「高校生の医療費を助成する議案」が可決され、2023年4月から実施されることになりました。

これにより、小学生と中学生と同様に所得制限を設けたうえで、通院1回あたりの費用が200円となるよう子供の医療費を助成し、家計負担を軽減するようになります。

東京都は来年度・2023年度から3年間に限ってすべての区市町村を対象に高校生の医療費の助成を行うとしてきましたが、

3年目以降は各自治体の財政支出に任せる制度ですので、東京23区に比べ財政的に厳しい多摩26市では導入に対して慎重に検討してきました。

高校生医療費助成条例の議会での評決に先立ち、町田市議会において質疑いたしましたので全文を記載致します。

懸念されている3年目以降も医療費助成が続くよう、東京都に働きかけていきたく思っています。

以下当日のやり取りです。

2022.9質疑(高校生の医療費助成について)

【壇上質疑 厳太郎】

第82号議案 町田市高校生等の医療費の助成に関する条例について質疑いたします。

東京23区の区長でつくる特別区長会は6月21日に緊急記者会見を行い、現在中学生までを対象としている子供の医療費無償化について、2023年度から高校生にまで拡大することを明らかにし、所得制限や自己負担を設けず無償化すると発表しました。

東京都は2022年1月、子供の医療費助成の対象をこれまでの中学生から高校生までに拡大することを発表。

高校生の医療費を巡っては、所得制限を設け、小中高生における通院1回につき上限200円を自己負担とした上で、残りを助成する方針を表明していました。

しかし、その後、東京都は2023年度から2025年度までの3カ年は都の財源で全額負担し、2026年度以降の負担割合は、今後協議していくことを23区の特別区に提案しました。

特別区長会では東京都からの提案を受け、2023年度からの事業実施のため、東京都が助成する3年間以降の財源については今後協議を継続することとし、一旦了承しました。

東京都は所得制限を設け、200円の自己負担を求める方式を主張していますが、

特別区長会は、特別区として所得制限や自己負担を設けない完全無料化で事業を実施するため、東京都の補助金で賄えない財源は区が自主財源で負担する方針です。

特別区ではない多摩26市の町田市においても、子育て世帯への支援を行い、市民サービス向上のため、26市の市長会の会長を務める石坂市長が26市を取り纏め、東京都の副知事と様々な折衝を繰り返してきたことにより、高校生までの医療費を助成していくべく、第82号議案高校生等医療費助成事業が上程されたことと思います。

議案概要によれば本事業の予算額は全額都支出金となっていますが、所得制限を設けることになっています。

町田市において所得制限を実施する理由について伺います。

【答弁】
東京都では、これまでも子供の医療費助成について、経済支援策として一定の所得制限を設け実施しています。

今回の高校生等医療費助成においても、一定の所得制限を設けることは必要との考えが示されているため、町田市では、東京都の制度に準じて所得制限を設けております。

【再質疑1厳太郎】
高校生までの医療費の助成を増やしていき、子育て世帯への支援を行うことは、子育て世帯にとって大変ありがたいことと思いますが、

本事業を実施することによる町田市の負担は、どの程度増加しますか?

また、所得制限や自己負担を求める制度となっていますが、これらを設けない場合、町田市の財政的負担はどのくらいと見込まれますか?

【答弁1】
高校生等医療費助成事業は、事業費として年間2億1,500万円の支出を見込んでおりますが、2023年度からの3年間は、東京都から10/10の補助が出るため、財政的な負担はありません。

 所得制限と自己負担を設けない場合の町田市の財政的負担ですが、
所得制限を撤廃した場合には、約7,400万円の増額となります。

また、1回200円の自己負担額を無償化した場合には、約1,600万円の増額となり、町田市の財政負担は 合計 約9,000万円となります。

【再質疑2厳太郎】

子どもの医療費助成は、あくまでも子供に対する助成であって、親世帯の所得によって区別されるべきではない、との考え方もありますが、町田市のお考えはいかがですか?

それと、4年目(2026年度)以降について、本事業を実施することによる町田市の負担は、どの程度増加するのでしょうか?

また、4年目以降町田市は事業を継続していくのでしょうか?

【答弁2】
子どもの医療費助成に係る、保護者等の所得制限につきましては、東京都から、今回の高校生等医療費助成においても、一定の所得制限を設けることは必要との考えが示されていることや、この制度の助成対象が保護者等であることから、東京都の制度に準じて所得制限を設けることとしております。

4年目以降の2026年度からにつきましては、東京都からの補助が1/2になる予定のため、約1億750万円の市の負担が発生します。

なお、町田市としましては、2026年度以降も本事業を継続していくために、東京都から10/10の補助が継続するよう東京都に要望してまいります。