音譜2002/1/12『地球の音を紡ぎだす』オカリナ奏者:野口善広

★オカリナライブ演奏~野口善広『荒野』★
オカリナ
澤田:いや~キレイで優しい音ですね!これは野口さんのライブ演奏ですか?
梅木:はい。今回は野口さんのライブにおじゃましてきました。聞いて頂いたのが野口さんのオリジナルで『荒野』という曲なんです。
澤田:荒野!?なんか勇ましい曲ですね。鳥の鳴き声みたいな感じでオカリナがフューフューフューって鳴いてましたね。
梅木:気持ちいい音でしょ!ちょっと野口さんのご紹介をせて頂きたいと思うんですが、ラジオお聞きの方もアウトドアマガジンのビーパルとか読まれた方は多いと思うんですが、たまにオカリナの特集とかしているんですよ。その時の監修なんかはほとんど野口さんなんです。オカリナ奏者でオカリナ制作者なんです。
澤田:そうですか!オカリナでは有名な方なんですね!

モグラ インタビュー1)いわくつきのオカリナでヒューヒューヒュー!?
梅木:今日はオカリナ奏者で、オカリナ制作者でもある野口善広さんにお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします!
野口:はい、よろしくお願いします!
梅木:まず野口さんとオカリナの出会いをお聞きしたいんですが?
野口:私がオカリナに出会ったのは今から7年前なんですけど、それまで幾つかの職業を転々としてまして、それと並行に野外活動のキャンプのティーチャーみたいな仕事をしてたんですね。そこのキャンプファイヤーなんかでギターやハーモニカとか色んな楽器で楽しませていたんですけど、ある時オカリナを購入してオカリナを吹いた時になんか自然の音を感じて懐かしいなと、やさしい音色がするなと、鳥の声にも似てるしなんかオカリナで自然を表現したらおもしろいかなと。体験を通して子供たちに自然を伝えるってのもいいですけど、オカリナで表現できないかなってことで7年前に始めました。
梅木:で実際今作ってもいらっしゃるんですよね?それは土を取ってきてそれをこねて粘土にするんですか?
野口:そうですね。
梅木:その土はどこから持ってくるんですか?
野口:土は粘土屋さんで買ったり、あとは自分で山とか畑に行って粘土をいただいてきたり、それから自分で色んな土地の『いわくつき』の土をいただいて。(笑)
梅木:例えばどういう『いわく』が?(笑)
野口:いや~怨念はないですよ。(笑)地方なんかに演奏に行ったりするんですけど、たとえば私の曲で『棚田の春』って曲があるんですけど、九州の宮崎県に坂本棚田っていう日本一大きな棚田があるんですよ、そこに演奏でよばれた時には前もってそこの棚田の土をいただいて作ったオカリナで『棚田の春』を演奏するとか。(笑)その土地のオカリナで吹きたいんで、地方に行った時には土をいただいて演奏するようにしてるんですよ。

★ ミュージックブレイク野口善広『棚田の春』★

ベル感想)
梅木:なんか懐かしい音ですよね~。ふわっとしますね。
澤田:この『棚田の春』って曲ですか、これを聴いててね、いかにも日本の音だなと思いましたよ。日本の原風景にピッタリの音ですね。土の音は日本の音ですね。すごい楽器ですよ。

