萩ジオパーク構想とMine秋吉台ジオパークを訪問して | 地質・地理と文化 ージオサイト巡りの旅-

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思い出しながら書いているので、記事の日付が前後することがあります

遅くなりましたが、昨年12月12日~15日に山口県萩市と美祢市を訪問してきました。一番の目的は花崗岩の石造物の調査でしたが、もう一つの目的はジオパークの事務局を訪問すること。 どちらも市役所などではなく、観光施設の中にあります。

 

歴史的施設にある萩ジオパーク構想事務局

萩は歴史のある町。萩ジオパーク構想の事務局は、明倫学舎という施設内にあります。ここは多くの幕末の志士が学んだという、藩校明倫館の跡地で、その後1935年に建てられた明倫小学校を改装して、2017年3月に萩・明倫学舎としてオープンしたものです。

中には観光インフォメーションセンターやレストランなどがあり、ジオパークの事務局は、その本館2階のジオパーク・ビジターセンター内にあります。また、2号館には世界遺産のビジターセンターや展示室もあり、ここへきたら萩のことがすべてわかることになっています。

スタッフは地質学だけでなく、萩らしく歴史や文化財の専門家がそろっており、石造物のことなども教えていただきました。

事務室の隣にはジオパークの展示室も、充実しています。

お客さんも訪れる施設なのですが、設立1年目ということで、まだまだ訪れる人は少ないようです。ここに移動する前には市役所の中にあって、事務局スタッフの仕事はしやすくなったそうですが、ガイドの人達などからは、市役所にあった時のほうが行きやすかったと言われることが多いそうです。確かに部屋が閉まっていると入りづらいかもしれませんが、今後軌道に乗るともっと多くの人が訪れるようになると思います。

カルスト台地の絶景地にあるMine秋吉台ジオパーク事務局

Mine秋吉台ジオパークの事務局はKar☆(カルスター)という施設の中にあります。

周辺には雄大な秋吉台の風景が広がっています。

ここには休憩コーナーとカフェが併設されていて、事務局のスペースとの間がオープンなことが特徴です。 市民や観光客とのコミュニケーションを進めることが狙いとなっています。

ここに移動する前の事務局は近くの科学博物館の中にありましたが、一般の人にとっては科学館というのは少し敷居が高くて気軽には入りにくく、今のほうが訪れる地元の人が多いそうでした。

 

庁舎内にある山陰海岸ジオパークの事務局

さて、山陰海岸ジオパークの事務局は、豊岡にある兵庫県総合庁舎の中にあります。山陰海岸以外でも、多くのジオパークで事務局が役所の中にあります。

役所の中に事務局を置くことは、行政との連携を図る上ではいいかもしれません。しかし一般の市民やガイドの人達にとって役所はそんなに気軽に行けるものではありませんし、まして県の総合庁舎となると、よほどの用事がないと行くことはないと思われます。

 

山陰海岸ジオパークの事務局も、そろそろ総合庁舎を卒業することを考えたほうが良いという思いが強くなった、萩~Mine秋吉台の訪問でした。そして、ジオパークの拠点施設とは何か?も考えないといけませんが、これについては別の機会に