中日 001 200 001 4
横浜 000 000 001 1
(中) ○山井、H浅尾、小林正、鈴木、S岩瀬ー谷繁
(横) ●小林寛、ブランドン、真田ー細山田
本塁打
(中) 大島2号ソロ(小林寛)、谷繁5号2ラン(小林寛)
ドラゴンズがセ・リーグ最下位の横浜を無難に退けて、今季最多の貯金7!
9月に入ってからの成績は10勝4敗2分けと好調で、まるでちょうどこの時期にラストスパートを仕掛けて逆転優勝を果たした去年の足跡を辿っているようですね。
優勝争いを演じているチームと目標を既に見失ってしまったチームのモチベーションの差が如実に表れるような内容の試合でしたが、ゲームセットの瞬間は冷や汗をかかされました。
4点のリードを保って迎えた9回裏、1死ランナーなしで筒香という場面で小林正が3番手として登板。
しかし、その小林正は筒香に対してフルカウントから四球を与えてしまい、アウトを一つも取れずに降板してワンポイントリリーフに失敗。
代打に渡辺が送られるのを見てピッチャーを4番手の鈴木にスイッチしましたが、ライト前ヒットを許してまたしても誤算。
1死一、二塁となってセーブが付くシチュエーションに変わった瞬間、森ヘッドがブルペンへの電話を持って落合監督は苦笑いを浮かべながら、このイニングだけで3度目の投手交代を告げました。
その岩瀬は代わりばな、藤田を2ストライクと追い込んでおきながらレフト前ヒットでつながれて満塁の大ピンチ。
一発が出れば同点という状況まで追い詰められて、横浜は今日2安打の細山田に取っておきの代打・中村を起用。
しびれる局面でキャッチャーの谷繁はホームランのリスクを避けて内角を突かず徹底的に外角のシュートで攻めるもカウントはピッチャー不利の3ボール1ストライク。
押し出しは避けたい5球目、甘く入ったアウトコースのシュートを引っ張られると三遊間を破ってレフト前へ。
三塁ランナーの筒香がホームインして、なおも1死満塁という一発が出れば逆転サヨナラという大ピンチが継続してバッターは途中出場の金城。
初球ストライクの後の2球目、内角のスライダーを完全に詰まらせるとセカンドへのインフィールドフライに打ち取って2死。
あと一人までこぎ着けると、横浜は1番の荒波に代えて長打力のある吉村のホームランに懸けて打席へ送り出しました。
簡単に2球で追い込むも、その後はフルカウントまで粘られてからの9球目、外角のシュートで決着。
最後はライトへのライナーが平田のグラブに収まって、横浜の反撃に手こずりながらも試合終了。
岩瀬は連打を浴びて完璧なリリーフとはいかなかったものの、これで7年連続30セーブ目となって自身の持つ日本記録を更新。
今季も700試合登板、300セーブと投げる度に金字塔を打ち立て続けていますが、さらに新たな勲章が加わりましたね。
次なる岩瀬の目標は、あと3試合に迫った自身の持つ日本記録を更新する13年連続50試合登板という大きな野望。
そして、この記録を達成すると同時に香取義隆(元西武)の持つリリーフ登板日本記録の739にも並ぶので、今季中に実現するのは確実でしょうね!
打者一人に四球を与えてマウンドを降りた小林正は6月18日のオリックス戦(ナゴヤドーム)以来、自身28試合ぶりの失点を喫してしまいました。
四球自体も24回1/3イニングで5つしか与えていない緻密な制球力を誇っている小林にしては珍しかったんですが、たまにはこういう日もあります。
この試合の先発予想はローテーションの順番通り山井なのか、横浜戦の相性が良い山内なのかで二分しました。
実際は相性を度外視して今季の横浜戦初登板初先発となる山井でしたが、その期待に応えてくれましたね。
初回、いきなり先頭の荒波にライト前ヒットで出塁されてうるさい俊足のランナーを背負うも、次の石川のキャッチャー前へ転がったバットを谷繁が判断良く二塁へ送球して間一髪アウトにすると一塁も間に合ってダブルプレーを完成。
この味方の好守に助けられてリズムをつかむと、毎回のようにヒットのランナーを出しながらも要所を締めて7回まで8安打無失点。
ヒーローインタビューでは「1イニングにヒット1本ぐらいはという気持ちで投げた」という風に話していましたが、まさしく粘り強いピッチングでしたね。
これだけヒットを打たれても失点しなかったのは、無四球とコントロールが安定していたことが大きな要因だと思います。
5回には1死一、三塁、6回にも1死一、二塁というピンチを招きながらホームベースは一度も踏ませませんでした。
これで山井は9月7日の巨人戦(ナゴヤドーム)以来2勝目を挙げましたが、毎年この時期になるとチームの心強い戦力になるのがこの男なんですよね。
毎年のようにケガに泣かされて一年を通した活躍はできず、今季も左足の骨折で3ヶ月を棒に振って悔しい思いを味わった右腕。
その鬱憤を晴らすかのごとく秋になってようやく帰ってきましたが、これから優勝争いとポストシーズンに向けては失った信頼を取り戻してくれるでしょうね!
