どこに電源をつなぐ?
Arduinoは電池で動かせます。Arduino UNOに給電するには、いろいろな方法があります。
・USB端子を使って、5Vちょうどを供給する(このブログのここまでは、PCのUSB端子から5Vちょうどを供給していました)
・DCジャックに7-12V(許容値は6-20V)を与える
・Vin – GND間に7-12V(許容値は6-20V)を与える
家庭用コンセントがある場所なら、携帯の充電器を使ってUSB端子に5.0Vちょうどを与えるのが便利かもしれません。電池を使うなら、4~6本直列つなぎにしてVin – GNDにつなぐことになります。あるいは、車のバッテリー(鉛バッテリー:12V)も使えます。
モバイルバッテリーの是非
ここで誰もが(?)考えるのが、「携帯のモバイルバッテリーが使える」ということです。スマホを何回も充電できる10,000mAhを超える容量の製品もあり、これなら長時間駆動できるように思えます。しかし、これには注意が必要です。モバイルバッテリーは、スマホの過充電を防ぐため、電流がある程度以下になると自動的に給電を停止する装置が組み込まれています。およそ、50mAくらいで切られることが多いようです。これ以下の電流で動作する装置をモバイルバッテリーにつなぐと、最初の10秒ほどは動いても、すぐに止まります。給電が切られてしまうからです。Arduino UNOは、省電力の工夫(スリープモードなど)をしないと50mA以上で動くことが多いので、なんとか動くかもしれません。しかし、これでも10,000mAh/50mAと考えると、200時間(=8日)しか動作せず、フィールド観測には不向きです。このブログシリーズでは、最終的にスリープを使って断続的に記録するシステムをつくります。このように、モバイルバッテリーは、使えないことはないですが、大きな欠点があります。
上記の問題を解決するために、電子工作向けにCheero Canvasという、過充電防止回路のないIoT向けモバイルバッテリーが売っています。コレ↓。
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管理人が(数年前に)調べたところでは、この製品くらいしか過充電防止回路のないものはありません。ただ、3,200mAhと容量が限られています。2,500mAh程度のハイエンドのニッケル水素充電池(エネループプロ・充電式エボルタプロなど)とあまり変わりがありません。
別の選択肢として、18650などリチウムイオン電池そのものを使うという手があります。これはモバイルバッテリーの素ともいうべき製品で、いろいろな形のモバイルバッテリーも、実は、中にはこういった電池や、あるいはリチウムポリマー電池が入っているだけです。リチウムイオン電池は基本的に3.7Vで、18650の場合、例えば3400mAhなどの容量があるので、1本でニッケル水素充電池(1.3V, 2,000-2,500mAh程度)の3倍程度のエネルギーを持っています。18650などのリチウムイオン電池は素人向けではありません。Amazonでいろいろ売っていますが、普通の店舗では売っていません。専用の充電器が必要ですし、リチウムイオン電池は下手をすると爆発するうえ、過放電などで大きく損傷します。
以上に鑑み、とりあえずのおすすめはハイエンドニッケル水素充電池(エネループプロ・充電式エボルタプロなどの黒いやつ)です。扱いやすいし、怖さがありません。価格もお手頃です。電子工作に挫折しても、日常生活で使えます。
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電池ケースも買っておきましょう。Arduino UNO向けに6本直列ケースと、あとで使うかもしれないのでArduino Pro Mini 3.3V用に4本直列ケースも買っておきましょう。安いものなので大人買いしましょう。後の回では、鉛バッテリーと太陽光パネルを併用して恒久的なシステムを作製します。
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電池ケースには、以下のようにジャンパーワイヤ―をつなげておくと便利です(写真の撮り方が悪くて申し訳ない:先っぽが、ジャンパーワイヤ―のオスになっていて、ブレッドボードに挿せます)。はんだ付けして熱収縮チューブで保護しておくのが理想ですが、接触さえしていればとりあえずよいです。
ちなみにですが・・・Arduino UNOはニッケル水素充電池4本でも動くことが多いです。1.3×4=5.2Vしかなく(充電直後は5.6Vくらいになります)、6-20Vを満たしていないのですが、実際には動くことが多いです。
以下のようにすれば、スタンドアローン型の最低限のロガーの出来上がりです。
参考までに、いろいろな電池を並べてみた写真↓。左から、太陽光パネル付きモバイルバッテリー、リチウムイオン電池18650、エボルタプロ、エネループプロ。電子工作をしていると、電池に愛着がわいてきます。