西武 000 200 000 2
中日 000 000 15X 6
(西) 西口、●岡本篤、ウィリアムス、大石-炭谷
(中) 山本昌、ソーサ、○小林正、田島、S岩瀬-小田、福田、谷繁
本塁打
(西) 中村4号2ラン(山本昌)
ドラゴンズが今季初の逆転勝ちで西武に連勝、3カードぶりの勝ち越しで今季最多タイの貯金9!
開幕から42試合目で初の逆転勝ちというのはあまりにも遅すぎますが、先行逃げ切りが必勝パターンのドラゴンズにとっては、こういう勝ち方もたまには必要です。
先制点を与えると、そのまま敗戦に直結していた今季のドラゴンズは、この日も西武に2点を先行される劣勢の苦しい展開。
1点差に詰め寄って迎えた8回裏、マウンド上には7回まで1失点と好投の西口からスイッチした2番手の岡本篤が上がって、チャンス到来。
先頭のこの試合、代打で登場して途中からマスクをかぶっている福田が右ひじに当たる死球で出塁。
西武の渡辺監督は打ちにいっていると抗議するも判定は覆らず、高木監督は代走に足のスペシャリスト・英智を告げました。
続く代打の山崎は、外角の速球を右方向におっつけて一、二塁間を抜けるライト前ヒットでつないでチャンス拡大。
一塁ランナーの代走には岩崎達が送られて、打順トップに返って大島はもちろんバントのサイン。
ところが、大島のバントはピッチャーの正面に転がって岡本篤は三塁へ送球、英智はヘッドスライディングも封殺されて1死一、二塁。
大島のバント失敗で嫌な流れが漂う中、次の荒木は2球目のシュートに詰まらされてボテボテのピッチャーゴロ。
岡本篤は三塁を見てから向き直って一塁へ送球するも、これが大暴投となってファールグラウンドを転々とする間に岩崎達が生還して、ドラゴンズが相手のミスにつけ込んでついに同点に追いつきました。
なおも1死二、三塁という勝ち越しの大チャンスを残して今日が31歳の誕生日という岡本篤は降板、3番手のサウスポー・新外国人投手のウィリアムスが登板。
森野は初球を打ち上げて平凡なショートフライ、2死二、三塁となってバッターボックスには4番の和田が向かいました。
ウィリアムスは続投で初球のチェンジアップを見送って1ストライクからの2球目、甘く入った150㌔のストレートを振り切ると、打球は前進守備のセンター・ヘルマンの頭上を遥々と越えて、二人の走者がホームイン。
打った和田は三塁まで達して、迎え入れた荒木と大島の二人は相手のミスに感謝するかのように両手で拝むような仕草を見せました。
この回、結局ブランコにもタイムリーが飛び出すと相手のエラーなどもあって、打者11人の猛攻で5点を入手。
4月14日の阪神戦(甲子園)以来、今季2度目となる1イニング5得点以上というビッグイニングで試合をひっくり返しました。
岡本篤の独り相撲のような印象も受けますが、ちょうど一年前の去年5月20日の西武ドームでも5点ビハインドの最終回に1イニング6点を奪って大逆転勝利を収めているので、リリーフが12球団で最も手薄な西武が相手だと、こういうこともあり得るということです。
この日の勝利の立役者は、言うまでもなく決勝2点タイムリー三塁打を放った和田。
早くもチームトップとなる今季4度目のお立ち台に上がった和田ですが、前日の試合では2併殺1三振で4打数ノーヒットとチームは勝ったものの、かなり悔しい思いをしていました。
今季のチームは追いついても同点止まりで引き分けに持ち込むのがやっとだったので、一気に突き放すことができたのは大きかったですね。
5年前まで在籍していた古巣の西武が相手で、しかも同級生で同じ釜の飯を食った西口が先発。
その西口からは2打数ノーヒットで快音は聞かれませんでしたが、相手投手が代わって結果を残しました。
和田自身、三塁打は去年9月30日の阪神戦(甲子園)以来で通算でも32本目という三塁への激走。
併殺打はリーグワーストタイの9ながら、得点圏打率も3割を超えて勝負強いバッティングが光ります。
そして、和田の後を打つブランコも3安打の猛打賞でチームの勝利に大きく貢献してくれました。
2回に西口のスライダーをレフト前に運んでチーム初ヒットを記録すると、7回には1死一、二塁からレフト前ヒット。
二塁ランナーは俊足の荒木でしたが、昨日から三塁ベースコーチャーに回った渡辺コーチはストップの指示。
栗山からの返球でタイミング的にはクロスプレーだったから、止めたのは仕方のない判断でした。
その後、井端の犠牲フライで1点を返して反撃の狼煙となったので、この一打は貴重なヒットになりましたね。
8回にもレフト前にタイムリーを放って、ブランコ自身にとっては今月9日のヤクルト戦(長良川)以来、今季2度目の猛打賞をマーク。
打球方向はいずれもレフトで火の出るような強い当たりが生まれているので、調子は上向きと見ていいでしょうね。
和田、ブランコ共にリーグ4位タイの18打点目を稼いで、このままだと144試合換算で60打点ペースなので、もう少し増やしたいところです。
13試合連続ヒットと好調だった大島は、今月2度目のノーヒットでリスタートを切ることになります。
ノーヒットだったのは仕方ないとしても、8回のバントを決めていればもっと簡単に追いついていたので、反省点ですね。
7回にセンター前ヒットで出塁した荒木は、森野が空振り三振の間に今季5つ目の盗塁を決めて、井端の犠牲フライで生還。
森下整鎮(元南海)に並んで歴代24位タイの315盗塁をマーク、5年ぶりの盗塁王奪還に期待したいです。
