町田市議会において「外国資本による土地の取得について」質問しましたので、やり取りを投稿します。

 

近年、自衛隊などの基地周辺の土地が、外国資本によって買い取られ、日本の安全保障上の懸念が顕在化したことから、先の国会で「重要土地等調査法」が成立しました。

 

町田市には自衛隊の基地や原発といった国の重要拠点が存在しないことから、一見すると「重要土地等調査法」の成立は関係ないように思われがちですが隣接の相模原市のアメリカ陸軍相模総合補給廠の周囲1kmの範囲内には町田市の土地も入っていることから、そこは法律上「注視区域」に指定され、今後国から何らかの指示が来ることが想定されます。

 

このことを町田市当局は認知している状況でなかったため、認識していただくべく質問しました。

 

 

 

 

 

 

2021.9一般質問(外国資本による土地取得について)

 

壇上質問(厳太郎)

近年、外国資本によって頻繁に日本の土地が買収されている事例が散見されています。

 

京都では歴史ある町屋が並ぶ一角の120件、丸ごと中国資本によって買収され、伝統ある街並みがチャイナタウンになるそうです。

 

「伊豆」や「箱根」などの観光地では、新型コロナウイルス感染症により消滅したインバウンドや国内の観光客が激減した影響で、地価が3割近く安くなり、中国人投資家から連日購入希望の問い合わせが殺到しているようで、高級旅館なども買われ、既に中国人投資家による土地や不動産の大規模売買が表面化しています。

 

また、中国系資本などによる北海道の水源地や、新千歳空港周辺土地、北海道電力泊原子力発電所周辺の土地買収、

 

長崎県対馬での韓国資本による海上自衛隊基地周辺の土地買収、

 

神奈川県横須賀での中国資本と思われる正体不明者による基地周辺の土地買収、

 

など国内のあらゆる地域で日本の重要拠点である原子力発電所や、自衛隊や在日米軍の基地、政府施設、大容量送電線ルート、一級河川堤防の低地側、薬品倉庫の付近など、日本の安全保障上重要な地域や、国民生活の必要なインフラの近くの土地がターゲットに外国資本によって買い取られる事案が多発しています。

 

 

このような事態を受けて、自衛隊基地などの安全保障に関わる施設の周辺にある土地に関し、「所有者」と「土地利用の状況」について調査し、その結果、基地の機能を阻害する場合には利用制限も可能とする「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」=(重要土地等調査法)が先の国会で成立しました。

 

 

国境離島や防衛施設周辺などにおける土地の所有・利用を巡っては、かねてから安全保障上の懸念が示されてきましたので、この法案の成立により全面的では無いにせよ、一定程度の抑止効果があると期待されています。

 

 

 

ここ町田市では国境離島や自衛隊の基地や原子力発電所などの重要施設が存在しませんので、一見すると「重要土地等調査法」の成立は関係ないように思われがちですが、隣接の相模原市のアメリカ陸軍相模総合補給廠の周囲1kmの範囲内には町田市の土地も入っていることから、そこは法律上「注視区域」に指定され、今後国から何らかの指示が来る可能性があると思います。

 

 

この事を認識していないようでしたので質問に取り上げさせていただきました。

 

 

町田市内の土地の利用や取引に係る規制監督の状況はいかがでしょうか?

 

また、外国資本による土地利用や取引に係る規制監督の状況はいかがでしょうか?

 

 

答弁(政策経営部長)

項目2の「外国資本による土地の取得について」の(1)「町田市の現状は?」について、お答えいたします。

土地利用の規制監督につきましては、通常行っている開発指導に加え、一定規模以上の開発や建築などの計画がある場合は、庁内調整の場として「まちづくり調整協議会」を開催し、適正なまちづくりの誘導を図っております。

また、土地の取引に関しましては、国土利用計画法により、大規模な土地取引については、届け出義務があり、その届け出の受理に係る事務も行っております。

いずれも、外国資本による土地利用や取引に特化したものではございません。

 

 

 

 

再質問①(厳太郎)

「重要土地等調査法」の成立で、自衛隊や米軍の基地、原子力発電所などの周囲約1区キロメートルや国境離島を「注視区域」に指定し、政府が土地や建物の利用実態や、所有者の氏名・国籍などを調査できるようになりました。

 

また、このうち自衛隊の司令部など、特に重要性が高い施設周辺では「特別注視区域」に指定し、一定面積以上の土地売買には事前の届け出を義務付けることが規定され、更には妨害行為が確認されれば土地や建物の利用中止を命令できるようになりました。

 

先ほど壇上でも申し上げましたが、ここ町田市では国境離島や自衛隊の基地や原子力発電所などの重要施設が存在しませんので、一見すると「重要土地等調査法」の成立は関係ないように思われがちですが

 

隣接の相模原市のアメリカ陸軍相模総合補給廠の周囲1kmの範囲内には町田市の土地も入っていることから、そこは法律上「注視区域」に指定され、今後国から何らかの指示が来る可能性があると思います。

 

国防や国の安全保障の問題は国が責任を持って判断し、実施すべきものですが、「重要土地等調査法」の成立により、「注視区域」に指定される可能性が想定される土地が町田市内に存在しますので、町田市として何か対応を検討していますか?

