鹿児島市では、市電の軌道敷を「芝生緑化」を行い、潤いと安らぎのある都市空間を創出しています。

鹿児島中央駅から始まる、約35,000平方メートルの緑のじゅうたんは、ヒートアイランド現象の緩和や沿線騒音の低減をはじめ、

都市景観の向上、うるおいと安らぎのある都市空間の創出に大きく寄与しています。

この事業は、緑化により景観に加え、地表面温度の低下、騒音低減など環境面でプラス効果が高く評価され、

国土交通省主催の都市景観大賞特別賞に選ばれました。

実際に夏の晴天時の地表面温度を芝生軌道整備前後で測定したところ、

緑化した軌道敷内で17~18℃、緑化した中央分離帯で24℃低くなりました。

また電車通過時の騒音では、軌道敷緑化と軌道改良した地点で9dB(デシベル)小さくなり、

芝生軌道にすることで、沿線の騒音レベルを大きく低減することができました。

敷かれている芝の品種は、暖地型芝生の代表である「高麗芝」の中でも、ダメージに強く、エバーグリーンに近い夏芝、「ビクトール」を使用とのこと。

軌道内の芝生の維持管理においては、廃車となった車輛を独自で改造し、芝刈と散水が出来る専用電車を開発し、管理しています。

芝生が敷かれてから10年以上経過していますが、きちんと管理された青々と美しい芝生が市民の憩いや美しい景観を創出していました。

この事業は騒音やヒートアイランド現象の軽減といった実際の効果だけではなく、

鹿児島市を訪れる人々には非常に良い印象として鹿児島市をシティセールスしていますし、鹿児島市民にとっては自らの地を誇れるシビックプライドに繋がる素晴らしい事業だと感じました。

鹿児島市をお伺いした日に桜島が噴火し、お出迎えいただいた気分になりました。