6回には堂上剛、7回には山崎が代打としてそれぞれヒットを放ったのも見過ごすわけにはいきません。
今季のドラゴンズの代打成功率が高いのは、この二人の存在を抜きにしては語ることができないし、右の代打の切り札が山崎で左の切り札が堂上剛ですね。
山崎が4本、堂上剛が8本も代打として今季ヒットを打っているので、困った時に頼もしい存在です。
堂上剛は.471という驚異の打率を誇っているし、西口のボールになるスライダーをゴルフスイングのようにして右中間に運びました。
山崎も、この日の軽打のようにベテランらしい状況に応じたバッティングをしてくれています。
この日、勝利投手になったのは8回に2死二塁というピンチで3番手として登板した小林正。
秋山をわずか2球でセカンドゴロに打ち取って、その裏の攻撃で味方が逆転して今季初勝利が転がり込んできました。
打者一人を確実にアウトを取るのが小林正に課せられた役割、まさに必殺仕事人ですね。
7試合連続無失点で防御率を2.00として09年9月26日の横浜戦(新潟)から自身7連勝と負け知らずの小林正。
登板機会も徐々に増えてきて、ブルペンに一枚は必ず置いておきたい左のワンポイントとして重宝します。
2番手として先発の山本昌の後を受けたソーサも1回2/3を投げて無失点、来日してからの10試合で自責点ゼロというのは立派です。
現状では、まだまだ勝ちパターンで投げさせるピッチャーではありませんが、それでも劣勢の試合を立て直してくれる投球をしてくれるから、今季の新戦力の中では掘り出し物ですね。
一方、4点リードの最終回に4番手として登板した田島は2死から連打を浴びて結局、岩瀬を出動させてしまいました。
良かった頃に比べたらボールも高めに上ずっているのかもしれませんが、ルーキーで開幕からフル回転してきたのだから疲れもあるでしょう。
右も左も分からないプロの世界に飛び込んできて、いきなり防御率0.64という素晴らしい数字を残しているので、よほどのことが無い限り2軍に落とすとかいうことは考えられません。
両リーグを通じて単独トップとなる23試合目の登板となった岩瀬は4点リードの9回、2死一、二塁となってセーブが付く場面となったところでリリーフ。
ランナーを背負った場面とはいえ岩瀬にとっては楽な場面でしたが、栗山一人をショートゴロに片付けて試合を締めくくって12球団トップの16セーブ目。
形としては3連投になって、ロッテ戦で打たれた嫌なイメージを払拭することはできました。
46歳9ヶ月の山本昌と39歳7ヶ月の西口という大ベテラン同士の投げ合いは、計86歳4ヶ月なってプロ野球史上3位、交流戦としては史上最高齢の対決が実現。
この二人は08年6月17日の金沢でも先発として投げ合って両投手に勝ち負けは付きませんでしたが、今回も痛み分けに終わりました。
山本昌は初回、2つの四球で2死一、三塁のピンチを招くも無失点に抑えて、3回まではノーヒットピッチング。
ところが、4回に西武打線につかまって中島にレフト前ヒットを許すとディレードスチールを決められて無死二塁。
そして、4番の中村には高めに入ったスクリューを左中間スタンドに放り込まれて、先制点を献上。
さらに、その後連打と犠打で1死二、三塁というピンチで後続を何とか断って、試合を壊さなかったのが勝利に結びつきました。
結局、6回2失点という先発投手としては最低限の内容でマウンドを降りて、北別府(元広島)に並ぶ通算213勝目はまたしてもお預け。
前回、前々回のような早期ノックアウトだけは避けられたので、次回の先発のチャンスも与えてもらえるとは思いますが、4回以外は完璧だったからとにかく集中打を浴びないようにしたいですね。
この日、前日のヒーロー・平田が練習中にぎっくり腰で登録を抹消されて藤井が1軍に昇格してきました。
せっかくホームランを打っていい気分だった中で最悪の事態ですが、藤井もファームでは結果を残してきたので、本人にとっては千載一遇のチャンスですね。
セ・リーグは2位と3位が交代して、7連勝の巨人が2.5ゲーム差で首位のドラゴンズを追いかけてくる展開に変わりました。
開幕前に予想された優勝争いに近づいてきたし、このまま首位を守るのは容易なことではありませんが、3連覇のためには乗り越えなければならない試練です。
ドラゴンズナインは仙台に移動して、28日からはKスタ宮城で楽天との2連戦、その後は札幌ドームでの戦いと遠征が続きます。
仙台といえば、山崎が去年までの8年間楽天に在籍して第二の故郷とも呼べる場所なので、思い入れは人一倍。
しかも、パ・リーグの主催試合ではDH制なので、山崎は「7番・指名打者」で先発出場する予定。
ブランコは守備からリズムを作る選手だし、山崎はパ・リーグでの経験も長いから、この布陣で臨むことになりそうですね。
平田が故障で離脱してしまったのは痛手ですが、それでも山崎が加わることによって12球団でも屈指の最強打線が完成します。
楽天も最近8試合で7勝1敗と好調で次のカードでは辛島、ヒメネスあたりが先発してきそうです。
火曜、水曜ともに天気が心配ですが、ドラゴンズは中田賢、雄太がそれぞれ中5日で先発するでしょうね。
願わくば、楽天ファンからの大声援で迎えられるであろう山崎の仙台凱旋ホームランでドラゴンズが勝つというのが理想なので、大ベテランのためにおぜん立てを整えて連勝を伸ばしましょう!