役を演じる | Getting Things Done -事業再生コンサルタントのMemorandum-

Getting Things Done -事業再生コンサルタントのMemorandum-

30歳を超えてすっかり記憶力が弱くなったと実感する日々。現役コンサルタントが自身の備忘のためにガチンコの事業再生コンサルティングを通じて学んだこと・体得したことを綴るブログです

四大新卒者のうち、3割超が入社後3年以内に転職・退職する時代。社会人なら誰しも今の仕事について「思い描いていた仕事と違う」「こんなはずじゃなかった」、果ては「こんな仕事はしたくない」と一度は思ったことはあるでしょう。かくいう自分も2度の転職を経ています。確かに本当に「違う」のなら転職・退職を考えた方がベターな選択肢だと思います。

ただ、その前に一旦「Why-What-How」で整理してみることが必要だと思います。自分の仕事を「WWH」に分けてみる。日々行っている仕事のWhatやHowがとりあえず気に食わないと思っても、その仕事のWhyが自分のWhyと合致しているのなら、今しばらく歯を食いしばって続けてみるべきでしょう。必ず自分にプラスになることがあるからです。

それでも、そうは考えても、そのHowが本当に辛過ぎたらどうするか。どうしても自分のポリシーと違うとしか思えなかったらどうするか。

自分もそんな経験があります。事業再生コンサルティングは、時に(ほとんど?)泥臭い仕事に終始します。嫌がられます。露骨に煙たがられても、笑顔で相手の懐に入り、行動変化を促していかないといけない。転職した頃は、正直言ってもうちょっと「スマート」な職務を想像していたので、「こんなはずでは…」と思ったことがありました。

そんな時、上司からアドバイスを受けました。
何も相談してないのに、私の顔付きや態度で心を見透かされていたようです。
「どうせ自分のやりたいことと違うとか、ポリシーと違うだとか思っているんだろう。でも、そんなものは関係ないんだよ」と。そして、

「お前は役を演じないといけない」 と言われました。

全ての仕事には求められる役割があります。役者さんに例えると、信条は誰よりも自分が目立つことである新人俳優が、たまたま主演を引き立てる「通行人A」を割り当てられたとする。これは命がけで主役の存在感を引き出す演技をしないといけない。でも自分の全く本意ではない役回りを演技するうち、脚本のイメージと違う振る舞いをしてしまって、引き立てることどころか主役よりも目立ってしまう。例えばそんなことを勝手にやってしまったらどうなるか。

監督から外されるだけです。やらなければいけないのは引き立て役の「通行人A」だからです。そんなところで勝手にポリシーを持ち出されても監督は困ってしまう。そして彼は監督から「使えない俳優」と思われてしまう。

続けて上司に、「役をきちんと演じることは、お前のポリシーに反するのか?」と言われました。
しっかり演じたところで、役者としてのポリシーが毀損されるといえるのか。そんなことはないのです。誰もそんなことは思わない。むしろ恥ずべきは、与えられた機会を活かすことをせず、求められている役割を果たさないことでしょう。役者さんでイメージすると当たり前のことが、いざ自分と自分の仕事に当てはめると何か違うことのように思いがちです。

演じることによって自分は給料をもらっている。これは何も役者さんだけではないはず。もちろん、コンプライアンス違反なことや、先に言ったようにWhyがそもそも違うことなら「無理に」やる必要はありません。やってはいけません。ただ、Whyが正しく、歯を食いしばらなければいけない時、自分は「役を演じる」だけなのだと思えば、これまでと視界が少し変わるかもしれません。

今振り返ると、論点をすり替えて説得させられたのだな…と思いますが、時折こうやって自分を律しようとしています。