍で文句なしのヒーローとなり、選手としては今季2度目のヒーローインタビューを受けました。
1試合4打点は2007年9月22日の広島戦(ナゴヤドーム)で5打点を記録して以来、自身7年ぶりとなった谷繁。
ルーキーイヤーから26年連続本塁打という偉業は当分の間破られることはない記録だし、これだけ長く現役にこだわって続けてきた勲章でもあります。
今季は監督に専念する試合も増えてさすがに本塁打は厳しいだろうと思っていましたが、後半戦がスタートした直後に狭いハマスタで新たな記録を打ち立てました。
しかも、自身がプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた大洋ホエールズの本拠地・横浜スタジアムで古巣を相手に放ったのも印象深いところ。
高卒ルーキー時代だった1989年(平成元年)5月27日のヤクルト戦で5回に尾花高夫からプロ入り第1号を放って以来、毎年ホームランを打ち続けてきたのだから立派な記録です。
オールスター休みでリフレッシュすることができたのか、今まではセンター中心のバッティングばかりだったのが引っ張ってレフトスタンドに放り込んだ一発。
自身も選手として出場したオールスターの第1戦では史上最年長の安打を記録しましたが、それよりも本塁打を狙って思い切り引っ張った第3打席のレフトフライが何かヒントになっているような気がします。
谷繁兼任監督のバッティングに影響を受けるかのように打線もつながって4回、5回、6回と3イニング連続で着実に追加点を奪うことができたのが大きかったです。
1点差のままだったらどうなっていたか分からないし、横浜スタジアムではセーフティーリードは存在しないので、ボディーブローのようにダメージを与えていきました。
4回には1死一、二塁から藤井がライト前にタイムリーを放ってリードを2点に広げましたが、濱田のバントミスを帳消しにしてくれたし、悪い流れを変えてくれました。
初回にはいきなり左中間を破る三塁打で出塁して先制のホームを踏んだし、6試合連続ヒットとリードオフマンとして素晴らしい働きをしてくれています。
前日の試合で頭部に死球を受けて途中交代した和田は大事を取って欠場しましたが、代わって6月27日の阪神戦(甲子園)以来18試合ぶりとなる4番に座った森野は、6回に2死二塁のチャンスを右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打。
DeNAの外野陣が1点もやらないために前進守備を敷いていたこともあってライトの頭上を越えていったしルナ、平田、和田と中軸を欠いた打線を引っ張っています。
右脇腹痛で4試合スタメンを外れていた大島が「3番・センター」で先発出場して4打数ノーヒットも、初回にショートゴロ併殺崩れの間に先制点をたたき出して1打点を記録すると、四球で出塁した6回には二盗を決めて自身2年ぶり2度目となる20盗塁を記録。
肝心のバッティングは実戦の機会から遠ざかっていたからかタイミングが全然合っていませんでしたが、試合勘が戻ってこれば大丈夫でしょう。
欠場している間に年間196本ペースに落ち込んでしまったし、目標の200安打を目指すにはもう休んでいる場合ではありません。
4試合連続でスタメン起用の高橋周は、第1打席からの3打席連続ヒットで今季初の猛打賞を記録。
やっぱりビジターでは打ちまくるタイプのバッターだし、苦手のナゴヤドームを克服すれば恐ろしい選手になりそうです。
和田の代役でスタメンの松井佑も2試合連続のマルチと結果を残したし、今まで相性の悪かった右投手からの2安打というのが成長しているところですね。
打撃では4打数ノーヒットだった荒木は、セカンドの名手らしく守備で魅せてくれました。
3回には、無死一塁で梶谷のセンター前に抜けそうな当たりを逆シングルで捕球して二塁封殺。
そして、7回には2死一、三塁のピンチで筒香のライト前に抜けそうな打球を横っ飛びでつかんで一塁をアウトにする超ファインプレー。
直前にエルナンデスの軽率なエラーでピンチを広げていただけに対照的なプレーだったし、荒木の美技がチームを救いました。
打てない時も守備だけで存在感を示す荒木がドラゴンズに欠かせない選手だということを怪我から復帰してから再確認させられます。
先発の濱田は5回4安打3失点で今季5勝目(1敗)をマークしましたが、よく持ったなという印象です。
初回に1死満塁のピンチから自らの暴投で同点に追いつかれると、3点リードの3回には1死二塁でブランコに2ランを被弾。
3者凡退に抑えたイニングは一度もなかったし、5四死球と制球が安定せず途中で代えられてもおかしくないような内容で何とか5回まで引っ張りました。
それでも、初回の1点を失ってなおも1死二、三塁のピンチで筒香、多村を連続三振に仕留めて最少失点に食い止めたのが勝てた要因だし、濱田が先発すると打線もたくさん援護してくれます。
投球内容自体は春先に比べると勢いが無くなってきていますが、5勝をマークして現在6勝の広島・大瀬良と新人王争いにも加わろうとしています。
6回から2番手で登板した浅尾は、代打の白崎をキャッチャーへのファールフライに打ち取ると、黒羽根を空振り三振、代打の嶺井もセカンドゴロ。
浅尾が1イニングを3者凡退に片付けたのは9試合ぶりで、ようやく復調の兆しが見えてきました。
そして、4点リードに変わった7回からは3番手で朝倉が登板して、2死一、二塁のピンチを無失点で切り抜けると8回と9回も3者凡退に抑えてゲームセット。
結局、3イニングを無失点の朝倉はプロ入り15年目で初セーブをマークしました。
前日の試合で8人の投手をつぎ込んで引き分けに持ち込んだドラゴンズにとってはなるべく中継ぎ陣を使いたくなかったし、連投したのは浅尾だけで済んだので、ブルペンを休ませることができた朝倉のロングリリーフは助かりました。
23日の予告先発投手はベイスターズが今季初先発の高崎、ドラゴンズが吉見の両右腕と発表されました。
吉見は巨人戦にぶつけるのかと思いましたが、もともとベイスターズには無類の強さを誇っているので、ここは絶対に勝っておきたいところ。
週末の大事な巨人戦に弾みをつけるためにも、エース・吉見の復活星で借金完済といきましょう!