「鶴川5号踏切について」町田市議会で一般質問した原稿を投稿します。
この踏切は玉川学園の正門の横にある踏切で、独特な踏み切り形状や、複雑な交差する道路の形態から、朝夕のラッシュ時には長い渋滞が発生し、安全対策上も課題があります。
交通量も多いことから、長年、改善を求め取り組んできましたところ、先日、踏み切り内の歩道部分に大きく出っ張っていた黄色と黒のシマ模様の鉄骨製踏切注意柵と遮断機がセットバックされ、以前よりも歩行空間が広がり、安全性が向上しました。
この工事は小田急電鉄株式会社が独自で施工してくださった工事で、大変ありがたく思いました。
小田急電鉄による今回の工事で、踏切の拡幅改良事業が終了ではないことを改めて確認しつつ、今後は更に町田市の事業として推進することを求めて質問しました。
今回の質問を通じて、本事業の「位置付け」が、次期町田市5ヵ年計画の重点事業の候補として検討されるとの答弁をいただき、更に一歩前進することが出来ました。
以下原稿
2021.3一般質問(鶴川5号踏切について)
【壇上】厳太郎
鶴川5号踏切について質問します。
鶴川5号踏切の改良・拡幅を求めて、平成25年12月議会、平成29年12月議会、令和元年12月議会と、過去3回質問をしてきまして、これで4回目の質問となります。
これまで、議会での質問を通じて、この踏切が起因する渋滞についてや、踏切が接続する道路と幅員が異なることや、歩道の変則性、安全性についてお話しさせていただきました。
また、この鶴川5号踏切は「踏切道改良促進法」において2020年までに改良を実施しなければならないと法律で定められたことや、当該法律によって国土交通大臣により改良すべき踏切道として指定された市内の踏切の中で1番施工規則に抵触していることもご指摘させていただきました。
令和元年12月議会において、この踏切の改良は優先度が高いことを道路部長と確認しましたし、副市長からは「本事業の位置づけを明確にしていくことが市としての事業の優先度を考える上で重要であると考えている」と答弁頂いています。
また、「今後は現況測量、交通量調査、道路線形の検討などを行い、どのような拡幅が適しているか、検討を進める必要があると考えています。」とも回答を得ています。
さて、その時から1年以上が経過しました。
先日、防災部から、町田市消防団に対し、この踏切での夜間工事のお知らせが届きました。
また、2月9日に たまたま付近を歩行中、踏切内の遮断機本体が1メートルほど広げられて設置しなおされていまして、「いよいよ拡幅が始まったのか!」と思い、道路部に確認したところ、工事について全く把握されていませんでした。
そこで改めて質問させていただきます。
(1)玉川学園正門前踏切{鶴川5号踏切}の進捗について伺う。
【答弁】道路部長
項目2の(1)「玉川学園正門前踏切(鶴川5号踏切)の進捗について伺う。」について、お答えいたします。
玉川学園正門前の鶴川5号踏切は、2016年(平成28年)3月に、踏切道改良促進法に基づく法指定箇所となりました。
具体的な指定内容としましては、踏切道改良促進法施行規則第2条第1号の「1日当たりの踏切自動車交通遮断量」や第2号の「1日あたりの踏切歩行者等交通遮断量」が基準値より高いなど、3つの項目で指定基準に該当しております。
そのため、2020年度までに改良を行うか、地方踏切道改良計画を提出することが定められております。
法指定以降、東京都及び小田急電鉄と協議を重ね、今月初旬に地方踏切道改良計画を作成いたしました。現在、計画書を年度内に国へ提出するための手続きを進めております。
この計画では、法指定を解除するために、鉄道と立体交差で計画決定されている町田都市計画道路3・4・32号木曽金森線の整備を行うことで、現在、指定基準に該当している項目の値を基準値以下にいたします。
【再質問1】厳太郎
令和元年12月議会において、副市長から「本事業の位置づけを明確にしていく事が市としての事業の優先度を考える上で重要であると考えている」と答弁頂いています。
この踏切の「位置づけ」の認識は?
