『仮面ライダー』のバイクは本当にすごいのか?
案外フツーの性能?実在マシンの方が斜め上いってた件
*乗りものニュース (8月19日) より *
特撮ヒーローの金字塔『仮面ライダー』。
主人公である仮面ライダーたちが乗る “ 超高性能なバイク “ が叩き出す高性能なスペックは、21世紀に実在するバイクで、すでに一部達成しているようです。
◆最高速度400km / hも空を飛ぶこともすでに達成
世界征服を企む悪の秘密結社「ショッカー」によって、改造人間・バッタ男にされてしまった本郷 猛が「仮面ライダー」を名乗り、悪の怪人に立ち向かう特撮作品『仮面ライダー』。
その時代の街並みの中で起こるショッカーの犯罪や、改造人間にされた悲しみを背負いつつ戦う、仮面ライダーの悲劇を織り交ぜた作風は、大きな反響を呼びました。
ただ、『仮面ライダー』シリーズの醍醐味は、主人公や敵役などといったキャラクターだけでなく、ある意味 “ 主役 “ と言える魅力的な超高性能バイクにもあるといえるでしょう。
ですが、そんな超高性能バイクも初代仮面ライダーが乗っていたのは、今から50年以上も前の1971 (昭和46年) です。
それら当時のスーパーバイクと現代のバイクでは、どちらの方が “ 高性能 “ なのか、調べてみました。
仮面ライダーには、1号と2号が搭乗する「サイクロン亅や、仮面ライダーV3が搭乗する「ハリケーン亅、ライダーマンが搭乗する「ライダーマン マシーン亅など、数多くの超高性能バイクが登場します。
たとえば「サイクロン亅は、プルトニウム原子炉とジェットエンジンが搭載された高性能マシンで、車体重量280kg、最大出力500馬力、最高速度400kmを発揮。
強力なエンジンと高いグリップ力で垂直の壁でも登攀 (とうはん) できるほか、高さ30mのジャンプや、水中航行すら可能。
さらに、自動操縦や遠隔操作もできるというモンスターマシンです。
仮面ライダーの放映当時の大型バイクというと、たとえばスズキの「T500亅(1968年) が上げられます。
『スズキ T500』
レーシングバイクにもなったこの機種は、車体重量193kg、最大出力47馬力、最高速度181km / hの性能を有していました。
「T500亅と比較するなら「サイクロン亅の性能が “ 異次元 “ であることがわかります。
ちなみに「サイクロン亅にはバリエーションがあり、新サイクロン号では車体重量220kg、最高出力700馬力 (ブースター使用時は800馬力) 、ジャンプ力50m、さらには飛行能力まで備えるなど、原形 (初代サイクロン号) と比べて、かなり “ パワーアップ “ されていることがわかります。
◆ギネス認定受けた市販二輪最速モデル
続編『仮面ライダーV3』にも、主人公側に2台のバイクが登場します。
仮面ライダーV3が乗る「ハリケーン亅(※) は、車体重量320kg、最高出力1000馬力、最高速度600km / h、最大限10時間の飛行能力など、さらなる高性能化が図られました。
(※) 当時の子供向け雑誌に『ダブルライダーが開発した、サイクロン号に代わる新しいマシン』と記載。
一方、見た目が市販車と変わらない『ライダーマン マシーン』も、原子力エンジンと走行コンピュータを搭載し、車体重量200kg、最高出力400馬力、最高速度250km / h、40mのジャンプ力を備えていたようです。
ちなみに、ライダーマンは自らのマシンを “ アップデート “ していたようなので、番組の中で “ より高性能になっていた “ 可能性も否定はできません。
では、改めて仮面ライダー “ 専用 “ バイクと、放映から約50年を経た “ 現代 “ のバイク、どちらの “ 性能が上 “ なのでしょうか。
現代のバイクでも『垂直登攀』『何十mものジャンプ力』『飛行能力』といった機能は備わりませんが、『最高速度』『最高出力』は比較することができます。
たとえば、国産バイクではカワサキの『Ninja H2R』は、クローズドコース専用モデルだと、車両重量216kg、最高速度は海外メディアでは “ 400km / h以上 “ と報じられており、その能力はサイクロン号に匹敵します。
このバイクは、ギネスブックに『市販されているバイクで世界最速』と明記されているほどで、最高出力320馬力を発揮するエンジンにより、最高速度は402km / h (439.35km / hという資料もあり) を誇ります。
『カワサキ Ninja H2R』
海外市販車では、アメリカのマリン・タービン・テクノロジー (MTT) 社が開発した「タービン・スーパーバイクY2k」が高性能です。
マリン・タービン・テクノロジー
『タービン・スーパーバイク Y2k』
最高速度だけ比べるなら、サイクロン号より速いバイクといえるでしょう。
また、加速力も凄まじく “ 発進から15秒 “ で365km / hにまで達します。
エンジンは何と、ヘリコプター用の “ ガスタービンエンジン “ で、走行音はジェットエンジンそのもの。
マフラーからの排気熱が高温すぎて、後ろに停車している “ 車のバンパーが溶けた “ こともあるそうです。
◆空飛ぶバイクも登場済み
初代サイクロンが「ジェットエンジン搭載亅という設定なので、前出の「タービン・スーパーバイク Y2k亅は、原子炉こそ積んでいないものの、これを “ 具現化したようなバイク “ といえるのではないでしょうか。
バックミラーがなく、リアビューカメラの映像がモニターに映し出されるあたりも、空想科学的なバイクと言えるでしょう。
ちなみに、バリエーションとして、420馬力のガスタービンエンジンを備えたモデルの『タービン・ストリートファイター』も存在するようです。
なお、より高性能なのが2003年のデトロイトオートショーに、コンセプトモデルとして出品された、ダッジ社の「トマホーク」です。
このバイク、前後の車輪が2輪備わった4輪車で、外見もまさに異形。
エンジン出力は「サイクロン号亅と同じ500馬力。
計測された最高速度は480km / hですが、計算上は時速680km / h (676km / hという資料も) まで出せるといいます。
ちなみに10台が市販されており、当時は55万ドル (当時のレートで5,636万円) したとのこと。
一応、公道走行も “ 可能 “ だと言われています。
車両重量は675kgもあるので、ライダーマシンよりずっと重く、軽自動車に近い重量です。
本当に最高速度が680km / hも出せるのならば、V3の「ハリケーン亅よりも速いバイクということになります。
現実の社会では、そのスペックを活かす機会がなさそうな『超高性能マシン』ですが、空想上の超高性能バイクに匹敵する「トマホーク亅の高性能には、とにかく驚くしかありません。
ちなみに『空飛ぶバイク』も、2022年に日本のスタートアップ企業A.L.I. Technologiesが開発したホバーバイク「XTURISMO (エックストゥーリスモ) Limited Edition亅が登場しています。
『 T500 』
あの映画でシュワちゃんが演じた『 T800 』よりも “ 旧式のターミネーター “ ···· ではないですよね (笑)
『 XTURISMO 』
「仮面ライダーリバイス」にも登場しましたね (外装は変更されていましたが) 。
実機の航続距離が気になりますが、ドローンと併用すれば災害時などに、かなり有効な活用法が期待できるのではないかと思います。