3点リードの8回から2番手として山井をリリーフした浅尾は、1番から始まる横浜の好打順にも荒波を3球三振に仕留めると石川も空振り三振、下園をショートゴロに打ち取って3者凡退。
さらに、味方のリードが4点となった9回も続投して村田から三振を奪うと、自分の役目を終えて任務を全うしました。
両リーグを通じて最多となる65試合目の登板、去年の72に早くも迫ろうかという勢いですが、細身の体から繰り出される直球は衰えることを知りません。
今季40ホールド(43HP)となって、自身が去年マークした47ホールドというプロ野球記録はさらに上回るでしょうね。
一方の打線は狭い球場での試合ということもあって、2日続けての2ケタ安打と活発になってきました。
両チーム無得点の3回、このイニング先頭の大島がカウント1ボールからの2球目を逆らわずにはじき返すと、反対方向への当たりは伸びてそのままフェンスオーバー。
この回から降り始めた大粒の雨を切り裂いた打球は、ドラゴンズファンの待つレフトスタンド最前列に飛び込みました。
大島自身、プロ第2号となるホームランは先制アーチとなって結果的には勝利打点を挙げる一撃。
8月13日の横浜戦(平塚)でプロ1号を放った時と同じチームからということになりましたが、ホームランバッターではない大島にとっては広いナゴヤドームでは望めないとしてもこれぐらいの球場なら打てるということでしょうね。
持ち味である逆方向へのバッティングで左中間スタンドにホームランを打ったのは自信になるでしょう!
そして、4回には先頭のブランコがショートの石川のトンネルで出塁すると谷繁がバッターボックスへ。
カウント1ボール2ストライクから逆球になった内角のストレートを完璧にとらえると、そのまま切れずにレフトスタンドのポール際へ。
今週だけで3本目のホームランとなる一発は今季第5号2ランとなって、先発の山井を楽にしてくれました。
打った相手はプロ初先発のルーキー・小林寛でしたが、谷繁にとっては江の川高校の18年も後輩に当たるんですよね。
プロの貫禄を示した格好になって、まずは大先輩としての威厳を見せつけて洗礼を浴びせました。
ただ、プロ野球選手をたくさん輩出している学校ではない出身の人たちにとっては、同じ高校の後輩は気になるものだし、かわいがってあげるものでしょうね。
9回にダメ押しのタイムリーを放った井端は、5打数3安打1打点の活躍で今季4度目の猛打賞。
点差が3点と4点ではセーブが付くのと付かないのも含めていろんな影響を及ぼしてくることにはなりますが、大きな一打でした。
これでドラゴンズは横浜戦2年ぶりの6連勝となって、残り1試合の対戦も取りこぼさずに締めくくりたいところですね。
首位のヤクルトは巨人に敗れてゲーム差が4.5まで縮まって、残り26試合で絶好の位置につけることができました。
木曜日からは、そのヤクルトと運命の天王山4連戦が組まれていますが、雌雄を決することになりそうです。
今季は3勝9敗3分けと大きく負け越しているとはいえ、本拠地ナゴヤドームでの対戦となれば話は別。
4タテすれば一気に0.5ゲーム差まで肉薄することができますが、最低でも3勝1敗と勝ち越すことが逆転連覇への絶対条件ですね。
先発は目下6連勝中と絶好調のエース吉見が先陣を切って万全、ネルソン、ソト、チェンの外国人投手が続くローテーションになりそうです。
一時は10ゲーム差をつけられてどうなることかと思いましたが、そこから立て直してくるのがドラゴンズの地力。
首位のヤクルトとは勝ち星で一つしか差はないので、もう手の届くところまで迫っています。
相手も初戦で館山をぶつけてくることにはなると思いますが、真っ向から挑んでいって勝負の10月へ一縷の望みをつなぎましょう!