先の町田市議会で「ゴミ処理について」一般質問しました。

 

電気料金が高騰する中、発電施設でもある旧焼却炉を再稼働させる可能性について質問しました。

 

町田市では生ゴミからバイオガスを抽出し、発電する「町田市バイオエネルギーセンター」が新たに1月から稼働していますが、

一方、予定されていた上小山田地区の廃プラスチック資源化施設の設置が難航していることや、市民から出されるゴミ総量の削減が進んでいないことから、処分できないゴミは多摩市に委託し、高額な処分費用を支払い処分されています。

 

ロシアのウクライナ侵攻の影響でエネルギー価格が高騰し、世界ではエネルギー政策の変更が求められており、日本でもこの一年で電気料金が40%近く上昇しています。

 

町田市において、ごみの削減が進むまで旧焼却炉を再稼働させ、発電された電力を地域住民に還元することの実現可能性について尋ねました。

 

また、スーパーやコンビニなどのビニール袋をごみ袋として活用することによって、課題であるゴミ総量の削減を目的にした施策を提言しました。

 

 

 

 

以下、当日のやり取りです。

 

2022年6月 一般質問(ごみ処理について2)

項目:(1)ごみ処理の現状と課題について

 

 

 

〔壇上質問(厳太郎)〕

 

町田市ではごみの減量・資源化を進めてきましたが、様々な社会現象の影響で当初の計画通りゴミの減量は進捗していません。

上小山田地区の資源化施設整備も計画通りに進捗していないように見受けられます。

 

現在、町田市の可燃ごみは町田市バイオエネルギーセンターで処理されていますが、処理可能量を上回るごみは多摩ニュータウン環境組合の清掃工場に資金を支払って処理してもらっています。

 

そこで伺います。

まず、ごみ処理の現状として、

町田市バイオエネルギーセンターの燃やせるごみの処理量及び多摩ニュータウン環境組合にごみを持ち込むことになった経緯、資源化施設整備の進捗状況について教えて下さい。

また、ごみ処理における課題をどうとらえているかを聞かせてください。

 

 

〔答弁〕

 項目2の「ごみ処理について」にお答えいたします。

 

 (1)の「ごみ処理の現状と課題について」でございますが、

 町田市バイオエネルギーセンターは、年間6万3千トンの燃やせるごみを処理できる施設として整備いたしました。

 

 当施設の2022年1月の稼働にあたり、ごみの発生量について再確認したところ、事業系のごみは減少傾向にありますが、一般の家庭から出されるごみは増加しており、全体としてはごみ量が増加する予測となりました。

 これは、新型コロナウィルスの影響等により、生活スタイルが変わり自宅に居ることが多くなったことで家庭からのごみが増えたことによるものと考えております。

 また、資源化施設の整備の遅れにより容器包装プラスチックの資源化が進んでいないことも要因の1つであると考えております。

 

 そこで、ごみ量の増加対策として、焼却施設の点検期間を短くすることで稼働時間を増やし、当初のごみ処理量より1万1千トン増の年間7万4千トンの処理を行うことといたしました。

 

 このような対応をとっても、町田市バイオエネルギーセンターで処理しきれない燃やせるごみが予測されたことから、多摩ニュータウン環境組合に燃やせるごみ年間1万トンを上限にごみ処理の支援を求めることといたしました。

 

 同組合と協議を重ねた結果、ごみ処理支援に係る協定を締結することができました。

 協定の内容は、2022年4月から2026年3月までの4年間、燃やせるごみを年間最大1万トン、処理する協力をしていただくというものです。

 

 現在、協定に基づき支援していただいているところでございます。

 

 また、資源化施設につきましては、相原地区は稼働に向けて事業を進めているところですが、上小山田地区は、進捗が遅れている状況です。上小山田地区で処理を行うごみの資源化につきましては、完成までの期間、ごみ処理が滞らないように外部委託による処理を含め検討しているところです。

 

 次に、ごみ処理の課題でございますが、ごみ減量を推進することが最重要であると認識しています。

 ごみの減量には、相原地区と上小山田地区の資源化施設の整備を早急に行うことが必要であると考えております。

 また、生ごみの削減のために食品の食べきりキャンペーンや、使い捨てプラスチックなどの削減につながるマイボトルキャンペーンを行う等、市民への周知や啓発に引き続き取り組んでまいります。