カラオケインタビュー2)深海の土でシーラカンスオカリナ!?
梅木:土によって音色とかって変わってくるんですか?
野口:音色は全然違いますね。粒子によっても違うし、そうですね、焼く温度とか外気温とかによっても違うし、色んな条件で音色は変わってきます。
梅木:なんかすごい『特別なオカリナ』をお持ちだということなんですが?
野口:特別っていうか私が持ってる中で変ってるのが、私の知り合いで海洋研究してる人がいまして、深海の土を調査したりしてるんですけど、研究済みでいらなくなった土をいただいて、その土っていうのは四国の沖合いの『深海4500mから更に40㎝掘った土』なんですけど、土の年代が20万年くらい前ということらしいんですね。その粘土を『シーラーカンスの生きた化石』という風な形にして、オカリナ作りましたけど!
梅木:えっ?オカリナがシーラーカンスの形してるんですか?(笑)
野口:そうシーラカンスオカリナはオカリナですよ。(笑)
ヘッドフォン感想)
澤田:シーラカンスオカリナ~おもしろいですね。どういう音がするんですかね~?
梅木:コンサートでも吹いて下さったんですけど、なんか『たいやき』みたいな感じなんですよ。大きさが。形も魚ですし(笑)
澤田:けっこうでかいんですよね?
梅木:でかいんですよ。だからねすごくちょっと太い音が、高い音じゃなくて低めの音が出るんですね。それもまたいい感じなんですよ。実はですね、私の目の前にペンダントオカリナが!
澤田:これがペンダントオカリナ?これ長さ5cmくらいですかね。イルカちゃんオカリナだ!これ鳴るんですか?
梅木:鳴るんです。ちゃんとした楽器なんですよ。
澤田:うわ~すごいね。可愛いね。これ売られてるわけでしょ?
梅木:わたし買ってきました。
澤田:ちょっと吹いてみて下さいよ。うまいとは思ってませんから大丈夫です!
梅木:そうですか~。じゃ音色をちょっと聴いて頂ければ。ピロピロ、プ~~!(笑)
澤田:はい、下手な演奏ありがとうございました!(笑)
梅木:このあと野口さんがちゃんとやってくれてますんで、それを聴いて下さい。(笑)
澤田:はい、わかりました~。(笑)

ぶーぶーインタビュー3)全ての生き物は土に還る
梅木:実際この胸元にもペンダントのような小さいオカリナがあるんですが、これ音鳴るんですか?
野口:えぇ。これはこんな音です。ピーピー~~!!(実演)
梅木:ホント鳥の鳴き声みたいですね。
野口:そうですね。大きさが2,3cmの大きさなんですけど。実際に小鳥が寄って来たりしますから。
梅木:イベントやライブハウスなどいろんなところで演奏されてると思うんですが、オカリナの販売もされてるそうですが、どちらに連絡すれば演奏のスケジュールや購入ができますか?
野口:私は工房は埼玉県埼玉市なんですけど、電話をして頂ければ、郵送もしますよ。
電話番号は000-00-0000です。FAXも同じです。あとはコンサート情報とかは、ホームページで野口善広で検索してもいいし、オカリナで検索してもいいですしそうすると私のスケジュールがやコンサート情報、オカリナ制作教室とか出てます。

天使感想)
梅木:野口さんがおっしゃっていたんですけど、『全ての生き物が死ぬと土に還る』、でその土をまた再生して音にしているのがオカリナであると。深いですよね。
澤田:ということは、その還った『生き物たちの声ですね』。インタビュイーの中で、小さなオカリナを森の中で吹いていると鳥が寄ってくるってお話をされてましたよね。
梅木:だからこそあんなやさしい音がするのかもしれないですね。
澤田:野口さんのお話をお聞きして、とても感じたことは『形ある全ての生き物は土に還る』。地球の土に還ったモノたちが今度は『オカリナという大地の楽器』となり、音となって生まれ変わる!そして『私たちに語りかけている』んですね。オカリナは『命の楽器』かもしれませんね。みなさんも是非、オカリナに耳を傾けてみてください!大地の声が聞こえます!!
波2005/7/3 東京オリンピック~日本初のカヌー選手『本田大三郎』

澤田:今日は日本のカヌーの歴史を作ってきたと言っても過言ではありません。すごい情熱持っている方です。カヌーイストで本田カヌースクール校長の本田大三郎さんを紹介します!

