自民党東京都連 第2回 各級議員政策勉強会がありました。

1講義目のテーマは「教育改革、待ったなし~どんどん下がる教員の質」

講師はリクルート社初代フェローであり、初の民間出身の公立中学校校長でもあった藤原和博先生。

藤原先生は初の民間校長として杉並区立和田中学校に赴任され、すぐさま教育改革を立ち上げ、生徒の学力を一気に向上させた実績の持ち主です。

講義では、「学校教育問題の核心」として、現代の教育を取り巻く、
「教え方」と「教える人」の2つの大きな課題と解決方法を示されました。

「教え方」の課題として、

「教育」は、これまでの20世紀の成長社会では、アタマの回転の速さ、情報処理力から「正解」を導き出す、ジグソーパズル型学力が求められてきましたが、

コンピューターが益々発展していく現代、21世紀の成熟社会では、アタマの柔らかさ、情報編集力から「納得解」を紡ぎ出す、レゴブロック型学力が求められてくる、と指摘されました。

例えとして、

これまでの子供達に求められていた情報処理能力では、

問➡️「白い物を短時間でなるべく多く言ってください。」

答え➡️「マスク、豆腐、砂糖、包帯、ティッシュペーパー等々」

➡️「正解○」

これからの子供達に求められるのは情報編集能力。

問➡️「白い物で、黒くなったら流行りそうな物を言ってください。」

答え➡️「綿棒、マスク、トイレットペーパー等々」

➡️「綿棒は黒だと耳垢が良く見える、マスクは黒だと雰囲気を変えられる、トイレットペーパーは黒だと高級ホテルに合いそうだ!」

➡️「納得解○」

のように、これまでの社会や教育で求められてきた情報処理能力はAIに取って代わるので、これからの社会に求められる能力や学力は、様々な情報を編集できる能力である、とのことです。

「教える人」の課題として、藤原先生は、教師の求人倍率の低下などを示し、既に教師の質は低下し続けていると指摘され、

教員の質の低下と児童生徒の多様性が増したことで学力格差が生じており、この問題は教員増では解決されず、「教える人」の専門性を高める必要がある、と指摘されました。

現に藤原先生は杉並区立和田中学校校長となり、
これまで社会の最前線で世界を牽引してきた地域の方々を学校教育に活かすべく、コミュニティスクール(学校運営協議会)などの教育改革を実践してこられました。

開かれた学校を目指し、教員だけではなく、地域住民や生徒同士での教え合い、教育の深度化を図ってこられ、今ではこの考え方が全国の学校に広まっています。

藤原先生の現在の教育現場の課題点・解決策の方向性も明快であり、未来の教育のあり方を示してくださっていると感じました。

町田市の教育が都や他市に歩調を合わせているだけでは無く、先駆けて取り組んできたGIGAスクール構想のメリットを益々生かしきるための大きなヒントとなりました。

2講義目のテーマは「MAGA高校連携構想」

講師は東京都公立高校協会の顧問であられ、千代田区立九段中学校 統括校長の野村公郎 先生。

野村先生は、令和の日本型教育の実現を課題ととらえ、
「Society5.0時代に生きる児童生徒にとってPC端末は文具である」とし、ICT環境整備を図ると同時に、野村先生自らの「MAGA高校連携構想」を提唱してこられました。

野村先生の「MAGA高校連携構想」では、

「教室で実施されている授業以外も生徒が選択できる教育方法」

「多文化理解とグローバルリーダーの育成のため世界ネットワークを実現し、世界が学びの場」

「ICTを活用した自由な教育制度として、海外大学への進学を利用した飛び級制度」

などを提言しています。

実際に遠隔地である、奈良市立一条高校と東京都立富士高校の英語授業をICTで繋ぎ、

エッセイを作り、肯定側と否定側に各々別れ、英語でディベートするコラボレーション授業をしてきました。

お互いの生徒が英語での動画を製作し、発表してきたことにより、繰り返して動画を見て次の動画を製作することから、反復学習となったことは英語の上達にとどまらず、
動画編集能力や表現力まで向上させました。

生徒達の「もっと知りたい」を実現させるべく、「教室を超えよう!」を合言葉に野村先生の「MAGA高校連携構想」は加速し進んでいます。

今日本は30年に一度の変革期でありますし、変化の激しい時代だからこそ人間社会の基礎である教育に求められていることも大きく変革していくことを感じました。