町田駅周辺に立地する、保健所と健康福祉会館を集約し保健施設として複合化すること、

商工会議所、新産業創造センター、勤労者サービスセンターを集約し産業支援施設として複合化すること、教育センターの複合化が検討されてきています。

 

これら町田駅周辺の公共施設の再編について議会質問しました。

 

公共施設を複合化することにより、維持費やランニングコストを削減し、財政支出を削減していく事は当然ですが、新しい施設は町田駅周辺のまちづくりの視点から、まちの魅力向上や賑わいの創出につながるものとしていかなくてはならないと思っています。

 

町田駅周辺の公共施設の再編では、これまでの現有施設で行われてきた機能の一層の充実を図ることは元より、市民の健康増進や市内経済の活性化を目的に町田市と共に事業を重ねてきた諸団体との連携は一層重要となります。

 

また、複合化による「跡地」の利活用も課題となります。

 

新しい施設に目が行きがちですが、跡地の利活用についてもスピード感を持って検討していく事を求めました。

 

以下、議場でのやり取りです。

 

 

 

2021.12一般質問(仮称)町田駅公共施設再編構想について

 

 

 

【壇上 厳太郎】

(通告に基づき、自民党会派の一員として一般質問いたします。)

 

「項目番号1 (仮称)町田駅周辺公共施設再編構想について」について。

まず、今回、質問いたします(仮称)町田駅周辺公共施設再編構想の策定までの町田市の取り組みを振り返りたいと思います。

 

財政状況が厳しさを増す中でも、必要な公共サービスを維持・向上させていくため、2016年3月に「町田市公共施設等総合管理計画」を策定。

 

また、2018年6月には実行計画である「みんなで描こう より良いかたち 町田市公共施設再編計画」を策定し、まさに現在、「公共施設・公共空間のより良いかたち」の実現を目指して、再編を進めているところであると承知しております。

 

特に、公共施設が最も多く点在している町田駅周辺のエリアに焦点を当て、2年前の2019年度から、公共施設の再編に取り組んできたものと承知しております。

 

2019年度には、市民の皆様からのアンケートをまとめ、また、2020年度には、町田市として初めて「公募によるサウンディング型市場調査」を行い、「民間とのコラボレーションによる公共施設の建替え方針」を策定しています。

 

この方針の中では、健康福祉会館と保健所中町庁舎の2つの保健施設を集約することや、その集約候補地は、健康福祉会館用地または中町区画用地のどちらかとすること、また、教育センターについては、子ども発達センター・わくわくプラザ町田と複合化することなどを示しています。

 

これらの2年間の検討を踏まえ、今年度、2021年度に、「(仮称)町田駅周辺公共施設再編構想」を策定すること、また、その再編構想の中では、5つのプロジェクトを掲げて進めていくと聞いております。

 

そこで、「町田駅周辺公共施設再編構想について」質問をいたします。

 

(1)健康福祉会館と保健所中町庁舎の集約候補地について。

これまでの検討のなかで、2つの保健施設の集約候補地が、健康福祉会館と保健所中町庁舎のどちらとなるのか、現在の検討状況をお聞かせください。

 

(2)複合化の今後のスケジュールについて。

2つの保健施設の集約と教育センターの複合化について、それぞれ新しい施設のオープンをいつ頃と想定しているのか、お聞かせください。

 

(3)その他公共施設の検討状況について。

再編構想における5つのプロジェクトの一つに「産業支援施設の複合化」があるかと思います。

2021年、今年7月に発行された公共施設マネジメント情報紙「ぷらっと第7号」では、今後の予定として、複合施設の機能及び併設機能のほか、建替え候補地を検討すると示されており、この検討内容などが、今回の再編構想にも盛り込まれているかと思います。

この「産業支援施設の複合化」について、現在の検討状況をお聞かせください。

 

 

 

【答弁1】 <市長>

まず、(1)の「保健所中町庁舎と健康福祉会館の集約候補地について」でございますが、議員からお話がありましたとおり、(仮称)町田駅周辺公共施設再編構想については、来年、2022年3月の策定に向け、検討を進めているところでありまして、この12月から市民意見募集を行うところでございます。

 

お尋ねいただきました、2つの保健施設の集約候補地の検討にあたりましては、先ほど、議員から壇上にてお話しいただきましたとおり、まずは、昨年度、2020年度にサウンディング型市場調査や市民アンケートを行いました。

 

その結果をさらに深堀りするため、今年度、2021年度でございますが、7月に、民間事業者への聞き取り調査を行いまして、集約候補地の検討を進めてまいりました。

 

そうした検討の結果、集約候補地を健康福祉会館用地としたいと考えております。

 

