駐車時の 「シフト操作」 にNG行為あり?
定番操作 「PシフトからのPブレーキ」 は何がイケない?
クルマを壊さない 「正しい止め方」
* くるまのニュース (3月28日) より *
クルマが停止する前にAT車のギアを 「D」 から 「R」 に操作するのはダメといわれていますが、実はそれよりも見逃されている “ NG行為 “ があります。
それはクルマを停める際に、何気なく当たり前のようにやっていた “ 意外な動作 “ でした。
⚫完全停止する前に 「D」 から 「R」 のシフト操作はNG!
しかし電子制御化でトラブルの回避も可能に
ギアシフト故障の原因となるNG行為といえば 「クルマが完全に停止する前にDレンジからRレンジにする」 ことと、古くからいわれています。
しかしシフト操作に関して、もっと 「気をつけなければいけないこと」 があるといいます。
今も自動車教習所などでは 「DレンジからRレンジにするときは、クルマが完全に停止してから」 と教えていますが、最近のクルマは、もうそれほど気にしなくても良いと思います。
確かに、30年から40年くらい前の古いクルマのオートマチックミッション (AT) では、完全停止前にDレンジからRレンジへとシフトを切り替えようとするのは、大きなトラブルの原因とされていました。
例えば 「ガツッ」 といったショックや異音がしたり、そもそもギアシフトが入らなかったり (切り替わらない) といった具合です。
ひどい場合にはギアケースが割れたり、ブレーキバンドが摩耗したり、といった不具合が発生してしまうケースもあったようです。
「近年のクルマでは、完全停止するというDからRへと切り替えても、昔のような大きな問題は起きないはずです。
最近のクルマのATは、基本的にシフトのセレクトレバーが “ 電子制御タイプ “ となっています。
ドライバーがシフト操作をしたあとに、システムがスピードやエンジン回転数などからシフトチェンジのタイミングを判断して、シフトが切り替わるという仕組みになっているのです。
そのためクルマが動いている状態で、ドライバーがDレンジからRレンジへシフト操作をしたとしても、普通はシフトが切り替わることはありません」
筆者 (くるまのニュース ライター 河馬兎) も自分のクルマで、完全停止前にDレンジからRレンジ、RレンジからDレンジへと入れてみましたが、すぐさまシフトが切り替わることはなく『シフトレンジは停止してから入れてください』との警告メッセージが、メーターのセンターディスプレイ内に表示されただけでした。
完全停止してタイヤの回転がピタッと止まったあとでないと、 “ シフトチェンジは受け付けない設定 “ になっているようです。
⚫ 意外と知らない !? クルマを停止し 「P」レンジに入れる『正しい手順』とは
とはいえ、思わぬエラーが起きたり、トラブルの原因となる可能性もないとは言えないので、やはり “ 乱暴なシフト操作 “ は慎んだほうが良いでしょう。
また最近のクルマでも、マニュアルトランスミッション (MT) 車では、ギア同士が噛み合わずに 「ギギー」 といった異音が発生したり、最悪の場合、無理やりギアを入れようとして “ ミッションが壊れる “ こともあるようなので、注意が必要です。
しかし、それ以上に実は多くのドライバーがが意識していない操作で、クルマに “ 思わぬ負担をかけている “ケースがあるといいます。
前出のメーカーエンジニアA氏が注意を呼びかけているのは、『Pレンジとパーキングブレーキの順番』です。
これは多くのドライバーが “ 勘違いしている “ 、 意外な盲点といえます。
「近年の自動車では、自動でパーキングブレーキをかけてくれるクルマが増えていますが、従来の手引き式や足踏み式パーキングブレーキの場合、まずはPレンジに入れて、そのあとパーキングブレーキをかける人が多いようです。
A氏はこのように話します。
Pレンジは、トランスミッション内部の歯車に爪 (パーキングロックポール) がかかり、シャフトがロックされることで、駆動輪が動かなくなる仕組みを持っています。
タイヤの回転をロックするわけではないので、Pレンジに入れたあとブレーキペダルから足を離すと、わずかにクルマが動いてしまいます。
「例えば、坂道などでPレンジのみを入れた状況だと、パーキングロックポール “ だけが “ クルマの前後移動を抑制することになります。
これではトランスミッションが本来 “ 持っていない役割を担う “ ことになってしまい、クルマを痛めつける行為となってしまうのです」
⚫ おわりに
Pレンジを使うときは完全停止後、まず “ パーキングブレーキをかけてから、シフトをPに入れる “ のが鉄則です。