【答 弁】道路部長
副市長の答弁の通り、市の事業は「町田市5カ年計画」の「位置付け」に基づいて事業を進めています。
踏切改良事業の優先度を考える上で重要なのは、次期「町田市5ヵ年計画」に位置付けるかどうかだと認識しています。
【再質問2】厳太郎
次期5ヵ年計画に位置付けるかどうか?が重要との事ですね。
これまでも議会で何度となく鶴川5号踏切の拡幅について取り上げさせていただきましたし、小田急電鉄株式会社には我が会派から毎年書面にて要望事項として提出してきました。
この度、鶴川5号踏切の遮断機本体が1メートルほどセットバックされ、踏切内の歩道部分に大きく出っ張っていた黄色と黒のシマ模様の鉄骨製踏切注意柵もセットバックされました。
資料⑫
資料⑬
資料でビフォア―・アフターを載せました。
⑫は3年前の2017年6月の一般質問の資料として提出したもので、⑬は先日の小田急電鉄による工事後の写真です。
障害物となっていた踏切注意柵が取り除かれたことによって、歩行可能な空間が実質的に広がり、通行する方々にとって実質的に40センチほど歩道幅が広がりました。
地域としては歩道部分が今までより確保され、踏切の横断がし易くなり、大変喜ばしい事として受け止められています。
問い合わせたところ、町田市が関わった工事ではなく、小田急電鉄自らの工事で、地域などの要望が強かったことにより鉄骨製踏切注意柵をセットバックしたとの事で、先程壇上でも少し触れさせていただきましたが、当初、町田市では把握していませんでした。
以前から市議会で取り上げてきて「当面の安全策として、小田急電鉄と協議し踏切道の拡幅を検討する」とご答弁頂いていてきたこの件に関して、今回の小田急電鉄株式会社単体による遮断機などの工事で鶴川5号踏切の拡幅事業は終了ですか?
もちろん終了ではないですよね?
【答 弁】道路部長
今回の工事は、小田急電鉄が踏切内のボトルネックとなっている箇所の柵を移設して歩行空間を確保するために行った一部の改良工事であります。
その先のステップに向けて、法指定以降、東京都、小田急電鉄と協議を重ねており、年度内の計画書の提出を目指しているところです。
さらに現況の踏切で出来ることを調査検討を行っているところでもございます。
したがって踏切道の改良については将来の都市計画道路整備という抜本的な改良に向けて、現況の一部改修・改良と出来ることから段階的に進めているところです。
本踏切は、踏切前後の町田市道の幅員よりも踏切内部の幅員が狭く、また、道路線形が踏切で曲がっているため、前後のバランスや視距等を考慮すると、線形や幅員も含め道路としての改良が有効であると考えております。
引き続き、踏切道の改良について、検討を進めてまいります。
【再質問3】厳太郎
この踏切は踏切道改良促進法で2020年度までに改良を行うか、地方踏切道改良計画書を提出する事が義務化されました。
この踏切の抜本的な対策としては小田急線と都市計画道路3・4・32号線の立体交差化ということが挙げられておりますが、これも2035年までの第五次にならないと位置づけができないですし、踏切立体交差は実現可能性が全くもって不明ですので、当面の安全策として、踏切道の拡幅を何度となく議会で訴えさせていただいています。
平成25年・平成29年・令和元年とこれまでに3回、町田市議会でこの踏切道の拡幅のことを取り上げさせていただき、
鶴川5号踏切は「踏切道改良促進法」で2020年度までに改良すべき踏切と指定されていますが、抜本対策である町田3.4.32号の整備時期が全く未定であることから、当面の策として踏切道の拡幅が検討の対象となり、
令和元年の一般質問の答弁では、「今後は現況測量、交通量調査、道路線形の検討などを行い、どのような拡幅が適しているか検討を進める必要がある」と答弁されています。
現況測量、交通量調査、道路線形の検討進捗状況はいかがですか?
