ごろつき。ということばから、ストーリーを膨らませてみましょう。 | 作家養成塾『遊房』の公式ブログ 「めざせ!公募小説新人賞」門座右京監修

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ごろつきということばが、今も通じるのか、あるいは死語になっているのか知りませんが、「不良」「やくざもどき」「ならず者」といった、アウトロー的なニュアンスで使われます。

語源はごろごろしているというところからと書かれているものが多いんですが、ごろごろしているなら不良ではなく、プー太郎、フーテン、ニートっていう意味が先に生まれるはずなのに、いきなりならず者というのになる道理がありません。

一説に「破落戸」と書いて、「ならずもの」とも「ごろつき」とも読ませ、これは中国語から来ているなどという方もおいでですが、これもどうも強引過ぎるように思います。

この「破落戸」は「バラッコ」と表音し、それがならず者かどうかはさておき、ごろつきの語源ではまったくありません。

俗に業界用語というのがありますね。
寿司のことをシースーというように、逆読みする符丁で、これは江戸時代から使われた符丁の手法です。

というと、少し見えてきたと思いますが、ごろつきはツキゴロから来ているんですね。
漢字で書くと月頃ではなく、付き転がしが短縮されたわけですね。

付き転がしというのは、まとわり付いて人生を転落させる、今風にいうと取立て屋のようなことをする人で付き転屋といったんですね。

出自は付け馬なんですが、付け馬は取立て屋ではなく、集金人で手持ちがないから、家まで取りに来てくれと頼まれ、自宅に集金する人ですが、それで回収できないときに、付け転がし屋が取立てをしたわけですね。

付けにしてくれ。というのは、江戸時代からあった制度で、料金は付け払いが基本でした。ですから付けそのものは悪でもなんでもないのですが、その付けを払うのが、盆と暮れの2回だったわけで、その時に払えないと人生が転がされ、いわゆる転落していったわけですね。

え?信じない?
そうですね。ウソつきの付きは、嘘を付けで払うという意味なんです。
払わないのに付けにする。
つまり嘘で付けにしてくれという意味で、ウソつきはこれが語源なんですね。

ま、ウソつきと思うなら、信じなくてもいいですが。