平野啓一郎『決壊』 | 雑記帳(旧・ジェルボー、時々ゲリの東京日記)

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日記のつもりで記録します。

ポカリスエットのCMを見て「あ~生き生きと生きるにはまずは規則正しい生活をしなきゃ!」とか安易に思っていたのに夜更かしです(^▽^;)
久々に小説に手を出してしまったのがよくないですね。
私はほんとに短気で、結論が出ないと落ち着かない性格なので、小説特にミステリは絶対に途中でとめられないんだよね。。(もちろん、仕事や約束があったら止めますよ!)

読んだのはこちらです。

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先日渋谷の文化村でお茶してたら、たまたま今年のドゥ・マゴ賞平野啓一郎さんのパネルがあったんですね。

で、そういえば『日蝕』って読んでなかったな・・・と。せめてもの読書習慣として芥川賞受賞作くらいは読んでおこうと毎年思うのですが・・・ほとんど読んでいない(;^_^A

(ちなみに『日蝕』が芥川賞をとったのは10年近く前のはずです)


帯、表紙ともにミステリの体裁を取っており、話の主軸もミステリーなのですが、事件と犯人はプロットに過ぎず、その周辺の描写と登場人物(主に兄・沢野崇)の会話と思念の部分が圧倒的なボリュームを持っています。

日常の場面描写や登場人物の心理描写の細かなリアルさに対して、会話と思念の部分はものすごく学術的で難解。これがこの人の作風なんでしょうが、その両極端な特徴によって、単に「ミステリ」と思ってこの本を手に取った人は難解な部分をとばして先が知りたくなってしまったり、ミステリはそっちのけで登場人物に感情移入してしまったり、あるいはもっと観念的に小説を離れた思考の世界に遊んだり、色々な読み方ができそうです。


それだけ多面的な小説ですが、芸術作品としては失敗のような気も。。

メインの事件と犯人像が類型的な猟奇犯罪の表現すぎて(わざとかもしれないけど)、それまで積み上げてきた冷え冷えするような登場人物の描写と有機的関連性というか相乗効果が感じられなかったんですね。

それは繰り広げられる哲学的?学術的?な思考にもいえて・・・

全体として散漫な印象でした。


それでもすごく引きつけられる小説であることは確かです。

ドゥマゴ賞の選考委員の島田雅彦さんが、平野さんの小説は半径何メートルの私小説にとどまらない大きな世界を描こうとしていることを評価しておられたのですが、確かに社会的なこと、哲学的なことを書ききる筆力って凄いですよね。それがさらに美しさまで感じられるようだと芸術的にも傑作になるんでしょうね。


色々な意味で「グロい」ので、あまり感情移入せず距離を取って読むことをオススメします。


次は『日蝕』とドゥマゴ賞受賞作『ドーン』を読んでみます。