船インタビュー1)カヌーとの出会いは!?
本田先生
澤田:今日は三浦海岸まで来ました。本田大三郎さんにお話を聞きたいと思いますが、今日初めてお会いするんですけど、お年を聞いてなんと70歳と!全然見えないですね。カヌースクールを経営なさって現役でインストラクターまでされてるんですね!
本田:いやいや、恥ずかしいな~(笑)
澤田:さっきから携帯電話でバリバリお話をされてたのを横で見てたんですけど、怒鳴りちらしながら、、、、、(笑)相手は生徒さんですか?
本田:いやいや(笑)37歳くらいの女性ですよ。OLの方でカヌー乗ってるんですが、カヌー以外のことでいろいろ相談がくるんですよ。
澤田:本田さんはなんと東京オリンピックでカヌー選手として出場なさったということなんですが、今日はその辺のお話をお聞きしたいと思います。本田さんがもともとカヌーに出会ったきっかけとか、オリンピックに出場された経緯があると思うんですが?
本田:そうですね。私はもともと球技の選手です。ハンドボールをジャパンクラスでやってたんです。私の本職はハンドボールとかラグビーなんですよ。
澤田:はぁ~あ。そうなんですか?
本田:田舎が熊本で、高校時代はハンドボールのキャプテンをしてて日体大にハンドボールで入ってずっとハンドボールで生きてきてたんですよ。それでなぜカヌーをやったかというのはですね、昭和36年頃東京でオリンピックがあるということで、それにはハンドボールが種目は入るということだったんですよ。それでその頃今の自衛隊の体育学校で、当時は陸上自衛隊の体育教育科といって久里浜の通信学校の中の一分野だったんですが、そこでハンドボールとラグビーを教えてたんです。ところがですね、実際に東京オリンピックの競技種目が発表になると実はハンドボールは入ってなかったんです。
澤田:えっ!入ってなかった?
本田:はい!なぜかというとですね、これはなかなか知られてなくて面白いんです。(笑)日本でですね、東京オリンピックをやるには開催国としては金メダルをとらなきゃいかん。当時も金メダル絶対主義ですからね。可能性があるものは何かっていうとバレーボール!これは当時オリンピック種目じゃなかったんですね。だけど日本のバレーボールなんていうのは連戦連勝してたからね、日本は絶対金メダル獲れるよと、これを入れなければいけないということがひとつ!また日本でやるのであれば国技である柔道か相撲を入れなぁ~あかん!こういうことで、柔道入れようとこういうことになった。これは絶対に全部金メダル獲れるだろうということでこれがひとつ。他の種目でもし負けたとしてもこのふたつはメダルは獲れるよと。これを日本がオリンピック委員会にごり押ししたわけ。そしたら向こうからこれと引替えの条件として、当時、日本のバレーボールくらいヨーロッパでは盛んなスポーツがありますよということで提案されたのがカヌーなんです。
澤田:ほ~ぉ!
本田:向こうでのカヌー人口は日本の野球以上に多いわけですよ。それでカヌーを入れたら引替え条件で柔道入れるよと。もうひとつバレーボールとの引換条件として出されたのが、クーベルタンが遺言でずっと残してきた、「いかなることがあっても、近代五種だけはオリンピックの中に残しなさい」という言葉!これを守っていくためにも近代五種を入れろと。日本で近代五種なんて当時、何のことなのか全然わけわからないからない種目だったんですよ。
澤田:なるほど!
本田:さぁそのかけひきで種目が削られていったのがハンドボールでございます。(笑)
澤田:それは結構ショックですよね。
本田:まぁ~ハンドボール協会の上司とか私たちが当時習った日体大の荒川先生だとかハンドボール協会の理事長なんか、それはもうかなりショックでしたよね。我々もなんか心の支えを失ったような気がしてたんですね。そんな矢先に自衛隊の体育学校というのが発足して、自衛隊はオリンピックに向って突っ走るぞということで23人の自衛官が東京オリンピックに参加することができたんです。この中にはマラソンの円谷幸吉なんかがおります。そしてその中にカヌー種目も入ったわけです。それでカヌーをやるということでハンドボールで出場できない者も意気揚々としたんですが、カヌーなんてちんぷんかんぷんなんですよ。(笑)。面白いことがあったのは、当時カヌーの合宿で、『全日本カヌー合宿場』という看板をかけて合宿してたらですね、横書きにしてあったんですよ。そしたら近所のおばぁちゃんが来てね、みんないい体してるでしょ。あんたたちはさすが、『力又一(チカラマタイチ)』と言うだけあっていい身体してるねぇ~って。(爆笑)すごいね~、『全日本力又一(チカラマタイチ)』ってのは腕相撲やるのかい、何やるのかい?ってこうだったんですよね。それくらいカヌーなんて訳わかんなかったんです。
澤田:なるほど!(爆笑)
本田:でもハンドボールが削られたんだったら、くそ~カヌーでオリンピック出てやるか!とこういうことですよ。『シャクにさわるなぁ~頭きたぁ~じゃあやるべ~』って!

