町田市議会で「ICT教育について」一般質問した原稿を投稿します。

 

母校の町田第五小学校の「ICT教育」が五十嵐俊子 校長先生と共に「東洋経済オンライン」に取り上げられました。

 

記事では、『「町田第五小、3年間で公立先端校へ躍進の理由、協働学習ツールは対話の深化を加速する」』と特集が組まれていました。

 

これに習い、今後市内全校に1人1台の端末が拡充され、ICT教育が加速していくことか予想されますが、

 

全校での指導方法の確立や、

家庭学習での環境整備、

国の制度の活用、

不登校や入院中の生徒の学びの保障、

 

などといった課題についてお聞きし、質問を通じて全校に遅滞なく拡充されることを求めました。

 

 

以下、議会原稿です。

 

 

 

 

檀上質問(厳太郎)

 

町田市教育委員会では、町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」に基づき「町田市5ヵ年計画17-21」を策定しており、2017年度からICT環境整備に着手しています。

 

2018年度からタブレット端末やプロジェクター等の大型提示装置を順次、各学校に配備し、ICTを活用した教育に取り組んできました。

 

また、ICTが教育へもたらす効果を検証するため、小学校2校と中学校1校を「ICT教育推進モデル校」として設定し、効果的な活用方法や教育への効果を検証してきました。

 

これからの時代に必要な「課題発見・解決力」「創造性」を育む、「新たな学び」を創り出すことを目的に、全ての学校にICT機器を配備し、市内全小中学校でICT機器の導入と活用を推進しています。

 

2020年度までに、全生徒1人1台のICT教育環境を整備し、個別最適化され、創造性を育む教育に挑戦しています。

 

ちなみにICT環境の整備状況は、全国平均では4.9人に1台、東京都では最低値の6.6人に1台ですので、町田市のこれまでの取り組みは全国に先駆けた取り組みだと思います。

 

今後ますますICT機器を使って議論や意見発表を行い、理解を深めていく「未来型授業」やAI技術を活用した、「一人ひとりの習熟度に応じた学び」が進んでくることでしょう。

 

 

新型コロナウィルス感染症の影響で、3月2日から全国一斉臨時休校となりました。

 

休校期間中の「子供たちの学び」を保障するためにも、ICTを活用したオンライン教育は欠かせないため、町田市は臨時議会を開会し、「新型コロナウィルス感染症対策」として、児童生徒1人1台端末環境の整備を加速し、計画を前倒して2020年度に整備を完了することを全会一致で可決しました。

 

先んじてICT端末が整備・活用されてきた、「ICT教育推進モデル校」では、新型コロナウィルス感染症の影響による休校中も、平時と変わらずにICTを用いた学習を、自宅で学校と繋がりながら行っていたそうです。

 

 

 

先日、私の母校の町田第5小学校が、五十嵐俊子校長先生と共に「東洋経済オンライン」に特集されていました。

 

五十嵐俊子校長先生は町田第5小学校に赴任される前に、日野市ICT活用教育推進室長を経て、日野市立平山小学校長を務められており、2009年から

 

パナソニック教育財団特別研究指定校、

総務省「地域雇用創造ICT絆プロジェクト」、

パナソニック教育財団「未来の教室プロジェクト」、

文部科学省研究開発校など様々なプロジェクトに参画してこられ、

 

2014年度には「情報科促進貢献個人表彰」で文部科学大臣賞を受賞した日本のICT教育の第一人者です。

 

現在は、「内閣府の青少年インターネット環境の整備等に関する検討会の委員」も務める大変有名な先生です。

 

2015年からは、信州大学と、/東芝、日本マイクロソフト、シャープビジネスソリューションの3社の産学官共同プロジェクトである「次世代型学びプロジェクト」も先駆的に取り組んでこられました。

 

私は、2017年に町田市議会「文教社会常任委員会」の一員として、日野市のICT教育の取組みについて視察させていただいたことがあります。

 

「GIGAスクール構想」という言葉ができるよりもずっと前からICT教育の推進に精力的に取り組んでこられた、前町田市議会議員の市川勝斗さんと五十嵐校長の新たなことにチャレンジする情熱的な姿勢や取組みについて話し、学ばせていただいたことをよく覚えています。

 

その後、五十嵐校長先生が町田第5小学校に赴任されてきた際には、とても嬉しく思いました。

 

 

今回の東洋経済オンラインでは、でかでかと、

「町田第五小、3年間で公立先端校へ躍進の理由、

協働学習ツールは「対話の深化」を加速する」

 

と特集が組まれていました。

 

記事では、

 

「東京都町田市の「町田発未来型教育モデル校」である町田市立町田第五小学校。

ICTを活用し、先端的な学びに挑戦し続ける同校のリーダーを務めるのが、校長の五十嵐俊子氏だ。20年以上にわたりさまざまな立場からICT教育を推進し、「新時代にふさわしい学び」の研究に取り組んできた。

五十嵐氏が考える、教育におけるICTの有用性や可能性とは」

 