 

この可能性について何か考えていることがありましたら教えてください。

 

 

 

 

答弁①(政策経営部長)

議員からお話しいただきました「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」、略して「重要土地調査法」が先の国会で可決・成立したことは確認しております。

相模原市にある米陸軍相模原総合補給廠に関してですが、そこが法でいう重要施設に該当するのか、また市域が注視区域に指定されることはあるのか、という事について、現時点で市では情報は持っておりません。また、何か対応を検討しているという事もございません。

ちなみに、相模原市、それから自衛隊や米軍の基地や関連施設が多く所在する横須賀市に確認しましたが、現時点において国からの照会や情報提供などは無いとの事でございました。

 

 

 

再質問②厳太郎

他市でもまだ把握してないとの答弁でした。

 

6月8日、参議院内閣委員会で、「重要土地等調査法」が審議された際、「国だけでは日本全国の指定や管理が困難なため、地方公共団体との連携を強化するべきだが?」との高野光次郎参議院議員の質疑に対し、

 

政府は「安全保障は国が責任を持って判断し、実施するべきものだが、対象区域は全国に広がるため、地方公共団体の協力もいただき、丁寧な周知広報活動に取り組んでいく。」と答弁しています。

 

地方公共団体である町田市は国から要請があった際にはどのように対応していくのでしょうか?

 

 

確認のために地元の小倉代議士を通じて内閣府に聞いていただいたのですが、

 

「あくまでも国が全ての責任を持ってやることだが、不動産登記簿や所有者の解らない所は地方自治体に協力してもらう。

 

しかし、法案の重要性は市にちゃんと解ってもらいたいので広報に予算要望をしている。市側との意見聴取などもして丁寧に対応したい。」との事でした。

 

全く新しい事案ですので現時点でのお答えは難しいのかもしれませんが、お考えがあればお示しください。

 

 

 

答弁②

この重要土地等調査法に基づく注視区域の指定、区域内の土地利用の状況調査や土地取引の規制などは、基本的には国の事務に属するものであると認識しております。

また、重要土地等調査法第7条に、内閣総理大臣は注視区域内の土地利用の状況調査の為、関係地方公共団体の長に対して当該土地の利用者等の情報の提供を求める事ができる旨の規定があり、また同条第2項では、関係地方公共団体の長はその求めに応じて情報を提供するという旨の規定があることは承知している。

この規定を踏まえ、市がどのような役割を果たしていくのかという事については、国から具体的な事務等が示されている状況ではなく、市としては何か検討している事はございません。

 

 

 

まとめ(厳太郎)

 

この法律が成立した背景には、2013年ごろから活発に外国資本によって基地周辺地や森林の水源地の土地が買われ、

 

購入者を調査してみると日本で匿名組合を結成し、登記は匿名の合同会社であり、実際は誰が投資したのか解らないようにされていたり、

 

日本人名で登記されているので見過ごしていたら、既に亡くなっている人の名義で新たに基地周辺の土地が購入されていたり、

 

購入者を辿っていくと実は海外で勤務する中国人民解放軍所属の人物であったことなどもあったようです。

 

 

「重要土地等調査法」ができたからと言って、上げられた登記から自動的に外国資本による買い付けだと判明する事は現在の体制では不可能だと思われますし、

 

匿名組合や海外からの投資ファンドによる土地購入は実際の所有者を割り出すには困難でしょうし、日本人風の名前や法人名で登記されればチェックをすり抜けると思われます。

 

 

登記や土地取引の実質的な購入者や土地所有者をデジタル化によって紐付けないときちんとした調査が進まないことから、

 

「重要土地等調査法」の成立を受けて今後重要な施設の周辺の土地取引や登記の仕組みがデジタル対応されていくことが期待されます。

 

また、究極的には諸外国と同じように安全保障上重要な土地の所有を規制する事が必要だと思います。

 

 

新しい法整備ですので国での対応がまだ明確にされていない点がありますが、国から協力要請や意見聴取があった際の町田市への影響や本法律の重要性の理解、また、予想される事務など様々な懸念が想定されますので、先取りしての情報収集やあらかじめの対応の準備をお願いいたします。

 

 

また、国から協力要請や意見聴取があった際には速やかな対応をお願いいたしまして、この項目を終了します。

 

ありがとうございました。