原町田「町田中央商店街」の車両規制について

 

小田急線町田駅南口を出るとカリヨン広場、円形マクドナルド、オカダ屋に囲まれたレンガ通りの「町田中央商店街」があります。

 

老舗のグリルママをはじめファッションから日用品、飲食店などバラエティに富んだ個店が集まり、長年市民に愛されてきており、町田市の中心市街地の魅力を発信しています。

 

 

このレンガ通りの商店街に「宅配のバイク」が乗り入れ、ビュンビュン走り歩行者が危険だから何とかしてほしい、とのご相談を商店街からいただきました。

 

当該レンガ通りは、公道では無く、私道であることから道交法上の規制をかけることは難しいのですが、

周囲の全ての商店街は公道であり11時から19時までは車両乗り入れ禁止の歩行者専用道路となっています。

 

町田市ではコロナ禍で疲弊する飲食店を支援するため、デリバリー・テイクアウト事業を強く推進してきた一方、

 

市政運営の基本方針である「都市づくりのマスタープラン」では、町田駅周辺商業地を「ウォーカブルなまち」にすることが進められており、

 

「沿道店舗の魅力あふれるオープンな通りで人々が交流できるよう、車が入らない歩行者中心の空間に」転換していくことが計画上示されています。

 

この度、この商店街の交通問題を議会で取り上げ、多くの具体的提案を行政に投げかけ、

この問題は時代の変化によって発生した、町田市の新たな「課題」であると行政に認識していただき、課題の解決策を地域と共に模索することを提言しました。

 

本件には市役所の関係する部署だけでも多岐にわたり、質問に至るまでの話し合いで方向性を紡ぎだすだけでも、まだまだ調整の時間を要しそうでした。

 

当該レンガ通りの商店街は周囲を車両禁止の歩行者天国に囲まれているにも関わらず、レンガ通りエリア内だけ治外法権のような状態であり、地域商店街や町田市の計画が目指す快適な商店街となるよう、今後とも取り組んでまいりたく思っています。

 

 

 

以下、議会でのやり取りです。

 

 

 

2023.6一般質問(中心市街地について(バイク宅配))

(1)安心安全な街づくりを通じ、更なる街の魅力向上を図るべきと考えるが?

 

 

【壇上質問 厳太郎】

 

世界中で猛威をふるった新型コロナウイルス感染症に対し、政府や東京都は大幅に人流を抑制し、民間事業者は経済的に大幅な痛手を受けたことから、多くの飲食店を抱える町田市では、新型コロナウイルス感染症対策の一つとして、「町田市デリバリー・テイクアウト支援給付金」を通じ、飲食事業者応援事業を講じてきました。

 

2021年6月にはフードデリバリーサービス会社と連携し、予算額1億円で消費者の配送料と飲食事業者の配達代行手数料を無料にする「デリバリー利用促進キャンペーン」を開始してきましたし、

 

同年10月には第2弾として「町田市デリバリー・テイクアウト支援給付金」を更に拡充し、強力に「食事のデリバリー・テイクアウト」を支援促進してきました。

 

以前では宅配と言えば、一般的にはお蕎麦屋さん、お寿司屋さん、ピザ屋さん、と相場は決まっていましたが、町田市の「食事のデリバリー・テイクアウト」支援策の効果で、本当に多くの宅配専用のバイクを見かけるようになりました。

 

バイクによる宅配事業者の登場は新たな雇用を生むだけではなく、消費者である市民が便利になり、市内飲食店の売り上げが向上したことは大変結構なことだと思いますが、

 

新たな業態の登場は、これまでには無かった新たな課題も生み出します。

 

小田急線カリヨン広場から、久美堂、円形マクドナルド、オカダヤに囲まれたレンガ通りの町田中央商店街(通称レンガ通り商店街)があります。

 

 

老舗のグリルママ等は皆さんにも馴染みがあるでしょうし、居酒屋など7店舗が集まったネオ横丁「レンガ通り1番街」が今年3月にオープンし、多くのマスコミの注目を集めています。

 

 

 

 

このレンガ通りの商店街に宅配専用事業者のバイクが乗り入れ「大変危険だから何とかしてほしい」との話を商店街からいただきました。

 

