「院」と「園」この違いわかるかな。病院と幼稚園。学校だけが学園と学院がある不思議。 | 作家養成塾『遊房』の公式ブログ 「めざせ!公募小説新人賞」門座右京監修

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唐突にこういう質問を振られました。
学院でも学園でもいいんじゃないの?ねえ。
というわけです。

たしかに病院とは言うけれど病園とは言わないし、幼稚園とは言うけれど幼稚院とは言わない。
孤児院とは言うけれど孤児園とも言わない。

では学園と学院はどう違うのか。
答えられるかな?

まず「院」というのは何か。
文字から読み解くと見えてくるのは、「院」は「阜(こざとへん)」と「完」という文字でできていますね。
こざとへんというのは「固いもの」を意味して、いわゆる塀のことを指します。
宇宙からも見えるという万里の長城は、まさしく「阜」というわけです。
で、「完」は完全ということばからもわかるように、何一つ欠けたことのない様子を意味し、囲いの中にあるまったく欠けたもののないスペース、空間という意味になりました。

これに対して「園」は、あえて囲いを張り巡らさないで自由に育てる場所を意味します。
農園というのも作物を作るために囲いを作らないわけで、ハウス栽培は農園で栽培されたものではなく、農院のようなところで栽培されたものということになります。

従って病院は病を世間から隔離して、完全に処置を行い場所であり、幼稚園は自由に遊べるスペースで、本能のままに育てることを意味しているわけです。

ですから学院には自由という気風はあってはいけないわけで、あくまで学問に精通する完璧を目指していることになり、学園は授業について来られないおバカでも、どこかで精通するものを伸ばそうという気風ということになるんでしょうね。

もっとも私は学院も学園もあまり好きでなく、強いていえば「場」。学場という気風であるべきだと思うのです。

「場」というのは「土」と「易」という文字でできていますね。
これは「耕作地でありながら耕さないところ」を意味します。

農場というのは、実は作物を全部使って作っていない場所を言います。
牧場、馬場をはじめ、産業廃棄物の処分場のように、農園以外のことに供するスペースで、くだけていうならあえて使用目的を作らないという発想です。

たとえば病院ではなく病場なら、病気以外の人の病気体験場とか、病気予防場であることも必要だと思うんですね。

学場。たとえば作家になりたいという人は、実際に書くことを苦痛と感じない人であるはずですが、イメージだけでかっこいいなと思っていて、入塾者の中にはろくすっぽまともに書いたことのない人もいますが、うちではご遠慮いただいています。
でも、入塾審査なしに希望者全員を入れる営利塾は、学場思想というか、悪い意味の儲け主義ということもできますが、書く楽しさを自覚し、もっと書きたいと思うか、合わないなと自覚するかを、確認する場所という意味では必要だと思うんですね。

みなさんは学院、学園、学場、どこで学びたいですか?