位置 青森県東津軽郡今別町関口川上流(41.1800 140.5520)

 

<ここで見られる地学素材>

◆安山岩 火山の根の断面 柱状節理 溶岩

〇何がすごいの?

◆火山の根(火山岩頸)の断面を直接見ることができるのがすごい.

〇ここで見られる岩石はどんな岩石ですか?

◆地下でドロドロに溶けたマグマが冷え固まった岩石の一種で地表や地表近くで比較的短い長い時間で冷え固まった岩石です.そのような岩石を火山岩といいますが,火山岩の中で安山岩に分類される岩石です.さらに詳しく見ると輝石という鉱物を含ので意味で輝石安山岩といいます.地層名としては今別安山岩類といい新第三紀の火山だと考えられています.

〇いつ頃の火山ですか.

◆地質年代でいうと,新第三紀中新世という時代です.詳しい年代で表すと2303~258万年前となります(この年代は,少しずつ変更されているので注意が必要です).2100万年ほどありますが,詳しい年代はわかっていません.

〇柱状節理とは何ですか?

◆液体のマグマが冷え固まるときに,収縮して体積が小さくなります.その時に岩石の中にすき間(節理)ができます.この節理によって,岩石が柱のような形になったものを柱状節理といいます.青森県の火成岩には,本当にたくさん見られます.これがみられると火成岩だと推定できます.

 

尖岳の火山の根に関しては,以前のブログが1つあります

 

写真1.坊主岳と尖岳の間でみられる安山岩.中新世の中ごろに活動と考えられ,泥岩や凝灰岩の地層に貫入して一部は海底に噴出したと思われる.ここで見られる安山岩は,地層の中で冷え固まったもので,火山の根とか火山岩頸と思われる.

 

写真2. 写真1の上部の拡大.柱状節理が上下方向に発達している.一般に溶岩の表面に垂直方向に柱状節理が発達するので.この露頭でいえば,この溶岩の表面は上か下だと思われる.

 

写真.3 写真1の左側に見える安山岩を拡大したもの.