先の町田市議会で「防災体制について」一般質問しました。

 

 

 

今夜予想される、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問の阻止を目論む中国は空母機動部隊を出航させ、ペロシ下院議長が搭乗する飛行機を撃墜するとまで発言し、緊張感が急速に増しています。

 

また、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア軍は日本の空域・海域でのプレゼンスを高める行動をとっていますし、北朝鮮からは過去最高発数の弾道ミサイルが発射されており、日本を取り巻く環境は急速に変化しています。

 

 

そのような中、東京都23区や神戸市では地下施設を新たに弾道ミサイルの爆風から国民を守る緊急一時避難施設に指定しました。

 

地下型の緊急一時避難施設の指定が無い町田市は、「弾道ミサイル避難訓練」について、これまで「国や東京都からの指示が無い限り実施しない」と答弁し続けてきましたが、既に本年4月に国から実施するよう指示が出ている。

 

町田市はこのことに気が付いていない様子でしたので、先ずはこのことをきちんと認識することを求めると同時に、通常の災害と武力攻撃事態による戦災を分けて考えることや、町田市の防災関係部局へ専門的な知識を有する退職自衛官を任用することの考え方を質問しました。

 

 

 

 

 

 

 

2022.6一般質問(防災体制について)

 

【壇上質問 厳太郎】

通告に基づき「選ばれる町田をつくる会」の一員として一般質問をいたします。

まず初めに項目番号1の防災体制についてお伺いいたします。

 

アメリカ、イギリス、ロシアの3か国がウクライナの領土を保全し、主権を尊重することを誓約していた「ブタペスト覚書」をロシアのプーチン大統領は一方的に破棄し、本年2月24日にロシアはウクライナに軍事侵攻を開始し、戦況は泥沼化の様相を呈しています。

 

ロシアの東に隣接する我が国の取り巻く環境は、

北海道根室沖で本年3月2日ロシア軍機のヘリコプターによる領空侵犯が確認されたり、

10日にはロシア海軍艦艇による地対空ミサイル演習が確認されたり、

北海道と青森県の間に位置する津軽海峡ではロシア海軍の艦艇10隻が航行していることが確認されたほか、

14日には北海道の宗谷岬南東約130kmの海域をロシア海軍の駆逐艦や潜水艦など6隻が確認されました。

 

ロシア海軍はウクライナへの軍事侵攻と呼応する形で極東地域において大規模な海上軍事演習を行っており、オホーツク海の軍事的重要性の高まりを背景とした活動の一環と見られています。

 

我が国はロシアの活動が活発化していることを懸念すると同時にロシアの領空侵犯に対して厳重に抗議しました。

 

ウクライナに軍事侵攻を続ける中、日本がロシアに対して制裁措置を科したことに反発し、ロシア外務省は21日、日本との平和条約交渉などを中断すると一方的に表明し、直後の25日には北方領土において3000名以上の兵士による軍事演習を開催しました。

 

また、隣国の北朝鮮は本年だけでも少なくとも26発の弾道ミサイルを日本方面に発射し、現時点において1年間で発射した発数はすでに過去最高となっており、岸防衛大臣は6月5日の発射について、「少なくとも3か所から短時間での極めて多い発数の発射は前例がなく断固容認できない」と抗議しています。

 

町田市では武力攻撃や戦争ではない災害である、地震災害、風水害、雪害、原子力災害、火山災害、その他、鉄道・道路・危険物・大規模火災などの大規模事故については、市民の生命・身体・財産を守るべく災害対策基本法に基づき町田市地域防災計画で取り決められています。

 

また新型コロナ感染症の拡大と言った社会情勢の変化を捉え、2021年2月には町田市防災計画は感染症対策なども踏まえ修正されてきました。

 

一方、武力攻撃事態や着上陸侵攻に関しては一義的に「国」が「武力攻撃事態法」によって対外的に排除行動をとることが示されておりますし、国内的には「国民保護法」によって定められており、自助と公助を基本とした法整備がされております。

 

「災害対策基本法」では個人の義務として、過去の災害の伝承に努めることや、訓練への参加や協力が求められていますが、「国民保護法」では個人の義務として発見通報義務があるのみで、避難することだけが求められています。

 

つまり、法的に通常の自然災害と、武力攻撃などの有事による災害を分けて考えています。

 

神戸市ではロシア軍がウクライナに侵攻する9日前の2月15日に、民間事業者と連携し市内47の地下施設を新たに緊急一時避難施設にしたうえで「他国からのミサイル攻撃等における国民の避難体制のさらなる強化を図ります」と宣言しました。

 

それに呼応する形で東京都はロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射などを踏まえ、5月27日にミサイル攻撃の爆風から国民の被害軽減を目的に、23区内の東京メトロ・都営地下鉄の地下駅舎105か所や地下道4か所を緊急一時避難施設として指定しました。

 

町田市の状況はいかがでしょうか?