 

 

【再質問1厳太郎】

まず、財政的な面について再質問いたします。

多摩ニュータウン環境組合にごみ処理を委託し続ける廃棄物処分手数料はいくらになりますか。

また、上小山田地区に計画されている廃プラスチックの処理施設が建設されず、廃プラスチックの処理を民間委託することとなった場合、どの程度の財政負担がありますか。

 

 

〔答弁1〕

 多摩ニュータウン環境組合にごみ処理を依頼した場合の廃棄物処分手数料につきましては燃やせるごみ1トン当たり3万5千円となっており、1年間で最大3億5千万円の支出となります。

 廃プラスチックの処理を民間委託することとなった場合については、現在、受入処理が可能な民間事業者の調査等を行っているところであり、具体的な費用につきましては調査中でございます。

 

 

 

【再質問2厳太郎】

多摩ニュータウン環境組合に年間3億5千万円で4年間ですので14億円の処分手数料となりますし、4年後もごみが削減されていなければ、継続して廃棄処分手数料が毎年毎年必要となることが予想されます。

 

また、廃プラスチックの処理を民間委託した場合の費用については、調査中とのことでしたが、財政的にも多額の費用が掛かることが予想できます。

 

町田市のごみ処理の課題であるごみの減量、資源化が進むことを前提に、町田市バイオエネルギーセンターは建設され稼働をしており、その理念は大切だと思っています。

 

また旧焼却施設は解体工事も含め一連の計画の中に位置付けられており、再稼働させることは難しいと承知しています。

 

第3次環境マスタープランの策定にあたり、世界での持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定、政府や東京都の2050年まで温室効果ガスの排出実質ゼロなどを例に挙げ、「環境を取り巻く状況は日々変化しており、時代に即した施策が常に求められています」とあります。

 

今年の2月24日に開始されたロシア軍のウクライナ侵攻は到底予想できるものではありませんでしたが、これにより世界のエネルギー政策は大きく転換することになります。

 

EUでは発電に占める石炭火力の比率を4%上昇させましたし、太陽光と風力発電政策に翻弄され、脱原発で一部から絶賛されていたドイツは今、国中大停電の危機を迎えていますし、事実、この一年間で日本の電気料金は40%も上昇しています。

 

このことは現在まで、世界的潮流として叫ばれてきたSDGsや脱炭素といった流れにブレーキがかかってきている状況だと私は思います。

 

また、政府は今年の夏の電力逼迫に備えて、家庭や企業に対して節電を要請することを決めたとのことです。

 

これらのことにより、当然、町田市を取り巻く状況も大きく変化しており、エネルギー価格高騰、電力逼迫の時代に即した施策が求められていると思います。

 

そもそも私は2020年の12月議会でも発言したとおり、人為的に排出された二酸化炭素が地球温暖化の原因だとする説に懐疑的です。

 

地球気温の長い歴史と二酸化炭素の相関を見ると、現在、空気中に僅か0.04%しかない二酸化炭素のうち人為的に排出された0.002%の二酸化炭素が温暖化の原因であると考えることは難しいと感じます。

 

先進諸国では2050年にCO2ゼロを掲げていますが、具体的なエネルギー計画を持っている国は1国も無いです。

 

もちろん町田市でのごみ削減の取り組みそのものは推進すべきと考えますが、燃やすことを絶対悪として避けるのではなく、多摩ニュータウン環境組合や廃プラスチックの処理を民間委託することより、町田市で焼却処分することが合理的であるなら焼却してエネルギーを抽出し、市民生活に活用することが重要だと思います。

 

処理のしきれないごみを多摩ニュータウン環境組合に委託している現状と、廃プラスチック処理施設の難航状況を鑑み、この際、ごみ処理の外部委託などに要する費用を使い、旧清掃工場にある焼却炉を再稼働させ、ごみ処理を行うと共に発電を再開するという、現在の電力逼迫の時代に即した柔軟な対応は考えられないでしょうか。

 

まずは解体工事の現状はどうなのかについて教えて下さい。

さらに、仮に旧清掃工場を再稼働させるには、どのくらいの費用が見込まれますか。

また、再稼働にあたり、どのような課題があると考えられますか。

 

