「犬といつも一緒に遊んでくれたよね……。」
作品名: 追憶の犬
曲名: メイドと血の懐中時計
公開日: 2024年4月6日 (土) ~ 2024年4月12日 (金)
メイリン「この作品は『自殺しようとしている女性を助ける犬の物語』を描いた歌詞なの。」
「2017年12月8日に書かれた歌詞で、如月祐介が作詞を始めてから約0~1ヶ月後の作品よ。」
「彼はこの頃にはすでにいくつか歌詞を完成させていて作詞に慣れていたから、ちょっと難しそうな曲に歌詞を付けようと思ったの。」
「実は東方紅魔郷というシューティングゲームの音楽を聴いていたときに、一般的にはあまり聞かない奇抜な構成の曲があることに気づいたのよ。」
「この歌詞を付けた曲はこちら……。」
原作: 東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil
作曲 & 編曲: ZUN
曲名: メイドと血の懐中時計
「通常の曲がA→B→Cという構成みたいに意味がつながっているのに対して、この曲はA→B→Zみたいに意味がつながらなくなるのよ。」
「こうなると歌詞を書く側とすれば曲の構成と同じように意味がつながらなくなるから、如月祐介も全くアイデアが浮かばずに悩んでいたの。」
「そして曲を聴き続けて数時間が経過した頃に、ふと幼少時代に飼っていたヨークシャーテリアという犬のことを思い出したの。」
「実はこの犬は彼の両親が離婚した影響で生き別れになり、情報が断絶したことでその後の消息が分からなくなってしまったのよ。」
「実はその少し前に書いた『生きたい』という歌詞が希死念慮を描いた暗い内容だったから、内心ちょっと後悔していて複雑な気持ちでいたのよ。」
「そういう心理状態で曲を聴いただけに、歌詞に描かれている女性も絶望に囚われていて、深夜のビルの屋上で自殺しようとしている描写になったの。」
「ここまで来るとまた同じ展開になりそうだけど、曲の構成はA→B→ZだからB→Zの部分を訳が分からなくなるように書くことを閃いたのよ。」
「曲の冒頭から絶望に囚われた女性が描かれ、深夜のビルの屋上で飛び降りる瞬間、どこからともなく犬が現れて助けようとするが……。」
「そこには動物を飼っている人であれば誰もが経験する出来事と、それが意味する命の大切さが奇抜な展開で描かれているわよ。」
「いろいろ謎が多い歌詞で読んでいて最初は意味が分からなくなるかもしれないけど、それは如月祐介が意図的に狙った効果でもあるの。」
「そして歌詞を読み終わったときに冒頭と全く違う描写になっていることに気づいて、この作品が本当は何を描いているのか分かるはずよ。」