ふりむくな ふりむくな 白永歩美
うしろには夢がない
寺山修司さんの「さらばハイセイコー」の一節です。
真夜中に芝居のことを考えているといつもこの詩が頭に浮かびます。
「人生という名の競馬場には
次のレースをまちかまえている百万頭の
名もないハイセイコーの群れが
朝焼けの中で
追い切りをしている地響きが聞こえてくる」
さて。遅ればせながらのご挨拶。5月公演「天正少年使節ー天草四郎の乱」より月蝕歌劇団の11代目トップを襲名しました、白永歩美です。
ブランクから復帰してあっという間の出来事で、まだまだその称号に追い付けていません。しかも今回の9月連続公演の一つ「怪人二十面相ー黒蜥蜴復活篇」は、その復帰作の「パノラマ島綺譚」の第二部という位置付けです。近くも懐かしい思い出のあの女賊が地獄の底から蘇ります。そして「ピーターパン 月蝕版」は幼い私が客席から観て、憧れた月蝕作品の再演。
走れ走れ。私は次のハイセイコーになれるでしょうか。
白永歩美