植物との会話

夏野菜を作っている。キュウリ、ナス、トマト、シソ、枝豆などである。その他、安納芋とかもある。比較的少ない種類である。多くの人は、それに加えてカボチャ、スイカ、オクラ、ピーナッツを植えている。四季折々に植える野菜が違ってくる。土づくりから始まり、肥料、そして苗植え、根が張るまで風や雨、それに害虫と睨めっこしながら手を加えないといけない。農業は演繹的で努力しないと実らない。愛情が必要とされる。ウッカリ手を抜くとキュウリはヘチマやゴウヤの大きさに変身する。脇芽を丁寧に管理しないとジャングルになる。害虫や病気になると途端に葉が枯れる。とにかく観天望気によって注意深く野菜を観察しないといけない。

また土地の人は、ビワを収穫しない。ビワゼリーなど一個100円ほどの代物も収穫しないで鳥の餌となる。

贅沢な暮らしである。今の時期は海に行けば、イサキ、アジ、鯛が釣れる。かご漁をするとメジナ、アラカブ、メバル、タコが入っている。時にはワタリガニが入っている。

 

そんな暮らしをしながら癌との闘病生活だ。延命治療で抗がん剤点滴を繰り返し、1年が過ぎようとしている。余命、半年から1年と告知されて1年が過ぎた。これからの余命は誰も解らない。意外と自分自身が身体の変化から一番わかるのかもしれない。夏野菜と毎日会話しながら野菜の健康的な成長を見守り、それと同時に身体の調子をうかがい、暮らす日々である。どうなる事やら……‥。