 

町田市の緊急一時避難施設の現状についてお伺いいたします。

 

続きまして(2)「危機管理監を設置すべきと考えるが」についてお聞きいたします。

 

町田市では2017年4月から市長直属の組織として「防災安全部」を設置し危機管理体制のより一層の強化を図ってきましたし、大規模災害や危機事態が発生した際には、市長を本部長とする災害対策本部を直ちに設置することや、平常時から各部を統括する立場の副市長が、本部長である市長を補佐する体制によって的確で迅速な意思決定がなされるようになっています。

 

近年、町田市は周辺自治体や米海軍厚木基地との災害時応援協定の締結や、防災安全部の新設、町田消防署の移転新設、救急隊の分駐所の新設など災害対応能力を強化してきたことで市民の防犯・防災対策に対する期待により一層応えてきました。

 

私は初当選の2010年から町田市の危機対応能力の向上のため様々な角度から議会で提言してきましたし、東日本大震災が発生した2011年の6月議会では災害時の司令塔として危機管理監の創設について提案させていただいてきました。

 

また災害時の自衛隊との連携の観点から、退職自衛官の登用について2016年6月議会で取り上げてきました。

 

2020年9月議会では「総合的な危機管理体制強化のため危機管理室の創設を求める請願」が市民より提出され町田市議会で採択しています。

 

2004年の国民保護法の成立や2011年の東日本大震災を受けて、全国の自治体では各種の自然災害から住民の生命、身体及び財産を守るべき責務を有することから、自衛隊との連携強化や危機管理能力の向上のため、専門的知識・能力・経験を有する退職自衛官の自治体防災関係部局への任用をする件数が増してきました。

 

現在の町田市の危機管理監に対する考えを教えてください。

 

 

【防災安全部長答弁】

 項目1の「防災体制について」に、お答えいたします。

 

まず、(1)の「町田市における緊急一時避難施設について」でございますが、

町田市におきましては、現在、国民保護法に基づき、東京都知事により、緊急一時避難施設として、町田市立の全小中学校や町田市立陸上競技場などの地上施設が指定されております。

 

また、2022年5月27日に、東京都におきまして、緊急一時避難施設として、新たに既存の地下駅舎や地下道の地下施設が新たに指定されました。

都によりますと、これは地下型の緊急一時避難施設の課題抽出の意味合いもあり、今回は、指定に期間を要さず、比較的規模の大きい東京メトロや都営地下鉄を指定したとのことで、今後課題を整理したうえで、地下型の緊急一時避難施設の拡大を目指したいとのことです。

 

町田市における地下型の緊急一時避難施設の指定につきましては、対象となりうる施設など、今後研究してまいりたいと考えております。

 

次に、(2)の「危機管理監を設置するべきだがどうか。」についてでございますが、

町田市では、大規模災害や危機事態が発生した場合の体制として、市長を本部長とする災害対策本部を直ちに設置しております。

併せて、その事前会議として副市長を座長とする事前対策会議を設置し、市役所全体で各部の事前準備や対応を調整し、災害対策本部長である市長が迅速かつ的確に意思決定することができる体制を構築しております。

 

さらに、2017年度に、防災安全機能の強化のために、市長直属の組織として防災安全部を独立したことで、災害発生時の指揮命令体制を強化し、課題に対する迅速な対応や、消防、警察と連携した対応が可能となっており、これまでの災害対応において、現在の体制が効果的に機能していると考えております。

 

また、いわゆる町田版BCMにおいて、毎年、災害に関する課題を検証し、常に市の防災安全機能をブラッシュアップするとともに、毎年の図上訓練等により、職員の防災対応に関するスキルアップに努めております。

 

以上により、現時点において、危機管理監を採用する考えは持っておりません。

 

なお、元自衛官を危機管理監として、採用することの効用としまして、災害や危機事態発生時の自衛隊との連携強化があると考えておりますが、災害や危機事態の発生時には、災害対策基本法第68条の2の規定により、市長は都知事に対して自衛隊の派遣の要請ができることとなっている他、都知事との連絡が不能である場合には、市長から国へ災害派遣を要請できることとなっているなど、自衛隊と迅速に連携して災害対応ができる体制がすでに構築されております。