< ミュージックブレイク1the jhon butler trio 「Treat you mama」>
本田スクール
走る人インタビュー2)700mまでのゴールドメダリスト!
本田:そういうことで、僕らはまず勝つことはないだろうと思いました。けど当時、心おの中では、何が毛唐なんかに負けるかい!昨日今日始めたカヌーだってくらいつてだって勝ってやるわ!ってね。(笑)これ格闘技だったら相手の親指にくらいつくことできるけど、セパレートされたコースの中じゃそんなことできませんもんね。だからただがむしゃらに漕ぐしかないんですよ(笑)
本田:私がどう戦ったかと言いますと、私たちがやった競技は1000m競技。カヌーを始めてわずか3年くらいでオリンピックが来るんですよ。そうするともう日詰めでやって365日の3倍が我々の到達目標。そこまでの間に自分たちがどこまでやれるかです。今現在の最大の力と最高のものの考え方を全部そこに入れていきました。とにかく今持っている自分の最高のもの、それが今日は10m行った、明日10m2cm行った、この積み重ねをずっとやっていったんです。遂にそのスタートの時です。とにかく自分の持ってる最高の力を出してしまう。1000mだから割り振りをしてどこでどう漕げばいいなんて計算は一切しなかった。その力を発揮できたところが700mまでだったんですよ。500m通過トップです!700mで力尽きてしまいました。これがあと何日か何年か練習期間があったら、このままで行けば・・・。
澤田:ラスト300m!行けたかも。
本田:うん。そしたら恐らくゴールドメダリストだったでしょう!だけど僕はいつも思ってる。メダルなんてものは1個しかないんだから、1個しかないものを世界で取り合いっこするんだから、僕は700mまでのゴールドメダリストだって誇りに思ってる!!
澤田:700mのメダリストですね~。
本田:だから人生っていうのはみなさんに失礼な言い方だけど、何もかも成し遂げて死ぬ人なんてお釈迦様でもなかったと思う。全部やり残したから次の人に継承していくんだと。
澤田:いや~貴重な話ですね。ありがとうございます。先生ちょっと話が変わるんですが、僕なんかあまりカヌー乗ったことないんですけど、カヌーの楽しさというのはその後見えてきたんですか?
本田;カヌーっていうのはね、もともと楽しいものなんですよ。人間っていうのはバカなものでね、自分の能力もわからんで二つ並べればすぐ競争したがる!お母さんがあんた一番にならなきゃって小学生に激をとばしてたりするんですけど、楽しまなきゃ!スポーツというのは遊びと同じで楽しさの連続じゃなきゃいけない。
澤田:なるほど、なるほど!
本田:苦しさなんて教えちゃいかん!そんなものはおのずとついてくる!ルールなんか教える必要ない。ルールなんか守らなきゃ自分がはみ出しもんになっちゃうからあとでわかる。最初からルールでございます、気をつけ!休め!ばっかり教えてたって強くなれるかよ!そんなものあとでついてくる。だから楽しさの連続じゃなきゃいけない。楽しさの連続ってのはどういうことかと言うと、ほどほどであるということ。
澤田:最後に今の若い人たちに何かメッセージをください。
本田:そうですね。精神訓話みたいなことは言えばキリがありませんから、これはあくまでも哲学的なことはですね。これは個人差がありますけど若い人たちにやっぱり期待してるのは、スポーツにも人生にも引退はないということ。(笑)高校生が夏休みの中頃になると野球部の子たちがもう引退しました~なんて言うんです。冗談言うなって!まだ始めたばかりじゃないか、引退なんて・・・スポーツも人生も引退はないよ。それは常に楽しさの連続でなければダメだ。楽しくてしょうがなくて、死ぬ直前まで楽しいから、三途の川の向こう岸でもカヌー漕いでるよと言うくらい楽しさの連続、これがスポーツでなきゃならない。

