紛争地域から来たオリーブオイル | Nairobi Today

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去年、夫が出張でレバノンに

行った時に買ってきてくれた

お土産がこちら。

 

ワインみたいだけどオリーブオイル


コールドプレスのエクストラバージン

オイルで、味も香りも最高です。

 

下のほうにPalestine と書いてあり、

ラベルをよく読むと、パレスチナの

ヨルダン川西岸地区で生産された

もののよう。

 

このボトルを手にするたびに、

生産者さんたちは大丈夫かな?

オリーブの木は無事なんだろうか?

と隣国に想いを馳せたりしています。

 

***

 

そんなある日、娘の学校のママ友に

誘われて、ご自宅でのランチ会に

参加してきました。

少し遅れていくと、素敵なお庭の

テーブルを囲んで十数人の女性が

にぎやかにおしゃべりをしています。

 

毎朝Maadiでウォーキングをしている

グループで、出身国も年齢もバラバラ。

「いまはエジプトにいるけど、また

 1~2年でどこかに引っ越す予定、

 でもどこにいくかはわからない」

みたいな、我が家と似たような境遇の

人ばかりで、呼んでくれたママ友以外は

ほぼ初対面でしたが、わりと居心地よく

過ごすことができました。

 

そんな中で話題になったのが

オリーブオイル。エジプト産の

オリーブオイルはもちろんそこらの

スーパーでいくらでも買えるのですが

どういうわけか、味がいまいち。

 

皆さん同じ不満を持っていて、

「イタリアのオリーブオイルを

 安く売ってくれる人を知っている」

とか闇市みたいな話で盛り上がって

いたのですが、そんな中一人の女性が

「レバノンのオリーブオイルが

 安くてとても美味しいんだけどね…」

と話し始めました。話しぶりからすると

どうやらレバノン人のようです。

 

「これからは手に入りづらくなりそう。

 オリーブの産地はレバノンの南部

 なんだけど、今回の紛争で

 爆撃をうけてしまって…。

 

 しかもイスラエルが化学兵器を使った

 から土壌がダメになってしまって、

 少なくとも7~8年の間は新しく

 木を植えることすらできないの。」

 

その場の空気が100%

「なんてことしてくれたんだイスラエル!」

になったことは言うまでもありません。

 

毎日たくさんの人が亡くなったり

怪我をしたりといったニュースに

心を痛めつつも、どこか慣れてしまって

鈍感になりつつあるこの頃ですが、

こういうなんでもない日常の中にも

戦争の影は潜んでいて、まったく

他人事ではないのだと気づかされます。

 

一日も早く紛争がおさまって、

またレバノン南部やパレスチナに

豊かなオリーブ畑が復活する日が

来ますように。