 

 

 

【再質問1 厳太郎】

世界の均衡を大きく揺るがし、2月までは世界のほとんど誰もが予想だにしていなかったウクライナ侵攻が現実となった今、想定外を無くすため、町田市のあらゆる防災体制にもう一度目を向ける必要があるのではないかと感じています。

 

ロシアの軍事侵攻の可能性を予言していたアメリカ、ジョン・ホプキンス大学のエリオット・コーエン教授によれば、此度のウクライナ侵攻は欧州のみならずアジアに対しても「隣国による侵攻で国を破壊される事態に直面した際に、国の存在を守る権利があるのかという問題が改めて提起された。」と記しています。

 

先ほどの壇上質問の答弁によりますと、町田市では「緊急一時避難施設」として、町田市立の全小中学校や町田市立陸上競技場などの地上施設が東京都によって指定されており、有事には市長が本部長となる災害対策本部が設置され、国や東京都に自衛隊の派遣要請ができるので危機管理監は考えていない、とのことでした。

 

「緊急一時避難施設」とはミサイル攻撃等からの爆風などから直接の被害を軽減するための一時的な避難施設のことで、町田市では小中学校や陸上競技場が東京都によって指定されているとのことですが、爆風から市民を守る観点からすれば全くもって非現実的と言わざるを得ません。

 

Jアラートが鳴ってから着弾まで数分しかないのに、学校まで避難しろとのことでしょうか?

 

そもそも町田市の緊急一時避難施設は地上施設しか指定されていないので、いったい何のための避難施設なのかすら疑ってしまいます。

 

隣国中国はこの30年間で軍事費を40倍以上に増強し、南シナ海、尖閣諸島を含む東シナ海で一方的な現状変更を行い、台湾に対しても軍事的な威圧を高めており、その弾道ミサイルの大半は我が国の主要施設や人口密集地域を目標としています。

 

多大な犠牲が生じている今回のロシアによるウクライナ侵攻は、私たちが世界の厳しい現実に向き合う機会としなくてはならないと思います。

 

北朝鮮から我が国に向けて度重なる弾道ミサイルの発射が続いています。

防衛省によれば、北朝鮮は我が国を射程におさめる弾道ミサイルを数百発保有しており、現在の我が国のミサイル防衛システムによる迎撃では益々困難となってきているとのことです。

 

国民保護措置を総合的に推進する責務を有する町田市で武力攻撃事態等を想定する部署はどこになるのでしょうか?

 

 

 

【再答弁1 防災安全部長】

 国民保護法において、武力攻撃事態等における国、地方公共団体、指定公共機関等の責務や役割分担について定めており、国の方針の下で、国全体として万全の措置を講ずることができるようになっております。そのため、国が武力攻撃事態を想定するものと認識しています。

 

 

 

【再質問2 厳太郎】

「国が武力攻撃事態を想定するものと認識している。」とのことですが、壇上でも申し上げましたが、地方自治体である東京都や神戸市は独自にミサイル攻撃を想定して地下施設を緊急一時避難施設として初めて指定しました。

神戸市は民間地下施設をも指定しています。

 

東京都は首都で神戸市は政令市だからということでしょうが、町田市も他国からのミサイル攻撃等における市民の避難体制のさらなる強化を図るべきと考えますがいかがでしょうか?

 

 

 

【再答弁2 防災安全部長】

緊急一時避難施設は、国民保護法第148条の規定に基づき、都道府県知事や政令市の長において、指定することになっております。今後も東京都と連携し、町田市における地下型の緊急一時避難施設の指定については、対象となりうる施設など、今後研究してまいりたいと考えております。

 

 

 

【再質問3 厳太郎】

国と連携協力する上での市の窓口はどこになるのでしょうか?また、武力攻撃事態等における市の役割は具体的にどのようなことでしょうか?

 

 

 

【再答弁3 防災安全部長】

市の窓口としましては、防災安全部になります。

武力攻撃事態等における市の役割としましては、国民保護計画の策定、国民保護の内容、枠組み、必要性についての普及啓発、必要な研修や訓練の実施及び必要な物資の備蓄を行うことなどがございます。

 

 

 

【再質問4 厳太郎】

武力攻撃事態等における市の役割は、計画の策定、国民保護の内容、枠組み、必要性についての普及啓発、必要な研修や訓練の実施及び必要な物資の備蓄とのことですが、「必要な研修や訓練の実施」とは、これまでどのような研修や訓練をしてきたのですか?