対話の深化においてこそICTが力を発揮する」と、五十嵐校長らしい町田第5小学校の先進的で対話的な取り組みが書かれており、大変すばらしいことだなと感じました。

 

ここに至るまでの状況や取り組みをお答えください。

 

 

 

【学校教育部長 答弁】

 項目2の「ICT教育について」の(1)「現状の取り組みは?」についてお答えいたします。

町田市では、将来、教育現場においても1人1台のタブレット端末を利用する時代が来ることを念頭に、2017年度からICT教育環境の整備に取り組んでおります。

また、環境整備と並行して、市内の小学校2校、中学校1校をモデル校として、ICT教育の実践・検証を行ってまいりました。町田第五小学校は、モデル校の1校として、2019年度からICTを活用した教育の研究を進めております。

同校では、「自律する力」と「他者と協働して問題解決する力」の育成を目指し、児童が主体となった授業を行っている点が特徴として挙げられます。

ICT活用事例としては、G-suiteの共同編集機能を活用し、個人が考えた発表資料に対し、他の児童が良い点やもっと良くなるポイントをコメントで入力させることを通じて、相手の良い点を評価し、また、評価された児童は、指摘された点を分析し、改善点を見出し、改善することなどを実践しています。

タブレット端末を使った学びの具体的事例としては、6年生の林間学校において、日光にChromebookを持参し、日光の自然や文化を実際に自分の目で見て学んだことを、考察し、班ごとにまとめる学習などを行っています。

ICTモデル校での授業実践は、実践事例集としてまとめ、市内全小中学校に配布しており、その活用が市内の各校でも広がってきております。

 

 

再質問1(厳太郎)

今後、1人1台端末化の整備が進み、市内全校に町田第5小学校のような取り組みを広げていくのだろうと予想しますが、新しいことですので、まずは教職員の慣れが大事だと思いますし、教師と生徒がより早くICT教育の良さを実感するためには、町5小のような成功事例を解りやすく全ての学校に伝える必要があると思います。

 

指導方法など教員への研修も重要な課題となってくると思いますがいかがお考えですか?

 

 

【答弁1 学校教育部長】

教育委員会では、2018年度と2019年度にICTを導入した全ての市内小中学校の教員に対し、Chromebook基本操作等の導入研修を行いました。

また、2020年度はICT授業支援員を学校に派遣し、教員が授業でICTを活用していくことができるよう研修を行っております。

11月現在で、20校にICT授業支援員が訪問して、600名の教員を対象に研修を行いました。

さらに、モデル校での授業におけるICTの活用を実践事例集にまとめ、校務支援システムを活用し市内全ての学校に発信しております。

2021年度につきましても、ICT授業支援員の派遣による教員対象研修を引き続き実施するとともに、教員のICT推進活用能力のレベルごとの活用研修もあわせて実施してまいります。

また、ICTの効果的な活用については校内研修会等でICT授業支援員や指導主事が助言を行っております。その際、ワークシートを使った学習をはじめ、これまでの授業形態にICTを組み合わせる方法についても紹介し、効果的な授業の方法について指導しているところです。

 また、現在もノウハウの共有としまして、ICT授業支援員が発行している「ICTコラム」において、市内学校で実践された優れた事例の紹介を行っております。

 

 

 

再質問2(厳太郎)

全ての学校に遅滞なく指導方法が拡充されることをお願いします。

 

 

以前、遠隔教育試行のため、モデル校で公開授業を実施した際、電波利用の集中が原因で、なかなか接続できない端末もあったようです。

 

「通信が繋がらず先生やクラスメイトの話が聞けない」といった設備の不具合は、学習機会の不公平にもなります。

 

また休校期間中に自宅でICT端末を用いた学習を進めた結果、生徒によって端末の有無やネット環境が異なることが明らかになり、各家庭でインフラが異なる中、家庭学習の環境整備は今後の大切な課題だと思います。

 

今後、恒久的な仕組みとしては、家庭での無線LANを推奨していくことになると思いますが、ネット環境がない家庭に対してどのように無線LANを整備していくのでしょうか?

 

 

 

【答弁2 学校教育部長】

 現在、各校で利用しておりますタブレット端末の通信装置はLTEですが、これはスマートホンの電波網を活用した通信となっており、通信事業者の基地局で通信量が混雑すると、うまくつながらない状況になる可能性があります。

 

そのため、町田市ではGIGAスクール構想に伴うネットワーク整備では、LTEを利用するのではなく、大容量通信が保証されたネットワークを全小中学校に敷設する工事を実施しております。

 

また、家庭へのネットワーク環境の整備の取り組みとして、自治体が通信事業者と協定を締結し、通信事業者が通常提供している料金よりも利用料が安いプランを市内保護者が契約できるようにしている事例がございます。

 本プランでは、通常の契約で必要となる導入工事費用、契約終了時に発生する解約手数料が無料となり、月額使用料も安価となっているものです。町田市でもこのようなプランの導入を検討しており、今年度中に保護者へ案内チラシを配布する予定です。

 

 

再質問3(厳太郎)

家庭での学習環境が異なる事による、学習機会の不公平が生じないようお願いします。

 