<ミュージックブレイク2jack Johnson 「Sitting waiting wishing」>

手裏剣感想)
澤田:ということで、本田さんの話を聞いてもらいましたけども、なんと70歳とは思えないバイタリティでした。身長は175cmくらいあるんじゃないですかね。
澤田:でも『チカラマタイチ』すごいでしょ?
安田:おもしろいですね~。
澤田:でもあの当時はね、カヌーって字はねカタカナで書くとやっぱりね、普通のおばちゃんはそう思いますよ。力に又に一。『カヌー』よくわかりますよね!(笑)カヌーって読めないかもしれない。
安田:確かに、おもしろい。落語みたいですよね!
澤田:お話にあった通り1000mを競争して700mまで力つきてしまったということでホントに目に涙をためて説明してくれましたから、よほどの思いがこみ上げてきたんだろうね。まぁしょうがない!ジオノスからですね700mのゴールドメダリストとして認定をさせて頂きましょう。(笑)
安田:そうですよね。700mまでは、1位だったんですもんね~。
澤田:本田さんおっしゃっていましたけど、スポーツ選手は真似されるようなしっかりした人間にならなきゃいけないっていうことを実はこのインタビューの後に言っていたんですね。いわゆる心と体と技、心技一体これをきっちりとやっぱり作るっていくのが大切だと思いました。
安田:そうですよね。子供がプロ野球選手を見て憧れて、具体的に自分の大好きな選手が決まって、それで実際自分もプロになりましたって人が最近出てきてますもんね。
澤田:そうですよね。だからやっぱりね、今後指導する側の人間はそういうようなことを考えて、立派なインストラクターとかコーチになってほしいというような話をしてましたよ。ちなみにおもしろいこと言ってましたよ。本田カヌースクールのモットーは、『ゆりかごからゆりかごまで』なんですって。楽しくて楽しくてしょうがない、でもその中で苦しいこともあるけども、それはあとからついてくる。とにかくゆりかごに乗ってるように楽しくてしょうがないスクールですって。最後に本田さんの言葉をもう一度!『スポーツは楽しさの連続である!!』

リンゴ2001/12/15 『寺田さん教えて!有機野菜?農薬?』

にひひインタビュー1)飛騨の野菜は有名ですか!?

