「町田郷友会」の総会と講演会がありました。
演目は「最後の砦・自衛隊」(自衛隊の任務・災害派遣等)です。
講師は航空自衛隊の北部航空方面司令部幕僚長などを歴任してこられた、町田市在住の元戦闘機パイロット 源 外志明 先生です。
自衛隊の防空基地は日本全国に7カ所あり、我が国の主権を侵害する行為や、領空を侵犯するおそれのある航空機に対して、要撃機を緊急発進(スクランブル)させ領空からの退去を警告しており、
近年、自衛隊による対領空侵犯措置の回数は増加し、昨年度は年間1004回で、その内、中国機に対する発進が全体の約7割を占めてしています。
全国7カ所の防空基地では365日24時間いかなる時でも5分以内に離陸し迎撃体制につく、「5分待機」の体制が敷かれており、
対領空侵犯措置のみならず大規模災害が発災した際にも真っ先に飛び立ち上空から情報収集をします。
源先生も昭和47年に防大卒業後、戦闘機パイロットとしてF86F、F104、F4EJ、に搭乗し、小松基地や三沢基地で防空の任に就いてこられ、
世界中が騒然となったソ連のベレンコ中尉がミグ25で北海道に亡命した際にも三沢基地で勤務していたそうです。
政府専用機を運行する特別航空輸送隊室長時代には、在ペルー日本大使公邸占拠事件の対応のため池田外相と共にロスアンゼルス経由でペルーに行かれたり、
天皇陛下や総理大臣などごく限られた 「要人の輸送」の任務も経験されたり、
曲技飛行で名高い「ブルーインパルス」にも基地司令として同席してこられたそうです。
源先生は、これまで平時から有事まで一貫してわが国の空の平和と安全を担う唯一の組織である自衛隊で、近代日本の空の防人として国民の安全を確保してきてくださったこと、本当に頭が下がる思いです。
講演会では、これまでの経験を丁寧に教えてくださり、対ロシア機スクランブルやVIPの食事、ブルーインパルスによる慰問飛行の定時性の難しさなど、
その内容は大変興味深く、驚くことばかりで、源先生のにじみ出る穏やかで紳士的なお人柄も相まって、大変感銘を受けました。
自衛官のことを殊更好戦的と揶揄する方々がこの世にはいますが、やはり一身を賭して国防の最前線に身を置く自衛官は、誰よりも冷静かつ紳士的で心から平和を愛しているということが良く解ります。
また、源先生は町田市の防災体制についてもお話しくださり、日頃からの自衛隊と町田市の連携が市民にとっていかに大切かを教えていただきました。
私はこれまで町田市議会において、緊急時の迅速な対応のため、危機管理監の創出について11年前の平成23年からいち早く取り上げてきましたので、全くもって同感でした。
日頃から自衛隊と共に防災体制を構築している自治体は自ずと有事の際の対応が早くなることは自明の理だと思います。
講演会の結びに「東日本大震災から11年経過しますが、喉元過ぎれば熱さ忘れる、なんてことは絶対にあってはならない。」とおっしゃっていたことがとても印象的でした。
貴重なお話しが聞けた講演会に参加できまして大変ありがたく思います。