健康福祉会館用地としました理由をいくつか申し上げさせていただきますと、まずは、昨年度策定しました建替え方針にもありますとおり、市民のみなさまの声として、健康福祉会館用地を望むご意見が多かったことがあります。

 

他には、交通利便性の高さですとか、民間事業者の方々と対話を重ねた中での感触として、そうした立地の良さから民間事業者とコラボレーションできる可能性が高いということなどが挙げられます。

 

さらには、多摩都市モノレールの延伸や芹ヶ谷公園“芸術の杜”の整備を見据えて、町田駅周辺のまちづくりの視点から、まちの魅力向上や賑わいの創出につながるものと考えております。

 

次に、(2)の「複合化の今後のスケジュールについて」でございますが、2つの保健施設を集約した新たな施設については、2030年度のオープンを、また教育センターを複合化した新たな施設については、2028年度のオープンを目指して進めてまいります。

 

次に、(3)の「その他公共施設の検討状況について」でございますが、議員からお尋ねのありました産業支援施設につきましては、町田新産業創造センター、町田商工会議所、町田市勤労者サービスセンターを複合化して、町田市の産業振興を牽引する拠点といたします。

 

整備にあたっては、民間活力による事業手法を導入し、2028年度のオープンを目指してまいります。

 

この産業支援施設の候補地は、新産業創造センターの現有地が適していると考えております。

 

 

【再質問1 厳太郎】 

それでは、項目1の「(仮称)町田駅周辺公共施設再編構想について」再質問をさせていただきます。

 

2つの保健施設を集約するということですが、どのようなメリットがあると想定しているのか、お尋ねします。

 

また、保健施設の集約は、市長からの答弁にもありましたとおり、町田駅周辺のまちづくりの観点から、まちの魅力向上や賑わいの創出につながるものであると同時に、その後の跡地の活用が課題となると考えております。

 

そこで、この跡地については、どのように活用していくのかお尋ねします。

 

 

【再質問答弁1】 (政策経営部長答弁)

 まず、集約のメリットでございますが、市民の皆さまにとっては、町田駅徒歩圏内に2つの保健施設が集約されるとともに、保健施設と親和性のある民間サービス等も複合化されることで、便利に利用することができます。

 

新たに整備する建物は、新型コロナウイルス感染症対応での経験を踏まえ、感染症対策に配慮した保健・健康づくりの拠点として整備していきたいと考えておりますので、これまで以上に安心して利用することができるようになると考えております。

 

 また、公共施設の再編からの視点としましては、何と言っても、2つの保健施設を集約して施設総量が圧縮できること、また、施設の整備・維持管理を民間事業者に一括発注することで、今ある既存施設と同規模の施設を市が直接整備・維持管理する場合に比べ、整備費用に50年間のランニングコストを加えた市の負担額が約4割削減できると試算しています。

 

 2020年度の試算結果といたしまして、既存施設と同規模の施設を市が2棟建替えた場合、整備費用を含めたランニングコストが約96億円であるのに対し、施設の整備に維持管理を加えたDBO方式が約55億円でございました。

 

次に、跡地活用についてでございますが、今後、町田駅周辺の公共施設を集約・複合化することで空いた市有地につきましては、「多摩都市モノレールの延伸事業」や「小田急町田駅周辺地区整備事業」などのまちづくりへの寄与や、エリアのさらなる魅力向上につなげてまいります。

 

今回、集約することで空いた保健所中町庁舎用地につきましても、まちの魅力向上のために活用することができると考えております。

 

 

 

【再質問2 厳太郎】 

市民目線からのメリットと、まさに公共施設の再編として財政面として整備費や維持管理費として41億円の削減効果のメリットがあるというご答弁をいただきました。また他にも多くのメリットがあることがわかりました。

 

先ほどの市長から、2つの保健施設を集約した新たな施設のオープンの時期としては、2030年度というご答弁をいただきました。

 

そこで伺いたいのですが、現在、2021年度で、2030年度のオープンを目指す、ということですが、この2030年度までにどのような検討を行っていくのか、もう少し詳細なスケジュールがあれば、お聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。

 

 

【再質問答弁2】 (政策経営部長答弁)

 まず、2022年度から、施設の規模やどのような機能を盛り込むのか、またどのような事業手法とするかを決める基本計画の策定に着手します。

 

このどのような機能を盛り込むかという点については、先ほど申し上げました、例えば、新型コロナウイルス感染症対応での経験を踏まえた感染症対策ですとか、保健施設と親和性のある民間サービスとして、どのようなサービスとコラボレーションするのかなどを検討していきたいと考えております。

 