澤田:今日は丹生川村でトマト農家を経営されている寺田正樹さんにお話を聞きたと思います。寺田正樹さんはトマト農家になって何代目ですか?
寺田:僕はトマト農家として二代目です。爺ちゃんは山と田んぼ、親父の代になってトマトを始めたんですよね。その前のことはあんまり知らないんですけど。
澤田:農家を継ぐ特別な理由は何かあったんですか?
寺田:そうですね~、農家を継ぐって言うのは、長男だからってのが一番大きいですよ。田舎だからね。

澤田:寺田家がトマト農家をしようって思った理由は何かあるんですか?
寺田:とりあえず僕が就農した時は、一番売れる野菜はトマト!トマトさえ作っていれば生活していけるっていう神話みたいなのがあって、この地域はトマトとほうれん草が二大品目って言ってるけどね。
澤田:飛騨の野菜ってけっこう全国で有名じゃないですか!何か理由があるんですか?
寺田:それはね~、昔から高冷地栽培と言って、東京だと長野県が有名だよね。そこよりもう少し標高が高くて、どっちかって言うと関西圏なので東京へ行くものが品薄なんですよ。そうすると関東で希少価値が上がって、食べてみると長野産と変らないと思うんだけど。そういう意味で東京じゃ~飛騨高山!って名前もあるし重宝がられてるのかもね。
澤田:寺田さんのところはトマトは1年でどれくらいとるんですか?
寺田:寺田家のトマトは1年で約1万8千ケース!4キロ入り!単純計算で20個と考えるといいかな。Lダマ20個で1ケース。それが1万8千ケース。生食用トマトでね。
澤田:その量は他の農家と比べるとけっこう多い方なんですか?
寺田:中堅農家よりちょっと上の方かな。多いところは3万ケース、2万ケースだから。
澤田:えっ!1年にそんなに!すごいですね。
寺田:丹生川村で年に98万ケース。東京、大阪、名古屋に出荷してますよ。食べてるか捨てられてるか知らないけどね。(笑)
澤田:トマト作りで一番気を使うところってどういうところですか?
寺田:トマト作りで一番気を使うところ・・・、トマトは12段獲るんですよ。うちの場合は一房に平均4個ぐらいずつ、上の方にいくと段々と秋になると玉がつかないから1個とか2個になるんだけどね。その場合、玉がおちちゃうことがあるんですよ。一房に花が咲いてもタマがつかない。それは温度であり栽培の水管理であり、ちょっとしたことでかなり影響するので、とりあえず玉をつけることに一番気を使うかな。実をつけるってことね。

<ミュージックブレイク1 プシン Heavenly>

足あとインタビュー2)農薬って毒ですか?