 

 

〔再答弁2〕

旧清掃工場は、既に2022年1月から解体工事に着手しております。現状としては、焼却施設廃止手続き等が完了し、受変電設備や煙突内部の配管類など内部の機器について順次撤去を進めているところです。このため、旧清掃工場はごみ処理及び発電について再開できる状況にはありません。

 次に費用についてでございますが、旧清掃工場を再稼働する場合に必要な費用につきましては、具体的な試算はしておりません。

 最後に、どのような課題があるかについてでございますが、町田市熱回収施設等(仮称)整備運営事業は、長きにわたり周辺住民の皆様に多大なご理解とご協力をいただきながら進めてきた事業でございます。周辺15町内会の代表の方々と一緒に、忠生地域のまちづくりとして、忠生スポーツ公園、最終処分場の上部利用、蓮田の整備等、周辺整備事業と一体で進めているところです。事業全体への影響があるため、旧清掃工場の再稼働は考えておりません。

 

 

 

【再質問3厳太郎】

旧清掃工場は解体工事に着手しており、再稼働する場合に必要な費用の具体的な試算はしてないとのことでした。

 

それでは、上小山田地区で計画されており、進捗が難しいように見受けられる廃プラスチックの資源化について質問いたします。

 

廃プラスチックを圧縮し、リサイクルして排出二酸化炭素を抑制する考え方も解りますが、2021年1月のバーゼル法改正で廃プラスチックの輸出入が制限され、これまで中国やアジアに輸出され、エネルギーとして結局燃焼されていた廃プラスチックは、国内で処理されることになりましたので、町田市の旧清掃工場の焼却施設を再稼働させ無駄な輸送コストをかけることなくサーマルリサイクルで市内のエネルギーとして利活用することも考えられないでしょうか。

 

東京都の条例で旧ごみ処理施設跡地は緑化することが求められており、町田市においても緑化しつつ地域の住民が利活用できる跡地構想を検討中だと思いますが、市民から出されるごみの減量が進むまで、旧焼却炉を再稼働させ、発電された電力を地域の皆様に提供すれば、上昇し続けてきている電気料金に悩む地域住民には喜ばれると思いますが、そのような考えはないでしょうか?

 

忠生や小山田などの周辺地域の方々の上昇した電気料金分くらいは発電で充分補填できると思いますが、いかがでしょうか?

 

 

 

〔再答弁3〕

 町田市一般廃棄物資源化基本計画では、基本理念として「ごみになるものを作らない・燃やさない・埋め立てない」を原則として、徹底したごみ減量、資源化を進め、持続可能で環境負荷の少ない都市を目指すこととしており、それでも出てしまうごみについて焼却を行っているものです。

 

 国におきましては、廃プラスチックについて、2022年4月1日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行される等、プラスチックの資源化の促進を図っています。

 

 町田市では、廃プラスチックにつきまして、選別、圧縮、梱包等の中間処理を行い、再資源化をすることとしており、国の掲げる施策に沿ったものと理解しております。

 ご提案頂いたエネルギーとしての利活用といった他のリサイクル手法については、処理技術等が進化してくる中で、今後議論が進められると思われますので、状況を注視し情報収集や研究をしていきたいと考えております。

 

 次に、町田市熱回収施設等(仮称)整備運営事業は、2024年6月の完了を目指し工事を進めており、旧清掃工場跡地は、緑化をする「緑の広場」、資源化物などを一時的に貯留する「ストックヤード棟」等を整備する予定としています。事業全体の進捗を図るためにも旧清掃工場の解体が必要であり、事業計画を変更することは考えておりません。

 

 

 

 

【再質問4厳太郎】

旧清掃工場の再稼働につきましては、多くの課題があるため困難とのことでした。

 

しかし、「今後の処理技術の状況等を注視し、情報収集や研究をしていきたい」ともご答弁いただきました。

 

ぜひ、旧焼却施設の再稼働の可能性のみならず、新たに廃プラをエネルギーとして活用するサーマルリサイクル施設の可能性についても、民間委託した場合の様々な経費と比較することや、また、むしろ廃プラを他市から引き受けた場合の受託料なども計算し、研究していただきたいです。

