夏の思い出 | シジンの日記

シジンの日記

つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなしことを、だらだらと書かせていただいてます。

お祭りで絶対買っちゃうものは? ブログネタ:お祭りで絶対買っちゃうものは? 参加中
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焼きそばにビール。
小麦粉とソースの焦げる匂いは感動的に胃袋を刺激してくれます。
ビールも当然のようについてきます。(お祭りはだいたいが夏ですし)

昼に宮出しがあって、夕闇が近づくころから笛や鉦の音が聞こえてくる。
父は夕方から家の前に縁台を引っ張り出して豆腐と谷中生姜で冷酒を飲んでいる。
僕は祭りの地区本部があるテントで町内会のおじさんから大きな薬缶から麦茶を注いでもらう。

ミンミンゼミの鳴き声がちょっと物悲しげなヒグラシの声に代わり、次第に夕闇が迫って提灯に灯が入り御囃子に掛け声が入り始める頃、僕は父の袖を引っ張ってお祭りへ出かけることをねだる。
お祭りに行ったって小さな僕は人ごみに埋もれてしまう。
だから父に肩車をしてもらう。
いつもよりずっと高い位置からお祭りを眺める。
たくさん並んだ提灯と同じくらいの高さだ。
何やら偉くなったような気がする。
父はゆっくりと露店を冷やかしながら人ごみを進む。
僕は父の体の動きに合わせてバランスを取る。

ときどき、金魚掬いやスーパーボール掬いの前で父は僕をおろしてくれる。
一匹だけ分けてもらった(金魚掬いには失敗した)金魚の入ったビニールをぶら下げながら、僕は父の肩の上でお面やヒヨコをねだり、リンゴ飴を食べたがる。
父は母よりも僕に甘く、財布の紐が緩かった。

今、僕はあのころの父の年齢を超えている。
だから、父が飲みに行くことに比べれば子供が縁日で使うお金などたかが知れていたのだろう、とわかる。

そんな父はもういない。

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シジン