バイクによる宅配専用事業者は完全歩合制なので、時間に急かされるのかレンガ通りの商店街をビュンビュン走っています。

 

このレンガ通りの商店街のエリア全域の道路は公道ではなく「私道」であり、商店街が管理しています。

 

現状は、バイクによる宅配専用事業者に「バイク乗り入れしないでくれ」と伝えても、それぞれはフリーランスであり、弁当を受け取りに来る人も毎回異なり効果はほぼ無い。

 

大手宅配事業元に伝えても、それぞれは個人事業主だからとのことで一応伝える程度のみで効果は全くない。

 

宅配事業者を活用しているそれぞれの個店に伝えても、宅配の配送員は毎回異なる人で伝えても効果がない。

 

警察に相談しても「私道内は取り締まれない」とのこと。

 

「バイク乗り入れ禁止」のパイロン等を自分らで設置しようにもパイロンによる事故の責任は商店街になるとのことで町田市は許可しない。

 

事故発生時には商店街が加入している保険で対応する旨を町田市に伝えても看板やパイロン設置は認められない。

 

では、地権者と相談して商店街内の私道を町田市に移管し公道としてもらおうとするも、道幅の問題で町田市は道路認定できないとのこと。

 

周辺の商店街は全て11時から19時まで歩行者天国になっているのに、レンガ通りの商店街内のみ何の規制もできず八方塞がりの状況です。

 

レンガ通りの商店街が、周辺商店街と同じく、11時から19時までバイクの乗り入れを規制するなどし、レンガ通りを訪れた来街者が安心して楽しめる街にしていくことが今後の中心市街地の魅力を考えるうえで必要だと思います。

 

現状はレンガ通りをフードデリバリーの宅配専用バイクが走行し、レンガ通りを歩く人が怖い思いをしています。

 

そこで質問です。バイクの走行を禁止する手立ては無いのか。

 

 

【答弁(平本都市整備担当部長)】

 

中心市街地の商店会から「レンガ通りに宅配専用のバイクが侵入することを規制してほしい」との要望をいただいておりますが、「レンガ通り」は、建築基準法第42条第1項第5号に規定する位置指定道路であり、救急車などの緊急車両の通行を確保するなど、交通上支障が無いように維持管理する必要があり、バイクの侵入を規制することはできません。

 

なお、バイクのスピードを抑制するなどの、安全を促す掲示をすることは可能でございます。

 

 

【再質問①厳太郎】

 

当該レンガ通りは交通上支障が無いように維持管理する必要があり、バイクの侵入を規制することはできないとの答弁でした。

 

また、バイクのスピードを抑制する、安全を促す掲示をすることは可能とのことでしたが、

 

バイクの乗り入れを遠慮していただきたいエリアに、「スピード落とせ!」等のバイクのスピードを抑制する掲示を設置することは、逆にもっと多くのバイクの乗り入れを招いてしまうことになりかねませんか?

 

 

【答弁(平本都市整備担当部長)】

安全を促す掲示をすることで、一定の効果は見込めると考えております。

 

 

 

【再質問② 厳太郎】

私道内において道路上に交通の支障になる看板やパイロンの設置を認めることは大変難しいとのことですが、

 

そもそも、当該地区は11時から19時まで周囲を歩行者専用エリアとする商店街に囲まれていることから、従来の交通規制に従えば、外部から車両の乗り入れは出来ないことから、交通の支障になるような事案ではないと思います。

 

この商店街への侵入ルートは、基本的に踏切を横断しカリヨン広場方面からか、バス通りから円形マクドナルドへの上り坂道からかの2ルートのみです。

 

私も平日このエリアで調査してみましたところ、ポップビル近くの踏切側から商店街に侵入しようとする宅配事業者は、交番前で一度バイクを降り、押して歩いた後、レンガ通り商店街に入るとエンジンを再起動し走っていきます。

 

 

 

バス通り側から接近するバイク宅配事業者は円形マックまでの坂道を上り、円形マック脇の路側帯に駐車し、レンガ通りの商店街に宅配弁当を取りに行くか、そのまま歩行者天国を10メートルほど走行したままレンガ通りの商店街に進入していきます。

 

 

 

 

 

町田市は市政運営の基本となるビジョンや街づくりの基本方針である「まちだ未来づくりビジョン2040」に基づき「都市づくりのマスタープラン」を位置付けています。

 

この「都市づくりのマスタープラン」では、分野横断的なリーディングプロジェクトとして、町田駅周辺商業地を「ウォーカブルなまち」にするプロジェクトが進められており、

 

その中では「沿道店舗の魅力あふれるオープンな通りで人々が交流できるよう、車が入らない歩行者中心の空間に」転換していくことが謳われています。

 

 

町田市はこのレンガ通りの商店街に対してどのように課題解決していくのでしょうか?

