DeNA 000 000 000 0
中 日 000 120 00X 3
(D) ●国吉、田中、阿斗里、菊池-鶴岡、黒羽根
(中) ○岩田、H浅尾、S岩瀬-谷繁
昭和の日の今日もドラゴンズがセ・リーグ最下位のDeNA相手に完勝して、去年から引き分けを挟み1982年の11連勝以来30年ぶりとなるベイスターズ戦10連勝!
今季7度目の完封勝ちで貯金を今季最多タイの6として、広島に完封負けしたヤクルトと並んで同率首位に再浮上しました。
神宮での負の連鎖を払拭するかのような盤石の試合運びでDeNAを一蹴しましたが、その立役者となったのは4年目の岩田。
今季2度目の先発で初回は2死から金城にライト前ヒットを許すも、中村をセカンドゴロに打ち取って上々の立ち上がり。
2回には先頭の一輝にレフト前ヒットで出塁されると犠打と四球で1死一、二塁のピンチを招きましたが、サインプレーで振り向きざまに素早く二塁へ送球。
飛び出した一輝を牽制アウトにして、自らの手でピンチの芽を摘み取り、8番の鶴岡でこの回の攻撃を切りました。
それ以降、尻上がりに調子を上げた岩田は3回の荒波に四球を与えた後は一人のランナーも出さない圧巻のピンチング。
森本、金城、中村とイニングをまたいで3者連続三振に仕留めると、さらに5回には石川、鶴岡、国吉からも3者連続三振を奪って、見事な奪三振ショーを演じました。
7回まで111球2安打2四球、無失点という素晴らしい投球内容で自身初となる2ケタ12奪三振を記録してマウンドを降りた岩田が今季2勝目をマーク。
おととし9月10日の横浜戦以来となるナゴヤドームのお立ち台に招かれた岩田でしたが、ドラゴンズでは09年8月23日の横浜戦(ナゴヤドーム)で中田が記録して以来となる12奪三振にも飄々と「自分は三振を取るタイプではないので、特に何も」と言ってのけました。
ストレートは最速144㌔を計測するなど走っていたし、落差のあるカーブも織り交ぜて緩急自在のピッチングでDeNA打線を翻弄。
岩田にとって最大の武器であるスライダーのキレも絶妙で、12三振のうち9つを空振りで奪いました。
2回の牽制アウトも大きかったですが、牽制とクイックならチームでも指折りの技術を誇っているし、芸は身を助くとはよく言ったもので、自分自身を救いましたね。
この岩田はプロ初勝利を挙げたのもナゴヤドームでの横浜戦、ちょうどチームは5試合連続完封というプロ野球新記録を樹立した最中でしたが、縁起のいいカードでもありました。
岩田も去年は5試合に先発して勝ち星なしの4敗という悔しいシーズンを送ったものの、打たれたのはビジターのマウンドがほとんどでナゴヤドームでは結果を残しているんですよね。
来週は、そのビジターとなる横浜スタジアムでのDeNA戦での先発が有力なので、岩田にとっては真価が問われるマウンドになりそうです。
明大の先輩で一回りも年齢が上の川上に代わって1軍に昇格してきましたが、戻ってきても投げる場所がなさそうだし、これがドラゴンズ投手陣の層の厚さですね!
