先日、東京都が整備を進めている町田市内の施設の整備状況を吉原都議会議員のお計らいで視察して回りました。

①境川金森調節池

②境川木曽東調節池

③町田3.3.36旭町橋梁

④鶴見川(図師町)

⑤町田街道(常盤町)

⑥相原立体

⑦町田街道(市民病院~旭町)

 

境川は延長52㎞、流域面積211平方㎞の二級河川で、

平成20年に洪水による大規模な浸水被害が発生しました。

 

平成28年29年には台風により氾濫危険水位を超え避難勧告が発令しました。

 

近年増加傾向にある局地的豪雨や台風発生時に、増水した水を一時的に溜めることのできる地下調節池を新設しています。

 

①金森調節池は全長190m、幅90m、深さ22m、容量15.1万トン。事業費210億円。

25mプール500杯分の貯水量です。

 

近隣からは工事反対の声があげられていますが、

土砂搬出の際には住宅街を大型ダンプが通過して危険が及ばないよう、

ドイツ製のパイプコンベアにより、河川下流の搬出ヤードまで700mを運搬し、近隣住民の負担軽減を図るようです。

工期は令和6年5月まで。

 

②木曽東調節池は全長115m、幅60m、深さ22m、 容量5万トン。事業費100億円。

 

25mプール164杯分の貯水量です。

 

木曽東調節池は街道沿いに隣接していることから、1日150~200台の土砂搬出車両が行き交いますが、

場内外に50台の待機所を設け対応し、

5mの防音壁を設け騒音対策をするとの事でした。

 

工期は令和8年まで。

 

今後は流域の更なる安全性の向上のため、第3の調節池の確保を検討していき、水害対策の強化を図るとのことでした。

 

治水対策は市民の生命、身体、財産の安全を確保する観点から、もちろん重要な施策ですが、

「境川」は字の通り東京都と神奈川県の境を流れる川ですから、東京都側だけで負担するのではなく、神奈川県側にも応分の負担があるべきだと思います。

 

③町田3.3.36旭町橋梁はモノレール導入路線の132mの橋梁新設工事です。

 

 

2列並列幅員25mで、30m間隔4スパンの橋梁を新設することにより、慢性的に渋滞している町田街道のバイパス機能を有します。

 

事業費80億円のうち、工事費30億円、用地取得費50億円です。

 

工期途中で工事業者1社にトラブルがあったようですが、現在は順調に進捗しているようで安心しました。

 

令和5年完了予定です。

 

④鶴見川は、浸水被害を防止する安全上の河川改修整備で下流から上流へ向けてゾーンを分けて順次工事されています。

 

 

 

現在計画着工から9年経過し整備率75%です。

 

この度視察した図師町では、川の蛇行を緩やかにすると同時に川道を整備し、旧河川敷の蛇行を活かした環境整備がなされていて、水と親しめる配慮がなされていました。

 

急激な市街化により、水害のみならず、水質悪化や自然環境の減少問題を、

治水、利水、環境といった長期的な視点で改善し、流域再生に取り組んでいました。

 

またこちらの現場は市内の事業者により工事されていて、市内経済の循環にも資する工事だと感じました。

 

⑤町田街道では慢性的な渋滞解消のため拡幅が順次行われています。

 

常盤町付近では今後も用地買収を進めていくとのことですが高低差が課題とのことです。

 

⑥「相原立体」では、長年の懸案であった大戸踏切の渋滞緩和や、地域の防災性・利便性向上のため、

事業延長580m、幅員18~32.5mの車道・歩道とJR線路の立体交差整備事業です。

 

 

 

事業費は52億円で、工事費、用地取得費は半々です。

 

渋滞の解消はもとより、災害時には本路線が避難経路や支援物資の輸送ルートにあたり、緊急車両の通行機能向上に資する事業です。

 

⑦町田街道(市民病院~旭町)では、市民病院東交差点から旭町交差点まで無電柱化事業が始まっています。

 

無電柱化事業は、台風や地震といった災害時に電柱の倒壊による道路閉塞を防ぐことで救助活動の円滑化を図り、電線の切断による長期停電を防ぎます。

 

市内での無電柱化率は1%と大変低く、 東京23区の8%と比べ出遅れています。

 

防災面のみならず、安全な歩行空間の確保や、景観上の魅力的な都市空間の創出のために、効果・効率的な整備を推進していことが大切だと思いました。

 

市内を一気に駆け足で見て回ったので、まだまだ浅いかもしれませんが、議案として書類で見るのではなく、実際に見て、直接東京都の職員の方々からお話が伺え、大変有意義な視察となりました。

 

コロナ禍で様々な事業やイベントが滞っているものもありますが、これらの様に着々と進捗している事業を目の当たりにし、大変心強く感じました。