 

さらには市区町村の責務として「避難指示」がありますが、日本に向けてミサイル攻撃が探知された場合、市民に対して先ほどの小中学校や陸上競技場といった緊急一時避難施設に避難するように指示するつもりなのでしょうか?

 

2点お答えください。

 

 

【再答弁4 防災安全部長】

まず、これまでどのような研修や訓練をしてきたのかについてですが、国や東京都からミサイル発射を想定した避難訓練を実施するよう、具体的な指導、あるいは指示があった場合は、町田市としましても訓練を実施いたします。

今後も、国や東京都の動向を注視してまいります。

次に、日本に向けてミサイル攻撃が探知された場合、市民に対して緊急一時避難施設に避難するように指示するのかについてですが、

町田市において、武力攻撃が迫り、または現に武力攻撃が発生した場合は、全国瞬時警報システム(Jアラート)により、自動起動する防災行政無線等で、国から市民まで緊急情報を瞬時に伝えます。この際、Jアラートでは、できるだけ近くのコンクリート造りの堅牢な施設や建築物の地階、地下街、地下駅舎等の地下施設への避難の指示がなされます。

市は、ミサイル着弾後、被害内容が判明した後、都知事からの避難の指示の内容に沿って避難住民を誘導していきます。

 

 

 

 

【再質問5 厳太郎】

本年4月15日に政府の松野官房長官は、北朝鮮から弾道ミサイルが高い頻度で発射されていることを踏まえ、2018年6月以降、実施を見合わせてきた弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を4年ぶりに再会する方向で検討していると発表しました。

 

以前、大西のぶや 元議員が弾道ミサイル住民避難訓練を求めて、この議場で質問した際の答弁では、あくまで国や都からの指示があれば検討するとの答弁でした。

 

町田市では常に市の防災安全機能をブラッシュアップしているとのことでしたが、世界の均衡を一変させた想定外の戦争が発生している現在においても、あくまで国や東京都の指示がない限り、弾道ミサイル住民避難訓練は実施しないお考えですか?

 

本年4月25日付で内閣官房と消防庁は国、都道府県、市区町村の共同による弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を公募しています。

 

国は3月24日に北朝鮮から発射された新型のICBM級大陸間弾道ミサイルを次元の異なる深刻な脅威ととらえ、早期に国と地方公共団体との共同による弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を再開する必要があるとの考えで都道府県に市区町村の意向を確認し手を挙げるよう求めています。

 

国からの通達では、「国との共同訓練以外にも、貴都道府県及び市区町村において住民避難訓練を積極的に実施していただきますよう、お願いします」と記載されていますし、

 

「弾道ミサイルを想定した市区町村の初動対処マニュアルの作成の手引きを作成しました。市区町村の初動対処マニュアルの作成や既存のマニュアルの改訂に役立てていただくとともに、弾道ミサイルを想定した訓練の実施等にも活用してください。」

とも記載されています。

 

町田市での弾道ミサイル住民避難訓練についての考えはいかがですか?

 

 

 

【再答弁5 防災安全部長】

2022年4月に、内閣官房と消防庁から都道府県や市区町村に対し、「弾道ミサイルを想定した市区町村の初動対処マニュアル作成の手引き(令和4年4月)」が示されております。  

弾道ミサイル攻撃が発生した場合、極めて短時間のうちに落下する可能性があるため、市の初動対処が極めて重要であり、弾道ミサイル発射の事実を住民に「迅速かつ確実に伝える」手段の確立や市として本部機能が最大限発揮できるよう、対処能力を絶えず向上させることなどが重要だと認識しております。

議員ご指摘のとおり、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施する必要性についても含まれておりますので、今後、しっかりマニュアルを精査し、訓練の実施を含め、町田市の対応を示していきたいと考えております。

 

 

 

【再質問6 厳太郎】

「自衛隊と迅速に連携して災害対応ができる体制がすでに構築されております。」とのことだが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

 

通常の災害であれば防災訓練や防災会議などを通じて連携しているということでしょうが、武力攻撃事態ではどのような連携を図るお考えでしょうか?