その岩田を援護したい打線は両チーム無得点の4回、2死ランナーなしから谷繁が左中間を破る二塁打で出塁すると、堂上直は敬遠の四球で歩かされて一、二塁。
ここでピッチャーの岩田が打席に立ちましたが、2ストライクからフルカウントまで持ち込んでストライクが入らなくなった国吉は根負けして四球。
思わぬ形でチャンスが膨らむと、その初球がワンバウンドとなってキャッチャーが後逸する間に谷繁が先制のホームイン。
相手の四球からの暴投という、半ば自滅に近いような形で先制点をもぎ取って、今日も試合を優位に進めることができました。
そして、1点リードの5回には1死から平田がセンター前ヒットで出塁すると、2死からブランコがストレートの四球で歩いて一、二塁のチャンス。
この場面でバッターボックスに入った井端はカウント1ボール1ストライクから3球目の高めに浮いたフォークをおっつけると、ライトの前に転がってホームでのクロスプレーは平田の足が入るのが早く間一髪セーフという判定。
貴重な追加点となるタイムリーが井端に飛び出して、この回さらに堂上直のタイムリーでもう1点を奪いました。
井端自身にとって開幕カード2戦目だった3月31日の広島戦(ナゴヤドーム)以来23試合ぶりとなる待望のタイムリー、そしてそれ以来のヒーローインタビューを受けました。
甲子園で押し出しと内野ゴロでの打点はありましたが、一ヶ月もタイムリーが出ていないとさすがに久しぶりという気もしてしまいましたね。
本人は、2番を打っていた頃よりも6番の方が自由なバッティングが出来て居心地はいいみたいなので、「おこぼれをもらって」と話していた通り、もっともっと打点を稼いでもらいたいところです!
2戦連続のタイムリーを放った堂上直も、追い込まれてから内角高めのフォークを振り切ってレフトの前に運んだナイスバッティングでした。
初球の甘いカーブを見送った時にはなんで振らないのかと思いましたが、兄の剛裕とは正反対でボールを見たいタイプの直倫は追い込まれてからのバッティングに活路を見い出しました。
ただ、守道監督が勝利監督インタビューで追及していた通り、追い込まれ方が良くないので、更なる飛躍を目指すなら初球から積極的に狙い球を絞って、バットを振っていくべきでしょうね。
8回には、代打として高橋周がコールされてナゴヤドームは歓声に包まれましたが、結局バットを一回も振ることなくストレートの四球で歩いて、プロ初出塁を記録。
なかなか、接戦ではルーキーを使いづらいから余裕のある場面でしか出せないので、しばらくはこういう起用法になるでしょうね。
大島は6回に広島の梵らに並んでリーグトップタイとなる5盗塁目を決めて、荒木も3回に今季2つ目の盗塁を成功させて通算311盗塁としました。
今年のドラゴンズは犠打が21個で去年はほとんどなかった盗塁がリーグ2位タイの10個、今年はエンドランのサインもよく出るので、高木監督のカラーが随所に見て取れます。
平田はこの試合、両チームを通じて唯一となるマルチヒットで打率をリーグ7位の.286まで上げましたが、ここのところの安定感は光りますね。
不振にはまりかけていた4番の和田にも20打席ぶりのヒットとなる二塁打が生まれて、調子を取り戻すキッカケにしたいところです。
先制のホームを踏んだ谷繁は通算357本目の二塁打を放って、元同僚の駒田徳広に並んで歴代28位タイとなりました。
8回から2番手として登板した浅尾は、DeNAの代打攻勢をひらりとかわして3者凡退に片付けて今季リーグトップの9ホールド(10HP)目をマーク。
点差が3点もあって下位打線という浅尾にとっては最も楽な場面での出動となりましたが、代打の下園をピッチャーライナーに打ち取った時の打球反応はさすが浅尾というようなフィールディングでした。
最終回に3番手としてマウンドに上がった岩瀬も先頭バッターを出塁させるも後続を断って、ヤクルトのバーネットに並んでリーグトップタイの10セーブ目。
これで9年連続の10セーブに到達となりましたが、鉄腕には通過点に過ぎないしまだまだ上の記録がありますからね。
浅尾、岩瀬ともにリーグトップタイの今季14試合目の登板で連投だったので、3連投は避けるためにできれば25日の試合では二人を休ませる展開にしたいところです。
DeNA戦は今季4戦4勝で1点しか失っていませんが、この3連戦は3タテして当然というカードですからね。
25日の予告先発はドラゴンズが山本昌、ベイスターズがジオと発表されて、もちろん同一カード3連勝を狙います。
山本昌にとっては、球団新記録の212勝を目指す上では格好の獲物なので、ここで勝ち星を積み重なておかなくてはなりません。
目論見通りDeNAから貯金を増やしておいて、明日は先週に他界した父への白星と球団史に残る歴史的な勝利をナゴヤドームのマウンドで見せてもらいましょう!