先の町田市議会で「町田市バイオエネルギーセンターとシティプロモーションについて」一般質問しました。
町田市では市民から出された生ごみからバイオガスを抽出し発電する新たなごみ処理施設である「町田市バイオエネルギーセンター」が1月から稼働しています。
このような先進的なごみ処理施設は東日本唯一であり、全国的にも注目を集めています。
コロナ禍が落ち着けば全国から多くの視察者が訪れることが想定されますので、町田市バイオエネルギーセンターの視察受け入れを基点として、オール町田を宣伝する機会にもすべきと考えています。
町田市バイオエネルギーセンターの稼働を契機として、市内には「南町田のまちづくり」や、「薬師池のウエルカムゲート」、「中心市街地の取り組み」など、先進的で注目されているコンテンツが溢れている事や、
それら魅力的な視察先をパッケージ化し視察希望者に選択できることをPRしていくことにより、来街者や市内滞在時間も増加させ、宿泊や飲食等市内経済の循環にも寄与するように取り組むことが大事だと思います。
以下当日のやり取りです。
2022.3一般質問(町田市バイオエネルギーセンターとシティプロモーションについて)
壇上質問(厳太郎)
項目2の「町田市バイオエネルギーセンターとシティプロモーションについて」一般質問いたします。
町田市では、新たなごみ処理施設を2017年の着工から5年間かけて建設してきて、ついに今年の1月15日から稼働開始となりました。
私は、この新たなごみ処理施設について、検討段階の平成24年の9月議会・12月議会、そして稼働直前の令和3年12月議会と3回にわたり一般質問させていただきました。
新たなごみ処理施設である、町田市バイオエネルギーセンターは、事業実施にあたってDBO(デザイン・ビルド・オペレーション)方式による契約を行ったこと、最新の施設機能を有していること、地域に開かれた貸出施設を備えていること、災害発生時に防災拠点としての機能を持つことなどが特徴です。
施設機能として、ごみ焼却施設、不燃粗大ごみ破砕処理施設の他、生ごみなどからメタンガスを発生させるバイオガス化施設で構成されており、従来と同様のごみ焼却熱による蒸気発電に加え、バイオガスによるガスエンジン発電も併せて行うことで、ごみから高効率でエネルギーを回収することができる施設であり、
バイオガス化施設と焼却施設を一体的に整備した施設は、全国的にも珍しく、東日本唯一の最先端処理施設として全国の関係者の耳目を集めていると思います。
また先日の建設常任委員会でのご報告によりますと、ごみ焼却施設はこれまでと比べて、市民のゴミ削減の協力により、ゴミ処理の総量は下がったものの発電効率は飛躍的に向上し約1.6倍の6200KWの発電量になったともお聞きしました。
災害時に電力会社からの電力供給が途絶えた場合においても、施設内で電気を発電することにより機能の維持が可能であり、防災拠点として活用することもできます。
施設から排出されるガスは国の規制値を大きく下回る自主規制値を設定し、周辺環境に配慮した、よりクリーンな施設となっています。
生ゴミからバイオガスを抽出し、エネルギーとして再利用する処理施設は全国的にも珍しいですし、バイオガス化施設で発電された電気については、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用することにより、高い単価で電気を売電することができるといった多くの特徴を有している本施設は国内に様々な影響を与えていることと思います。
そこでお伺いいたします。開所来多くの反響があったと思いますが、町田市バイオエネルギーセンターにどの程度の方々がお越しになりましたか?
また、これだけの施設ですから町田市の大きな特徴として広く全国に対して魅力を発信するシティプロモーションとして取り組むべきと考えますがいかがでしょうか?
