「そやけど先生、目がついてるもん
       捨てられないでしょう?」

往診先で鍼灸治療をしながら

古くなった人形をどうするかについて

患者さんのTさんと話し合っている

いらなくなったり、使わなくなった物を

どうするかについて

患者さんとは

よくよく話題にのぼる


ひとくちに「モノ」といっても

少し間違えると

モノノケがでてくるかもしれないのだ

そういう世界だってある

物にはこころがのっていたり

するのだ

現代って、そのモノとこころの対処に

混乱をきたしてる時代かもしれない

(脳死者のからだは
     移植可能なモノ?とか)

さて、モノのはなしは脇に置いといて

目の話


ゴルゴいや、メデューサといった方が

わかりやすいかもしれない

ギリシャ神話で

英雄ペルセウスに首を切られた

彼女の

見たものを石にかえてしまう魔力を

もっていた

張目吐舌、いわゆる「あっかんべー」

子供が喧嘩して逃げるときにするやつだが

中国では本来恐ろしいもので

妖怪に張目吐舌された人は死んでしまう

という話もある
目のパワーは

本来、恐ろしいかもしれない

殷の青銅器は

動物の目の紋様で

邪悪なモノ(悪霊)を払っているのだ

学校で習った

「ちゃんと相手の目を
         見て話しなさい」は

僕のなかでは

とんでもないことだったりするのだ

さて
Tさんとは 

目下

人形供養をしてくれるお寺をさがす

はなしがすすんでいる
(もはや鍼灸師の仕事をはみだしてる?!)

往診の帰り間際

ふと、今まで気づかなかったけど

Tさんの家の玄関のすみに置いてある

フクロウの人形が

大きな目で

僕を見送ってくれた