tomato1


澤田:寺田さんのところは農薬使ってるんですよね。どんなものを使ってるんですか?
寺田:そうだな~殺虫剤と殺菌剤だね。
澤田:殺虫剤と殺菌剤?それは苗があってその上にかけていくわけ?
寺田:そうそう!かければいいの。
澤田:根のところじゃなくて、苗にまいていくわけね。
寺田:薬を溶かして根にやるのもありますよ。
澤田:今、都市では無農薬とか有機栽培の野菜が人気有りますけどそういうのってどう思います?
寺田:僕はやってないけどやってる友達もいますよ。農薬のとらえ方の違いじゃないかなって思うね。農薬ってある程度使っていかないと食べる側が求める綺麗な形のいいトマトってできないし、トマト農家の生産性にも問題が出てくると思う。トマト作ってても枯れちゃえば収入ゼロになっちゃうんですよ。病気ってどんどん広まっていくしね。トマトが1万2、3千埋ってるハウスがあって、その一ヶ所で病気がでると消毒しなければその病気がだんだん広まっていくんですよ。
澤田:なるほどね!
寺田:そうなった時にトマト農家って所得ゼロでしょ。家族養って行くお金ないですよ。だから必要最低限の農薬は使うべきだと思う。ただ20年前、いや30年前くらいみたいに定期散布っていって、一週間に1回これやんなさいとか、そういう決まった農薬のやり方じゃなくて、トマトの木の状態を見た農薬散布の仕方で、殺虫剤に関しては虫が発生する時期を計算に入れて、予防していくってやり方にすれば回数は限りなく減る!そういう使い方次第で、無農薬にはこだわらなくてもいいと思う。農薬自体が身体に悪いわけじゃないですよ。
澤田:実際、農薬ってどういう基準で作られてるんですか?
寺田:ひとつの農薬が開発されて商品化になるのに5年~10年かかるかな。
澤田:そんなにかかるんですか?
寺田:そうだよ。農薬って厚生省の管轄、農林水産省じゃないんですよ。厚生省の薬事審議会とかってあるじゃないですか。あそこと同じで農業の薬なんですよね。あそこの許可を受けるから、人間が飲む薬が何年もかかるって言われてるじゃないですか!あれと一緒。畑で臨床試験して、結果を見てからトマトに残留するか全部データを出して、それで残留しない、これはどういう使い方ならオッケーとか全部出て、そういう長い検査をしたあとに初めて使える。だから、今使ってる農薬ってへたすれば10年前に開発された農薬かもしれないしね。
澤田:それはけっこう厳しい基準ですね。
寺田:厳しいと思いますよ。
澤田:それは外国もそうなんですか?
寺田:アメリカは、人間の薬でも農薬でも何でも世の中に出回るのが早いって言われてますよね。
澤田:ってことは、日本の農薬っては結構慎重に作られてるってことだよね。結構長い臨床試験で、それで初めて使えるっていううのは人間の薬と同じですよね。
寺田:そう。人間の薬と一緒!その通りだと思う。
澤田:そう考えるとトマトを生き物だっていう風にとらえると、まぁ~人間も風邪引くと薬飲むじゃないですか、そういうことですかね?
寺田:そう。一日ご飯食べた後に1回飲んで下さいっていう使用基準あるじゃないですか。農薬も使用基準ってあるんですよ。それを守って使っている限りは、害は無いと思っていいんじゃないですか。ただ、これはトマトの一作の間に2回しか使えませんよっていう農薬を3回も4回も使うと確かに残留したりする可能性はあるかもしれないけど。それは使う側のモラルで、お百姓さんは実際そんなことしませんからね。農薬って高いんですよ。むちゃくちゃ高い。1万円とかするんですよ。それをそんなに使ったらトマトの採算合いませんからね。回数やれば効くってもんじゃないんですよね。人間の薬も飲めば飲むほど効くってものじゃないですよね。頭クラクラしちゃいますよね。トマトも頭クラクラしたら多分トマト実つけなくなっちゃうから!(笑)
澤田:(笑)なるほどね~。ってことはもう人間と同じで、処方せんをちゃんと守ってやれば農薬使ってるから健康に悪いとか有機がいいとかみたいなそういう話じゃないってことですよね~。

携帯感想)
梅木:澤田さん!農薬って毒じゃないんですか?
澤田:人間が飲めば毒ですが野菜が飲む分には毒じゃないんですよ。
梅木:なんか農薬って言われると、猛毒ってイメージが強いのに!
澤田:そうなんですよ~。だから農薬は野菜の薬だなんです!人間の視点で考えると、人間にとっては直接農薬を口に入れると死んじゃったりするでしょ。農薬で殺人事件とかあったりしたじゃないですか。そういうイメージで考えてるから農薬ってのは人間にとっては害だって思ってるよね!ただし野菜にとってはちゃんとした薬なわけですよ!
梅木:なるほど!
澤田:なってたって厚生省が臨床試験をちゃんとして認可してるってことは、まぎれもなく僕らが飲んでる薬とね変らない試験段階を経て世に出てるわけでしょ。10年くらいかかるって言うんですよ~!
梅木:おっしゃってましたね~!いや~なんか認識変っちゃうなぁ。
澤田:ちゃんと処方せんを守って適量を与えてやれば病気もせずに元気に育つわけですね。農家は野菜のお医者さんですからね。

クラッカーインタビュー3)消費者に一言!