壇上答弁髙橋副市長
項目2の「町田市バイオエネルギーセンターとシティプロモーションについて」に、お答えいたします。
まず、(1)の「新たなごみ処理施設の見学者数は。」についてでございますが、町田市バイオエネルギーセンターでは、今年の2022年1月17日から、施設周辺の自治会や町内会のほか、官公庁などの方々にご見学いただいておりましたが、2月21日に発生しました 「不燃粗大ピット内の火災」によりまして、見学用の窓に煙によるススが付き、施設内を見ることができない状況になりました。
そのため、やむを得ず、2月21日の火災当日から、施設見学を中止させていただいておりましたが、先週の、3月22日から、見学を再開しております。
これまでの見学者数につきましては、火災の 影響による1か月の休止期間がございますが、3月25日の時点で、件数で58件、人数にしますと約630人の方に、ご来場をいただいております。
次に、(2)の「シティプロモーションとして 取り組むべきと考えるが。」についてでございますが、
町田市バイオエネルギーセンターは、「バイオガス化施設」と「焼却施設」を一体的に整備した「東日本で初めての施設」でございます。
また、施設内の見学者コースでは、見学者自らがゲームなどに参加する体感型の環境学習ができるようになっております。これらのことから、「全国に向けて、魅力を発信できるポテンシャルがある」と認識しております。
2022年1月15日の開所式を含めまして、1月29日に、「脱炭素社会に向けた町田市の まちづくり」をテーマとしたシンポジウム、3月5日に、気象予報士の近藤奈央(こんどう なお)氏による「地球温暖化と気象に関する講演会」、3月19日に、モータージャーナリストの清水草一(しみず そういち)氏による「次世代 自動車に関する講演会」を開催いたしました。
これらのイベントには、総勢約320人の方に、ご参加をいただきました。
なお、開所式には、市外の来賓の方々に、多数ご出席いただきまして、施設見学の前に、市内の魅力を紹介する映像をご覧いただきました。
今後も、町田市バイオエネルギーセンターの 特色をチャンスととらえまして、「環境問題」や、「ゼロカーボンシティ」に関するイベントを継続して行うとともに、「町田市全体の魅力を紹介する様々な情報も発信していきたい」と考えております。
また、これらの活動を継続しつつ、先進自治体の事例も参考にしながら、「市の魅力を向上させるシティプロモーションにつながるよう取り組んでいきたい」と考えております。
再質問①厳太郎
見学者数につきましては、火災の影響もあり、58件、約630人の方々が訪れたことが解りました。
稼働開始早々に火災が発生してしまい、見学者を受け入れられなかったことから、予想していたよりも見学者数が少なく感じますし、諸般の事情により見学受け入れが難しかったとはお聞きしていますが、私は火災が発生してしまった後の状況もあえて公開する事により、ゴミ分別の必要性を広く知らしめるためには大事な視点だと感じます。
また、町田市バイオエネルギーセンターのスタートをチャンスととらえて町田市全体の魅力を紹介する様々な情報も発信していき、市の魅力を向上させるシティプロモーションとなるよう取り組んでいきたい、との答弁でした。
市内の小中学生に町田市の先進的な取り組みを知ってもらい、市民としての誇りに繋げる事も新たな町田市バイオエネルギーセンターでは十二分に可能だと思います。
市内の小中学生の社会科見学等にも広く門戸を開き、全ての小中学生が在学中に必ず一度は訪れ、一般的な環境学習のみならず、事実に基づくバイオガス化の化学の知識や、ゴミ処理のこれまでの歴史も生々しく伝えることによる社会の知識などを、より一層深める学習への機会創出に繋がると思いますが、いかがでしょうか?