【答 弁】道路部長
2019年度と2020年度で、鶴川5号踏切の交通状況を把握するため、交通量調査を実施しました。
今後は、測量・設計業務を実施し、地形や交通状況の特性等を踏まえた上で、拡幅を含め、どのような踏切道の改良が可能であるかの検討を進めてまいります。
【再質問4】厳太郎
今後のために交通量調査をして下さったとの事ですね。
更にこれからは拡幅事業を進めるために、測量の段になってくるのだと思います。
13年前の平成19年6月定例会では、鷲北さんが建設部長時代に「小田急、玉川大学と協議をしていきたいと考えている」と答弁しております。
今日まで鉄道事業者と玉川大学と町田市で協議はしてきたのでしょうか。
【答 弁】道路部長
2019年度から2020年度にかけて、地方踏切道改良計画の作成に関し、鉄道事業者と協議を行っております。
その他の関係機関については、今、玉川大学との協議とのお話しもありました。今後、検討の進捗に応じて協議を行ってまいります。
【再質問5】厳太郎
今回の小田急電鉄による工事を町田市当局は把握していませんでした。
最初の質問から8年以上経過し、進捗が遅く感じる。
今回の工事に合わせて更に一歩進めた形で一緒に出来なかったのか?
協議していたらわかるのではないか?と感じてしまいましたが、
町田市の歩調と小田急電鉄の歩調がずれていたため一緒に工事できなかったと理解したのですが、その認識で合っていますか?
【答 弁】道路部長
鶴川5号踏切の改修は段階的な整備を考えています。
今回の改修は小田急電鉄のみの判断で実施できる踏切内の一部分の改修であります。
実施時期の連絡に齟齬はありましたが、次の改良の条件が整うのを待つのではなく、早期に実施したことは良かったことだと感じています。
次のステップであります、現状の踏切改良事業は交通量調査が終了した段階です。
議員がこれまでご指摘してきましたように、道路幅員や道路線形、見通しの問題など様々な課題がございます。
改良には鉄道施設の移設や用地処理も必要になり、事前に関係機関との協議など事業実施までには時間を要することから、時間のずれが発生したとご理解いただければと思っています。
【再質問6】厳太郎
この13年間、当該踏切について、研究、検討されてきていて拡幅する事が安全上有効であると認識されていて、優先度も高いとの認識であると思います。町田市の拡幅事業があまり進んでいるように感じられないのですが、原因は何ですか?
なぜこれほど時間がかかっているのですか?
【答 弁】道路部長
現在の町田市5ヵ年計画において、重点事業に位置づけている幹線道路の整備や、老朽化した道路施設の維持・補修の事業等を主に取り組んでいるため、現時点では位置づけのない踏切改良事業については、事業の実施が難しい状況でございます。
【再質問7】厳太郎
次期の計画に位置付けが無いと事業の実施が難しいとの事ですし、財政状況もあるとは思いますが、当該踏切の改良の実現のためには次期計画に位置付けるべきと考えます。
今後はどうするのですか?
【答 弁】道路部長
今後は市としても本事業は重要であると認識しているため、次期町田市5ヵ年計画の策定に際しては、重点事業の候補として検討してまいります。
【再質問8】厳太郎
次期5カ年計画の重点候補に検討下さると、大変前向きなご答弁ありがとうございます。
次期5カ年計画は来年の2022年からの計画で、5年以内に着手されるという事でよろしいですか?
【答弁】道路部長
次期5カ年計画は2022年度からの計画でして、計画に位置付けられた場合、これまでの計画では位置付けがございませんでしたので、大きくステップアップすることだと認識しています。
【まとめ】厳太郎
これまで当該踏切道拡幅事業は町田市の計画にのっていなかったが、次期5カ年計画の重点事項の候補となることは実現に向けて大きくステップアップしたことになるとのこと、今後の展開を大変期待しています。
私も共に実現のため、答えが出るように頑張ってまいりますので今後とも宜しくお願い致します。
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