先日、小倉將信代議士のお声かけで、衆議院第一議員会館にて、町田・多摩の自民党会派の合同勉強会が開催されました。

 

デジタル化に向けての様々な国の取組みについて丸半日勉強させていただきました。

 

何項目もある中で文部科学省の担当者からは「GIGAスクール構想について」、経済産業省の担当者からは「未来の教室~learninng inovation」コロナ禍を経た次世代の教育とEdTechやSTEAM教育の可能性」について教えていただきました。

 

文部科学省の担当者からは、全国の自治体で議会承認などに時間を要し、ICTの環境整備が遅れているが、今後は加速していくことが予想されるので、既に整備に動き出している町田市は端末の確保や、学校内のネットワークを急いだ方がよさそうだと教えていただきました。

 

児童生徒が滞りなくICT機器を活用できるよう校内LAN整備し、端末からクラウドまで一体として円滑な通信を確保するにも課題がありそうでした。

 

国の人材支援制度として、ICT活用教育アドバイザーや、GIGAスクールサポーター、ICT支援員などを積極的に活用してくださいとのことでした。

 

今後、町田市全校に拡充されていく中で、町田市で必要な分、ご活用してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

【答弁3 学校教育部長】

 町田市では、国のICT活用教育アドバイザー派遣事業において、学識経験者を複数回お招きし、ICT教育の推進に向けたご助言をいただきました。また、GIGAスクールサポーターにつきましては、29000台のタブレット端末設定に係る人件費について国に補助申請を出しております。ICT授業支援員につきましては、次年度の業務委託について、東京都に補助申請を出す予定でおります。

 今後も、国や都の補助事業の内容を精査し、積極的に活用していきたいと考えております。

 

 

 

再質問4(厳太郎)

国費や都費を積極的に活用していくとの答弁でした。

積極活用をお願いいたします。

 

経済産業省の担当者から、別室登校や不登校や入院中の生徒のICTを活用した在宅学習や、個別学習計画を作成した生徒への出席認定についてもお話しいただきました。

 

町田市は、ICTを活用した学習機会の平等・多様化といった「子ども達の学びの保障」についていかがお考えですか?

 

 

 

【答弁4 学校教育部長】

教育委員会としては、今後再び臨時休業になった際や新型コロナウイルス感染症への感染の不安から登校できない児童生徒への学習の保障として二つのオンライン授業の形態を検討しております。

 

一つは、児童・生徒が、動画を視聴した後、課題に取り組む動画配信型、もう一つは、タブレット端末のMeet機能を活用して、教員がオンライン上で課題の提示を行い、児童・生徒がその後、課題に取り組む双方向型の授業を予定しております。なお、学校に配備されるタブレット端末については、学校に来たくても来られない児童・生徒に対し、実情に応じて学校から貸し出しする予定でおります。

 

 

 

再質問5(厳太郎)

子供たちの学びを保障し、学習機会の平等に努める、との答弁でしたので宜しくお願いします。

 

可能性が無限に広がるICT教育が今後市内全校に拡充されていく過程の中で、ただ単純に教育の機械化とだけ受け取られてしまわないためには、

 

五十嵐校長のような「ICTを通じて対話を深化させ、生徒の「自立する力」と「他者と協働する力」を育成する」といった考え方が大切だと思います。

 

五十嵐校長先生は、変化の多い時代だからこそ「どんなときも柔軟に考え、常に最善を尽くそうとするたくましさとしなやかさ、自分の命も相手の命も大切にするやさしさが、これからの時代を創っていく原動力になる」とお考えです。

 

 

このような「自立する力と協働する力を育成する」という素晴らしい考え方もICTと共に全校に広めていってほしく思います

 

が、いかがでしょうか???

 

 

 

【答弁5 学校教育部長】

ギガスクール構想の目的は、ICT機器を活用し、個別最適化された創造性を育む教育を、全国で実現していくことにあります。

町田市では、「町田市教育プラン2019-2023」中で、児童・生徒の学習意欲を高め、課題を見いだし、解決する力を育てるため、ICT教育を実践していくこととしています。

 

課題を見いだし、解決する力を育てるため、大型提示装置を活用して、資料の拡大提示や動きのあるコンテンツを活用した視覚に訴える一斉学習、タブレット端末を一人一台配備し、児童・生徒が自分の意見・考えを即時にクラスで共有して比較・整理を行う協働学習、一人一人の児童・生徒の能力や学習環境に応じた個別学習の取組など、これらを組み合わせ、学力向上施策を推進しています。

 

その中で、ICTの活用と共にそれらの考え方も全校に推進してまいります。

 

 

まとめ(厳太郎)

縷々ご答弁いただきありがとうございました。

 

先程お話した町田・多摩の自民党議員の勉強会で、国の担当者の方からお聞きしますと、町田市の取り組みは全国の中でも相当進んでいまして、東京の中でもトップクラスであり、大変誇りに思いました。

 

引き続きのご努力をお願いいたしまして、私の今年の一般質問を終了します。

 

ありがとうございました。