 

バイク宅配事業者の荷捌き場所のような待機場所を設けるのですか?

 

道路認定はできないが、私道部分を買い上げ、公の道路の位置づけにしますか?

 

レンガ通りの町田中央商店街と協力し、一帯を周辺商店街と同じく、時間指定付き歩行者専用区間にすべく条例化しますか?

 

既にバイク配達事業者が駐車禁止と知りながら仕方なしに駐車している、円形マクドナルドの脇の道路上の一部を黄色で囲って、宅配事業者用の一時駐停車場所を設けますか?

 

それとも何らかの手段を講じ、当該商店街に「バイク乗り入れ禁止」の看板やパイロンの設置を認めますか?

 

 

今回の質問を通じ、様々な関係部署の職員さんとお話ししていただきましたが、現時点ではどの方策も難しく歩行者の不安解決には程遠いのが現状です。

 

何らかの措置を講じなければ、いずれ事故になるでしょうし、現状は町田市が推進してきた「食事のデリバリー・テイクアウト」支援策の効果の半面、新たに生じた中心市街地の課題だと私は思いますし、今後の町田市の計画に合わないと感じています。

 

この問題は時代変化と共に発生した、町田市の新たな「課題」であると思いますが、町田市は「課題」として認識していただけますか?

 

 

【答弁(平本都市整備担当部長)】

 

「都市づくりのマスタープラン」で計画されている、町田駅周辺をウォーカブルなまちにしていくうえで、歩行者と車両の動線分離は、大変重要な課題と認識しております。

 

新型コロナウイルスの流行によって消費者のニーズが変化し、フードデリバリーサービスの利用が拡大したことにより生じている、新たな課題と認識いたしました。

 

 

 

 

【再質問③ 厳太郎】

 

町田市の「新たな課題」であるとご認識いただきありがとうございます。

 

では次は課題の「解決」となると思いますが、先ほどもお伝えしましたが、当該エリアは私道であり、条例化でバイク乗り入れの禁止エリアにすることや、通行禁止の看板の設置や、私道を公道に移管すること、いずれも難しいのが現状です。

 

それでは、当該エリア外の商店街の公道の路面に「ここから先バイク乗り入れ禁止」と表示することはどうでしょう?

 

このレンガ通りの商店街への車両等での進入路はカリヨン広場側からか、バス通りから円形マクドナルドの脇を抜けるルートしかありません。

 

カリヨン広場から先は11時から19時まで通行止めになっており、大きな看板が出ていますし、バス通りから円形マクドナルドまでの上り坂を上がった先も同時間帯は車両禁止になっています。

 

当該レンガ通りの商店街は周囲を車両禁止の歩行者天国に囲まれているにも関わらず、レンガ通りエリア内だけ治外法権のように取り締まりも看板設置も難しいのが現状ですので、

 

課題の解決には当該エリア外の公道で既に規制されていることを「この先車両進入禁止」と大きく示すことによってバイクの流入を抑制することが歩行者の安全を守る上で効果があるでしょうし、町田市が目指すウォーカブルな街に近づくことになると思います。

 

当該レンガの通り商店街エリア外で交通規制が始まる始点に目立つように「歩行者天国の交通規制を路面に新たに表示する」ことなどもご検討いただければと思います。

 

表示する内容が交通規制に関することなので、市が警察に要望を出し、警察が路面表示の設置者となることから、調整にまだ時間が必要だと思いますので、ここでは答弁を求めませんが、よろしくお願いいたします。

 

今後もこの件に関しまして、町田市の動きに注目し、いかに課題を解決していくのかについて確認していきたく思っていますので、お取り組みを宜しくお願いいたします。