梅木:ガラス細工って言うと男性より女性の方が好きだと思うんですけど澤田さんはいかがですか?
澤田:私は好きですよ。不思議な魅力がありますよね。
梅木:作ったことありますか?
澤田:残念ながらないんですね。
梅木:そうですか~。今日はガラス職人の原田マコトさんにお話を伺っています。
梅木:まず原田さんがガラスに興味を持ったきっかけって言うのを教えて頂きたいんですけど。
原田:え~興味を持ったきっかけ・・・子供の頃からけっこうガラス物は好きでしたね~。百貨店行ったり雑貨店に行ってガラスがあると必ず見に行く!光物が好きでしたね。カラスみたいですけどね(笑)宝石とかも見るの好きだったりして。
梅木:もともとどちらかの学校でガラスの勉強されていたっていう訳ではないんですか?
原田:そういうのは全然ないですねよ。僕にとってのガラスって子供の頃から水のイメージなんじゃないかなって思ってるんです。
梅木:はぁ~水ですか!?
原田:そう、水ですね。ジャージャー流れたりジャブジャブ流れる水です!子供の頃は埼玉の山寄りで狭山とか飯能とかその辺に住んでましたので、夏休みもほぼ毎日20キロくらい自転車で走って川に行って潜ったりしたんですよ。その時の水の中にいる時の光とか物の揺らめきの感じ。それがなんとなくガラスにかぶってるんじゃないかなって感じはしますね。
梅木:じゃあ~原田さんのガラスの原点は水なんですね。
田:そうですね~。なんかわかんないけど水とガラスのイメージが混ざり合ってて好きなんです。
梅木:もともと違うお仕事されていて、今はガラス職人なんですが、前職を辞めるのはかなり勇気いるじゃないですか?
原田:そうですね~やっぱりそれまで自分がやってきた生活、仕事を投げ出すっていうのは、なんか自分の今までの価値観っていうかそういうのを壊す作業ではありましたね。
梅木:やっぱりサラリーマンからいきなり見習いともなると給料もダウンしちゃったりするわけでしょ?
原田:まぁ若干はそうですね。でも今いるところは割合その辺は社長にも可愛がってもらってるので暮らせていけてますけどね~。やっぱり最初はどうなんだろ~手取りで10万円ちょっとだろうかとか(笑)かなりの覚悟はいりましたね~!
梅木:全く職人の世界だったりするわけですよね?
原田:そうです。最初は丁稚(でっち)だと思ってましたからね!ホントにどういう感じかわからないですからね。ただ丁度こういう御時世で若い人はキツイ仕事をやりたがらないし、たまたま人手が足りなかったっていう時期もあってすぐにガラスいじらせてもらえたんですよ。
梅木:そういう意味ではタイミングは良かったんですね?原田さんがガラス職人になったのはおいくつですか?
原田:今34才ですから31才の時ですね。
梅木:それはガラス職人として早いんですか、遅いんですか?
原田:めちゃくちゃ遅いですね!画期的な遅さですね(笑)。今の50~60歳の職人っていうのはだいたい中学校卒業、いや早い人で小学校卒業で来てますからね。今は早くて15歳くらいから。美大とかガラスの専門学校を出てる人は20歳~23歳でこういった現場に来ていますね。遅くても20歳半ばくらいじゃないですかね~。ホントに僕は驚くべき遅さだと思います。
梅木:職人さんの世界と美大を出た方ではガラス作りが違うんですか?
原田:まるっきり違うものという感じで捉えられています。職人っていうのはさっきも話ましたけど、10代半ば、それこそ明治、大正時代は人身売買のような形で親が保証金もらって身売りされてくるということが平気であったわけです。20歳までは無休でお給料ももらえないで働かせられるという世界があったみたいですね。
梅木:かたや美大の方はどういう感じですか?
原田:そうですね、まずはだいたい高校を出てから大学もしくは専門学校という形ですけど。例えば東京ですと多摩美とかですね。地方にもいくつか大学はあります。東京ではガラスの専門学校も2校ありますね。
梅木:それは職人養成みたいなところですか?
原田:そういう形ではなくて美術の高等教育ですね。ですからガラスの歴史からデッサンみたいなのもやるし、あとは僕らがやっているような吹きガラス。中に空気を入れていって鉄のサオの先にガラスをつけてっていうこと以外にも、ガラスを冷えた形で切ったり貼ったり、ステンドグラスみたいな物とか、そういう物から全部ひっくるめた教育ですね。学費は専門学校2年で300万くらいとか。ですからなかなかガラスをやりたいと思っても元々お金がない若い人はそっちに行くのは難しいということもありますね。
梅木:じゃ~あかたや工業系、かたや芸術系みたいな感じですか?
原田:もう完全にそういう風に区分けされてしまってる雰囲気はありますね。ただ一旦職人をやってからもっと上に行きたいとか、僕みたいにサラリーマンからやりたいとかいう人はお金を貯めて、ガラスの専門学校みたいなところに行くっていう人もいます。
梅木:なるほどね~!
原田:一般的には完全にそうですね~まぁ美術系って言いましたけど、これはスタジオグラスって言いますけど個人工房みたいなそういう系統と、工場系というか職人系というかそのふたつに分かれちゃってるっていうのが今の現状ですね。
梅木:現在の原田さんはどちらなんですか?
原田:もう僕はバリバリの職人系でしょうね~。(笑)
<ミュージックブレイク ビリージョエル『ガラスのニューヨーク』>