 

それでは次の質問に参ります。

 

縷々現状をお聞きしましたが、町田市にとって今後の大きな課題としてごみ減量への取り組みが益々一層重要になってくると思います。

 

もちろんこれまで様々な取り組みでごみの減量に努めていることはわかりますが、現時点で抜本的な削減策や取り組みを行わないと、年間1万トンのごみ処理を委託している多摩ニュータウン環境組合との協定も2026年3月には切れてしまいます。

 

そこで一つご提案なのですが、市民が生ごみを出すときにきちんと脱水・乾燥させていれば通常のスーパーやコンビニのビニール袋で出せるようにすることはいかがでしょうか?

 

町田市のごみの総量はごみ袋有料化の時に大きく削減しました。

これは有料化することによって市民にごみ減量化への行動を意識付け、促してきたことによる効果だと思います。

 

今度は有料化の反対である無料化を「脱水・乾燥させれば」との条件付きで選択できるよう提示すれば、市民の行動を促しごみ減量につながると思いますがどうでしょう?

 

市民に選択の自由を残しつつ、より良い選択を気分よく選べるように促す、「ナッジ理論」を活用した施策になるのではないでしょうか?

 

町田市をはじめ多摩26市のほとんどの自治体では、ごみ袋が有料となっていますが、近隣の東京23区や横浜市、川崎市、相模原市、では指定ゴミ袋は無く、実質無料です。

 

市民からは住民税を支払っているのに、なぜごみ袋が有料なのか?と聞かれることもあります。

 

町田市でごみ収集車によって集められている燃やせるごみの40%は水分であり、収集車はエネルギーをかけて総重量のうち40%もある水を運んでいることになります。

 

ですので、市民が生ごみを脱水・乾燥させれば無料のビニール袋で出せるようにすれば、更なる市民の協力が得られ、ごみ総量の削減につながると思いますがいかがでしょうか?

 

 

 

〔再答弁4〕

燃やせるごみに含まれる水分についてでございますが、ご指摘の通り、燃やせるごみの中に含まれる水分が比率として多くあり、課題になっているところでございます。市民の皆様にも、燃やせるごみを出す際には、「水分をよく切ってください」とお願いしているところです。

 

 「市民が生ごみを出すときにきちんと脱水・乾燥させていれば通常のスーパーやコンビニのビニール袋で出せるようにする」ことについては、ご提案の一つとして受け止めさせていただければと思います。

 

 町田市では、ごみの分別や減量が進まないため、施策の一部としてごみ袋の有料化を実施した経緯がございます。これにより、ごみ減量が進んできたところではございますが、先ほどの答弁でもお答えしたとおり、新型コロナウィルスの影響等により、生活スタイルが変わったこと等により、家庭からのごみが増えてきている状況です。

 

 このため、現在はごみ減量をお願いする情報発信をさせていただいているところですが、 将来的なごみ減量の施策につきましては、議員おっしゃるように、減量や分別の負担感を感じるのではなく、「市民に選択の自由を残しつつ、より良い選択を気分よく選べるように促す」ことは、重要な視点であると考えております。このような点を踏まえて、今後のごみ減量施策を進めてまいりたいと考えております。

 

 

 

【まとめ厳太郎】

ごみ減量や分別の負担感を感じるのではなく、「市民に選択の自由を残しつつ、より良い選択を気分よく選べるように促す」ことは、重要な視点とのお答えでした。

 

廃プラが分別収集されている地域では、市民が容器包装プラスチックを綺麗に洗って分別していますので、これまでの燃やせるごみからリサイクル素材やエネルギーとして活用しやすくなり、燃やせるごみの削減につながっていますので、廃プラのごみ袋をコンビニなどのビニール袋によって無料でだせるようにすることも考えていただきたいです。

 

また技術発展が今ほどではない高度成長期にはごみ処理は特に強く環境問題と併せて考えられ、今もその影響が色濃く残っていると思いますが、

 

現在は技術発展のお陰でごみ焼却施設も高効率でエネルギー回収ができるようになったと同時に煙突から排出されるガスも圧倒的にきれいになりました。

 

今後もごみ減量施策やごみのエネルギー利用などの新たな可能性も含めて引き続き検討をお願いいたします。