答弁①環境資源部長
市内の小中学生の社会科見学につきましては、町田市バイオエネルギーセンターでは、この施設がごみを処理するうえでなくてはならない施設であることを、過去のごみ処理施設建設の歴史を学んでいただく年表を展示し学習できるようになっております。
また、見学者コースには、廃棄物の臭いが施設の外に出ないためのエアーカーテンの仕組みを、臭いをかいで実感できるコーナーや、焼却炉の仕組みや発電の仕組みを、体を動かして体験できるコーナーや、バイオガスなどの専門的な内容をゲーム感覚で学習できるコーナーをご用意しております。社会科見学として来ていただけるよう学校教育部と連携を図りながらこれらの特色を小中学校に積極的に周知してまいります。
また、社会科見学だけでなく、ご家族でも来ていただけるよう、町田市バイオエネルギーセンターの魅力をPRしていきたいと考えております。
再質問②厳太郎
色々と考えて下さりありがとうございます。
貝塚と同じ様に、まさに「ごみ処理の歴史は人類の歴史や足跡」だと思います。
私が先程、「ゴミ処理のこれまでの歴史も生々しく伝えること」と言いましたのは、あそこでゴミ処理がされる前の谷戸の写真も展示して、長い年月をかけて今の地表レベルまで埋め立てられてきて、その上がグランドとして整備されていくという流れやつながりをごみ処理の歴史も紹介することで、人類のゴミとの関わりの経過を示し、現在のバイオガス発電までに至っている進化も見学者に実感していただきたいとの思いからでした。
よろしければそのようなこともご検討ください。
次の質問にいきます。
シティプロモーションとして取り組んでいくことについて意見の一致を見ていると思いますが、
今後、コロナが落ち着いてきますと、他の自治体などから視察の要請が多く来ることが想定されます。
コロナ前は我々議員も町田市の発展に活用すべく、国内の多くの先進事例を見学し、議会で取り上げてきました。
環境資源部の取り組むシティプロモーションとして、視察者の知識欲を満たす「来て学んで良かった」と思わせる仕組みが必要だと思います。
先進事例に触れる視察者の知識欲を満たすべく、バイオガス化施設の先進性もそうですが、いかに地域と合意してきたのか?や、町田市や市民にとっての投資対効果を費用面、発電面、環境面、防災面、地域の発展面などなど具体的にプレゼンし、お伝えすることも大事だと思います。
また、綺麗になったところだけではなくて生ごみの機械選別の場面等もお見せすると一層リアリティが増すと思います。
もちろん視察者には時間的な制約もそれぞれありますでしょうから、2時間コース、3時間コース、のように分けて座学と見学と体験とを組み合わした深い視察のパッケージ化等も必要になってくると思いますが、いかがお考えでしょうか?
また、視察応募者が多すぎる場合、視察の有料化も考えられると思います。
各地を視察しますと、新聞等に取り上げられた人気の視察先は資料代などが発生するなど有料の所も多々ありました。
有料化について何かお考えがありましたら教えて下さい。
答弁②環境資源部長
ご質問は2点あったかと思います。
1点目の見学者コースのパッケージ化については、現在、短時間(30分)で見学いただくコースと、約1時間半と時間をかけて見学いただくコースをご用意しております。
例えばバイオガス化施設のみを見学したいなど、視察に来られた方々のご要望に応じ対応しております。
また、他自治体からの視察の場合は、専門的なご質問を事前にいただくことで対応させていただいております。
2点目の視察の有料化についてでございますが、まずは町田市バイオエネルギーセンターを多くの方々に知っていただくことからスタートしたいと考えており、無償で実施しております。今後は視察の受け入れ状況や、このような体験型の見学施設のある周辺自治体の有料化の状況などを踏まえ、研究してまいります。
再質問③厳太郎
現在は視察者の要望に合わせているとの答弁でした。
そのことも大切ですが、視察者には皆さんの熱量が伝わるようなプレゼンも必要になってくると思います。
これまで他の自治体を視察してきましたが、とかく行政視察は通り一遍になりがちです。
私が今まで行政視察をしてきた中で特に印象的なところは、ガンのホウ素中性子療法の研究機関である京都大学原子炉実験所と、山村で海水魚を養殖することを可能にした好適環境水を生み出した岡山理科大学と、ガン重粒子線治療の兵庫県粒子線センターです。
どちらも長い時間の熱い座学の後の、施設見学で、
説明して下さる方は「このために俺は生きてきている」と言わんばかりの自信に充ち溢れていて、話し辛い内容や失敗したことも堂々と自信たっぷりにお話し下さり、大変心に残っています。
その方々は、人生かけて社会に貢献していることを施設や組織の誇りと受け止めているご様子でした。
