クイズ大会「天5」の感想(その7.エピローグ)
OBA-Q「天5」作戦記録
7.エピローグ ~私にとってクイズとは~
(1)実はほとんど役に立っていない作戦参謀
私は、天2、天3(市川くんと共同で)、そして今回の天5と、OBA-Qチームの作戦参謀役を務めてきました。
それがどれぐらいチームの役に立っているのか、自分でもわかりません。
あすかさんに言わせれば「そんなことより時事問題300問覚えろ~っ!」という感じでしょうか。
たぶん、それは正しいと思います。私が作戦参謀とか言ってごちゃごちゃやるようなことは、クイズの勝敗にはほとんど影響を及ぼしていないでしょう。
私が1プレイヤーとして時事問題を300問覚える方が、確かにチームに貢献できる度合いは大きいと思います。
それがわかっていながら何で、時事問題を覚えることより優先して(いや、それなりには覚えたけどさ)こういうことをやっているのか、今回はそういうお話をしたいと思います。
(2)クイズに近づきすぎると嫌いになる
私がクイズを始めたのは大学に入ったときですから、もう22年になります。
当時は強かったんですよ。でも、長続きしませんでした。興味のないことを覚えるのが苦痛なのです。
クイズに強くなるには、あらゆる分野の知識を覚えないといけない。でも、私には、それができませんでした。
何度か、本気でクイズに強くなってみよう、そう思った時期はありました。
そのたびに、がんばってモノを覚えようとし、そのたびに苦しくなって挫折しました。
特に、知識をクイズの形式にして、この文章はここで押せばこれが正解になる、そういうのを覚えることを継続できませんでした。
もちろん、それこそがクイズというものです。
そういう作業を突き詰めてできる人を、私は尊敬しています。でも、私にはできないのです。
クイズは大好きなのに、勝ちたくなって近づきすぎると嫌いになる。
そういう私が、クイズの世界で飽きずに続けられることとして見つけたのが、プレイヤーとして強くなるのをあきらめ、団体戦での作戦を突き詰めて考えて、チームを勝利にわずかに近づけるという遊びです。
遊び、そう、ただの遊びです。300問の時事問題を覚えるより価値の低い、ただの自己満足です。
そういうつまらない自己満足に本気でつきあってくれるOBA-Qの仲間に、本当に感謝しています。
(3)作戦が重要な意味を持つ、架空のクイズの世界を夢想しながら
そんな自己満足、何が楽しいのと言う人がいるかもしれません。
自己満足の楽しさに理由はないのですが、あえて理由をつければ、仮に莫大なお金が動くプロの団体戦クイズというものがあったらと、そういう世界をイメージして、まねごとをしている気分になっているから。
もしそういう世界があったら、選手個々の実力を鍛錬により引き上げることに加え、作戦、マネジメントといった分野が重要になっているはずです。
例えば、実戦面では、見ておもしろくするための戦略性の高いルールが導入され、それに対応するための多様な作戦を考えるという仕事が生まれるでしょう。
また、ドラフト・トレードなど戦力均衡の仕組みが整えられ、その仕組みの中で、選手個々の能力を測定し、組み合わせて編成するという仕事も生まれるでしょう。
もちろん、そんな日は永久に来ませんが、私は夢想家なので、そういうまねごとをする気分になるだけで、頭の中でかなり楽しく遊ぶことができます。
それが、私が時事問題を覚えることより優先して、団体戦の作戦を考えている理由ということになるでしょうか。
よくまとまりませんが、そんな感じです。
(4)天6に向けて
さて、今回は準優勝という予想以上の結果が出て、大いに満足しました。
でも、自分のプレイヤーとしての弱さが、あまりに情けなかったのも事実。
次回、天6に向けては、もう少しプレイヤーとしてがんばってみようか、という気にもなっています。
ダンナやあすかさんの行動や考え方に触れてそう思うようになった、というところが大きいでしょうか。
2人には感謝しないといけないですね。
とはいえ、生来、怠惰な性格なので、本当にやるかは大いに怪しいのですけど……(と予防線を張っておく)。
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以上で、OBA-Q「天5」作戦記録、8回の連載を終わりにしたいと思います。
いかがだったでしょうか。
これを読んだ方の中から、クイズの団体戦の作戦というものに興味を持ち、考察を深めて、「天6」以降で実践される方が出てくれば、本当にうれしいです。
もしそういう方がOBA-Qと対戦する日が来たら、300問の時事問題を覚えた私が、容赦なく返り討ちにしてみせますから、お楽しみに!
「おまけ・クイズ能力の数値化試案」に続きます、というか文章としては続いていなくて、独立したコラムをもう1回分ということで。