 

 

 

【再答弁6 防災安全部長】

 災害や危機事態の発生時には、災害対策基本法第68条の2の規定により、市長は都知事に対して自衛隊の派遣の要請ができることとなっている他、都知事との連絡が不能である場合には、市長から国へ災害派遣を要請できることとなっております。

 

また、毎年行っている町田市総合防災訓練では、陸上自衛隊の方に震災演習としての救助活動訓練に参加していただいております。さらには、町田市地域防災計画の修正や町田市総合防災訓練など市の地域防災に関する重要事項を審議するための「町田市防災会議」にも、委員として出席していただいております。

 以上により、平時から武力攻撃事態においても、自衛隊と迅速に連携して対応できる体制がすでに構築されております。

 

 

 

【再質問7 厳太郎】

自衛隊の役割は、法的にも通常の自然災害と、武力攻撃などの有事による災害を分けて考えられています。

「災害対策基本法」は戦後の伊勢湾台風を契機として、自然災害から国民を守るために計画的な防災行政の整備と推進を目的に制定されたものであり、「国民保護法」は武力攻撃から国民を守るために制定されたものです。

 

これまで自衛隊は自然災害の時には救助や復旧に活躍してきましたが、武力攻撃事態などの有事では速やかに武力攻撃を排除し、国民への被害を局限化するという自衛隊にしかできない任務の遂行に万全を期すため、基本的には行動を共にしません。

 

また、国民保護計画が対象としている武力攻撃事態の着上陸侵攻がなされた場合は、自衛隊と共に行動する民間人はジュネーブ条約違反の便衣兵(ゲリラ)と見なされてしまう恐れから、共に連携しての行動は考えにくいです。

 

ですので、武力攻撃事態等を想定するなら、専門的知識を有していながら、民間人である退職自衛官の知識の導入や任用は考えられないか?とお聞きしています。

 

武力攻撃事態に自衛隊との連携が困難であることも予想されることから、退職自衛官の専門的な知識を町田市民の安全確保のため導入することは考えられませんか?

 

 

【再答弁7 防災安全部長】

繰り返しになりますが、危機事態の発生時には、災害対策基本法第68条の2の規定により、市長は都知事に対して自衛隊の派遣の要請ができることとなっている他、都知事との連絡が不能である場合には、市長から国へ災害派遣を要請できることとなっているなど、自衛隊と迅速に連携して災害対応ができる体制がすでに構築されているため、現在、退職自衛官を採用することは考えておりません。

 

 

【再質問8 厳太郎】

何をするか分からない隣国があるならばその想定を広げていくということが現実的な判断となるのではないでしょうか?

 

 

【再答弁8 防災安全部長】

繰り返しになりますが、現在、退職自衛官を採用することは考えておりません。

しかしながら、世界情勢などの社会環境は日々変わりますので、今後も国や東京都の動向を注視し、的確な対応ができるように研究してまいります。

 

 

【まとめ9 厳太郎】

冷戦終結後の1993年5月に北朝鮮から弾道ミサイルの「ノドン」が発射されたことから始まり、1998年の「テポドン」が発射された際に、日本は大きな衝撃をもって報道されていましたが、年間発射ミサイル数が過去最大数になった昨今は慣れてしまい当時ほど驚かれていないように感じます。

 

危機管理に慣れは禁物だと思います。

 

現に町田市を含むほとんどの自治体も現在の状況に慣れてしまい、新たに考えようとの姿勢が失われているように感じます。

 

世界の均衡を大きく揺るがし、2月までは世界のほとんど誰もが予想だにしていなかったウクライナ侵攻が現実となった今、想定外を無くすため、町田市のあらゆる防災体制にもう一度目を向ける必要があると私は思いますし、その機会にしなくてはならないと思っています。

 

ウクライナはこれまでいかなる軍事同盟にも加盟しない非武装中立を実行してきた平和な国でした。

 

ウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏は、今回のウクライナ侵攻の要因を、ウクライナの一般国民が皆、自分の事ばかりで防衛や安全保障の問題に全く興味が無かったと、「平和ボケ」の状況であったと指摘しました。

 

そしてウクライナと日本の共通点を「平和ボケ」と指摘し、「日本は置かれている状況を認識し、それに見合った防衛体制を確立しなくてはならない」と警鐘を鳴らしています。

 

町田市はこれまで「国や都から指示が無い限り弾道ミサイル住民避難訓練を実施しない」としてきましたが、今回の質問を通じて既に国からの指示が来ていることも認識していただいたと思います。

 

今後は弾道ミサイルなどの武力攻撃事態に対しての専門的知識・能力・経験を町田市だけでは有していない事も課題と捉え、町田市の対応能力の向上を図っていただければと思います。

 

 

凄惨なウクライナ侵攻の教訓を町田市が今後に生かしていくことをお願いしまして質問を終わります。