その後、2024年度には、公募に向けた要求水準書などの作成に取り掛かり、2030年度には、新たな施設をオープンできるよう進めてまいります。

 

 

【再質問3 厳太郎】

2022年度から2024年度にかけて、基本計画を検討されていくとのことですので、しっかりと時間をかけてご検討いただけると理解いたしました。

よろしくお願いします。

 

さて、現在の健康福祉会館には、医師会や歯科医師会に運営をお願いしているクリニックなどがあるかと思います。この2つの保健施設の集約にあたっては、当然、こうした関係する団体のみなさまと調整しながら進めていく必要があると思います。

 

すでに、意見交換などをしながら進めているところかと思いますが、こうした関係団体との調整状況や、新たな施設に対する要望などがあった場合、どのようにそれを検討し、反映していく予定か、想定などありましたら、お聞かせください。

 

 

【再質問答弁3】 (保健所長)

関係する団体との調整状況といたしましては、医師会と歯科医師会とは、昨年度、2021年度に策定しました「民間とのコラボレーションによる建替え方針」に基づき現状の情報共有をしていることころでございます。

 

今後、基本計画を策定していく中では、当然、医師会や歯科医師会からは、別途ご意見を伺いながら、検討を重ねていく必要があると考えております。

 

 

【再質問4 厳太郎】

ご答弁、ありがとうございました。引き続き、関係する団体のみなさまとも連携していただきながら、2つの保健施設の集約を進めていただければと思います。

 

町田市民の健康増進や口腔機能向上を目的に様々な事業を市と共に取り組んでいます「町田市歯科医師会」では、保健施設の集約にあたり、休日応急歯科・障害者歯科診療所にあたる「口腔保健センター」の設備の一層の充実と、診療室、摂食嚥下指導室の充分な面積確保や、歯科医師会事務所の入居を希望していますので、この点も踏まえて充分に連携を図っていただきたく思います。

 

それでは、産業支援施設について再質問いたします。

市長から、産業支援施設について、町田新産業創造センター、町田商工会議所、町田市勤労者サービスセンターを複合化して、町田市の産業振興を牽引する拠点とし、新産業創造センターの現有地を候補地として、2028年度のオープンを目指すとのご答弁がありました。

そこで再質問として、新たな産業支援施設は、どのような施設を目指すのか。また、複合化することのメリットは何かをお尋ねします。

 

 

【再質問答弁4】 <市長>

 まず、「新たな産業支援施設は、どのような施設を目指すのか」についてでございますが、事業者や働く人のチャレンジをさらに支援するほか、人の交流を通じた新たな価値を創出するなど、市の産業振興を加速させるため、町田市の産業振興を牽引する拠点となる施設を目指してまいります。

 

次に、「複合化のメリット」としましては、まず、中小企業者の成長ステージに応じてワンストップでサポートすることが出来る点でございます。

 

さらに、関係支援機関の連携の下で、事業者や働く人のチャレンジを後押し出来る点でございます。

 

そして、何より、ビジネスに携わる人材がいつでも気軽に交流し、アイデアを収集・発信・交換できる環境を提供することにより、ビジネスに携わる人々の事業活動力を高めることができるものと考えております。

 

 

【まとめ 厳太郎】

新たな産業支援施設の検討のために商工会議所では特別委員会が立ちあがるともお聞きしています。

 

町田市では、現在、財政難の中、これまでの手法を進化させた、新しい都市経営が求められている時代だと思います。

 

未来へのハードソフト投資は引き続き積極的に取り組まなければ、都市としての活力が失われてしまいますが、財政難により、これまで通りの手法では実現できません。

 

そういう難しい、かつ新しい都市経営が求められる時代をとらまえ、民間とのコラボレーションによる町田駅周辺公共施設再編構想とのご答弁だと受け止めました。

 

 

保健施設の集約や産業支援施設の集約は、町田駅周辺のまちづくりの観点から、まちの魅力向上や賑わいの創出につながるものであると同時に、跡地の活用が課題となります。

 

課題となる跡地問題より、新しく集約される施設に目が行きがちですが、跡地の利活用に関しても同様に「まちの魅力向上や賑わいの創出」につながるものとしなくてはならないと思います。

 

町田駅周辺は土地利用価値が非常に高く、民間であれば古い建物が解体されるとすぐさま新しい建物が建設され、新たな店舗が入居しまちの賑わい拠点となります。

 

一方行政ですと、これまでもしばらく様子を見ながら検討し時間をかけて計画していく手法だと思いますが、今回は跡地利用についても同時に意見集約などを重ね、スピード感をもって跡地利用についても検討していただきたく思います。

 

その点を踏まえ引き続き積極的な取り組みをお願いします。