その後、私はそれらの地を耳にしますと、必ずその施設と説明くださった方々を思い出しますし、他の人に尋ねられた時はその素晴らしい発想と取り組みをお話ししてきました。
それら視察してきた施設は私を含め多くの視察者を通じて永遠にその地を宣伝し続けている事になります。
シティプロモーションとしても好事例だと思います。
町田市バイオエネルギーセンターは東日本唯一の立派な施設ですので、行政視察の受け方を人々の心に残るように工夫すれば相当効果があると思いますし、そのポテンシャルが充分にあると思いますが、視察を人々の心に焼き付ける工夫について何かお考えがありましたら教えてください。
答弁③環境資源部長
視察来られた方々の心に焼き付けるために工夫をすることは、とても大事なことであると考えております。町田市バイオエネルギーセンターが、先ほどもご紹介いたしましたが、ごみを処理するうえでなくてはならない施設であることを過去のごみ処理施設の建設の歴史をご紹介するのはもちろんのこと、2月に起きました火災の要因と推定される、リチウムイオン電池やそれらを内蔵する家電製品、スプレー缶、ライターなど、分別が必要な物のうち、実際に燃えてしまったものを見学者コース内に追加展示いたしました。
また、繰り返しになりますが、見学者コースには、廃棄物の臭いが施設の外に出ないためのエアーカーテンの仕組みを、臭いをかいで実感できるコーナーや、焼却炉の仕組みや発電の仕組みを、体を動かして体験できるコーナーを用意しており、五感に訴えかける仕掛けを体験いただき、印象に残る見学者コースとなっております。
さらには、視察に来られた方々には、何回も来ていただけるよう、展示物を変えたり、ごみ処理に関する情報を更新するなどいたしまして、「ごみ処理施設に視察行くなら町田市がいい」と思っていただけるよう、シティプロモーションとしての魅力を発信してまいります。
再質問④厳太郎
見学者の五感に訴える取り組みをされている事や、「ごみ処理施設に視察行くなら町田市がいい」と思っていただけるよう発信していくとのことでした。
町田市バイオエネルギーセンターの先進性や話題性のポテンシャルを充分に活用していっていただきたく思います。
シティプロモーションとして取り組んでいくには、環境資源部独自の取り組みと、他の各部署と連携してのシティプロモーションがあると思います。
そこで、他の各部署と連携してのシティプロモーションについてお伺いします。
町田市バイオエネルギーセンターの視察受け入れを基点として、オール町田を宣伝する機会としてとらまえる事は出来ないでしょうか?
例えば、町田市バイオエネルギーセンターでの取り組みと、南町田のまちづくりや、薬師池のウエルカムゲートや、中心市街地の取り組みや構想をパッケージ化し、視察希望者に視察先や半日コースや1日コースといった滞在時間を選択させる事はどうでしょうか?
町田市は多くの視察者が立ち寄りはするが中々宿泊先にまでは選ばれてきませんでした。
町田市バイオエネルギーセンターの稼働を契機として、市内には魅力あるコンテンツが溢れている事や、それらをパッケージ化させ視察希望者に選択できることをPRしていくことにより、来街者や市内滞在時間も増加すると思いますが、いかがでしょうか?
市内滞在時間が増加すれば自ずと宿泊や飲食等市内経済の循環にも寄与してくると考えますがいかがでしょうか?
答弁④環境資源部長
ただいまご提案いただきました、町田市の南町田のまちづくりや、薬師池のウエルカムゲートや、中心市街地の取り組みなど、多くの魅力ある場所との連携をした施策につきましては、とても大事なことであると認識しております。
したがいまして、今後ご提案いただきました内容も含めて、関連部署と連携し検討していきたいと考えております。
まとめ(厳太郎)
町田市バイオエネルギーセンターの稼働を契機として関連部署と連携し、シティプロモーションをしていくことに大変前向きな答弁をいただきました。
先程も言いましたが、町田市には町田市バイオエネルギーセンターでの取り組みや、南町田のまちづくり、薬師池のウエルカムゲート、中心市街地の取り組み、など多くのコンテンツに溢れているタイミングになったと思います。
市長も選挙戦でツイッタ―やTikTokを活用されたように、SNS上でとても話題になることを「バズる」と言うそうです。
一つのハッシュタグを決めて、町田市バイオエネルギーセンターに来て頂いた方にSNSに投稿していただければ記念品をお渡しするとか記念撮影をしてさしあげる等して、来て下さった方々にも率先して町田市のシティプロモーションに参画していただくなどの取り組みも含めて、よく検討していただきたく思います。
町田市バイオエネルギーセンターの稼働を契機として、オール町田の魅力を広く内外に示していき、町田市のイメージの向上を図り、市民にとって益々誇れる町田市となっていくことをお願いいたしまして、この項目を終了します。
ありがとうございました。