tomato3


澤田:え~トマトをね作る側として、消費者に対してなんか言いたいことがあれば御願いします。
寺田:うんとね~そうだな~あんまり活字に騙されないでほしい!
澤田:なるほど~。
寺田:それって日本の付加価値作りみたいなところあるじゃないですか。有機によってトマトが高く売れるとか。じゃなしに1回食べてみて!あっここの産地のこの時期のトマトは美味しいなとか、例えば11月になると飛騨のトマトよりもうちょっと暖かい地方のトマトの方がおいしいなとか。旬ってあるじゃないですか。季節ごとにトマトでも12段を3ヶ月くらいかけて獲るんですよ。そのうちの一番美味しいところってやっぱり一番最初じゃなしに真中の段数3,4,5,6,7,8のくらい8段くらいまでが美味しいんだわ。最初の2段くらいあとの3段くらいっていうのは確かに甘いんだけど、ちょっと硬すぎたり酸っぱかったりとかばらつきもあるし、そういうのが各産地で違うの。丹生川村はその時期に旬だけれどもう少し暖かい南の方に行くと、ちょうど6段7段のトマトをとっているところもあるので、そういうのを食べてみたりして産地の旬を見つけていつまでも美味しいトマトをの食べて欲しい。だから有機だから美味しいとかいうんじゃなくて、基本は旬で美味しいところを見つけるみたいなことが本質だと思うけどね。
澤田:なるほどね!それで選んでほしいってことだもんね?
寺田:そう。とにかく1回食べてみようみたいな感じ。(笑)

オレンジ感想)
梅木:有機とかそういうことじゃなくて、旬で、味で、判断してほしいということですね。
澤田:これはね~ものすごく重要なことを言っていますよ。寺田さんの言っていることは食べ物だけに通じる話じゃないんですよね。味覚もそうだし嗅覚もそうだし見るものも耳に入るものもそう、一番重要なことはそうい流行の情報に惑わされない自分の感覚、感性をしっかりと養ってみようというこれは農家からの行き方の提言なんですよ。
梅木:そうですよね~。寺田さんもさっきのお話でね、採算性のことも考えると、農薬は高いから使いたくないわけでしょ。ほとんど農家の人は経費って少ない方がいいじゃないですか。じゃあ完全な有機って言うのは土のところから始まって収穫まで全く農薬を使っていないんですかね?
澤田:うん。特に丹生川村にある2軒の有機栽培農家は全く使ってないんですって。ただそれはものすごく大変なんですよね。土いじりはどこも一緒かもしれないけど育っていく過程で虫が当然きますよね。その虫の予防にネットを張って、一匹の虫も入れられない。そんな管理をするわけですよ。その管理は生半可なものではないんですね。だから一個のトマトでも倍の値段でないと採算がとれないんですね。ただ寺田さんの話を聞いてて思ったのはね、虫もつかないように完全にハウスで管理されてて何も薬も散布しない、人間にたとえるとカギっ子ですかね。魚でいえば養殖モノですかね。自然の中で雨風に打たれ、虫に悩まされて時には風邪引いて薬飲んでもいんじゃないかってね。その方が人間も野菜もワイルドな味がするってね(笑)
梅木:自分の持ってる動物としての感覚を磨いて、自分の味を信じて購入して欲しいってことですね。
澤田:そうで~す!
梅木:そうか~、例えばスーパー行ってトマト見るじゃないですか。じゃあ今日はこっちのトマトにしようって食べてみて、イマイチ!じゃあ次は隣の産地の食べてみようっていうようなことを繰り返すと、なんか都会に居ながらなんですけど、すごく畑が近くなったような感じがしますね。


tomato2


<ミュージックブレイク2 プシン 悲しくてやりきれない>

澤田:今週の地球の智叡は『野菜は生き物である!』『野菜も病気になれば薬を飲む!』です。寺田さんにしてみればトマトの育っていく過程は人間の子供と同じな訳ですね。その子供が風邪だよって時には、お医者さんのような心で観察して必要最低限な薬を与えて育てていく、そんなお百姓さんとトマトの会話が長年あってそこから得た智叡があるわけですね。