2020.6一般質問 町田市の財政状況について
渡辺 厳太郎
先日、町田市議会で行いました一般質問の原稿を投稿します。
①町田市の財政状況について、②経済観光施策について、③狭隘道路拡幅整備事業について、と3項目通告してあり、こちらは「①町田市の財政状況について」質問したものです。
新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、町田市では混乱の中でも保健所政令市の強みを生かしながら、冷静に情報を収集し、医療体制を強化することにより、感染拡大防止策を講じつつ、経済面でも市民の生活や市内事業者の補助事業を独自の施策として議案化し、2回の臨時議会を速やかに設け、町田市民を守ってきました。
一方、全国的には財源を考えず、パフォーマンスのようなバラマキとも思える財政出動が散見されるようになってきました。
緊急事態宣言が解除され、新型コロナウィルス感染症の第1波を乗り越えた今、改めて町田市の財政状況を伺うと同時に、今後の財政出動の在り方や考え方を問う質問です。
質問を通じて改めて冷静な対応を求めました。
壇上質問(厳太郎)
昨年12月、中国の武漢に端を発して、全世界に拡散した新型コロナウィルス感染症は、今なお世界を混乱に陥れており、終息の目処は立っていません。
当初、WHOが「新型ウィルスは、動物からヒトに感染した疾病で、ヒトからヒトへの感染は確認されない!」と発表した事もあり、中国とその周辺国での局所的な感染爆発のようにとらえられていました。
欧米諸国は楽観視、ないしは他所事のようにみなし、人の往来を続けていたことが仇となり、各国で数万人単位の死者を出し、昨日の6月11日時点で世界の死者数合計は、40万8千人にも達し、大災厄となりました。
ウィルスとの闘いは長期戦になる事が広く認識されるようになる一方で、全世界が国境を閉じ、人々の移動を制限し、消費も止まり、仕事を失う人も増加していることから、経済に対する深刻なダメージが懸念されています。
そんな中、日本では人命重視の下で医療従事者の懸命な努力やわが国の医療レベルの高さなどによって、新型コロナの「第1波」を乗り越えることができ、
5月25日に全都道府県で緊急事態宣言が解除され、活動再開に向けて動き出しました。
しかし、早くも「第2波」の流行に対する懸念が高まっています。
第2波へ向けては第1波の経験を踏まえた、より一層冷静な対策が求められます。
これまでの「第1波」では、未知のウィルスと言う事もあり、過度なマスコミ報道の影響で日本中を大混乱に陥れました。
報道はドラマチックな事、悪い事は報じても、普通なこと、良い事は取り上げません。
新型コロナのリスクだけを強調して、依然として「恐怖の新型コロナ」との認識に基づいて、なんとしてでも感染を避けなければならないという論調でした。
メディアは連日のように国民に不安を煽り、政府批判を繰り返していますが、批判に一貫性は無く、場当たり的な物が多いように感じますし、挙句の果てには、より国民の注目を集め視聴率を稼ぐ意図なのか、偽装したニュースを流す事例も出てきました。
加熱するマスコミ報道に煽られ、マスクや消毒液の買い占めが発生し、はたまた、他人に自粛を強要する「自粛警察」なるものも登場しましたし、ある市長はほとんど人がいない海で自粛を呼び掛けてみたり、ネット上では不平不満を垂れ流し、罵詈雑言が飛び交ったり、他人を特定し吊るしあげる事例も発生したり、とまさに集団ヒステリーが発生しているようでした。
結果、国民感情には新型コロナに対する恐怖感ばかりが蓄積されてしまい、「コロナ鬱」「コロナブルー」などメンタル面の影響が現れたり、外出や人混みに恐怖感を抱いたりするようになったという人も多く、これらの不安心理は、これから社会活動を再開する際に大きな足枷となります。
当初より、元来「不明」であるはずの「感染者数」ばかり日々速報で流され、とにかく検査だ検査だと報道され、退院者数や軽傷者数にはほぼ触れられず、
日本は諸外国に比べ、死亡率が極めて低いという事実にはほとんど言及してこず、国民の間でもその事実が共有されているようには思えませんでした。
今後新型コロナウィルスの「第2波」を想定するに、事実(ファクト)に基づき今一度冷静さを取り戻す必要があると思います。
世界で200万部を超え、日本だけでも68万部を突破し、大ベストセラーとなったハンス・ロスリング著の「ファクトフルネス」では、私たちの脳が陥りやすい10の本能が定義されています。
「世界はどんどん悪くなっている」と思いこみたがる「ネガティブ本能」
「誰かを責めれば物事は解決する」という「犯人探し本能」
「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という「焦り本能」
などです。
これら本能は私たちの遠い祖先が生きて行くために必要としたものですが、一方でありのままの世界を見ることを妨げ、誤った思い込みを固定してしまいます。
本著の「ファクトフルネス」では近年の児童労働率や、乳幼児死亡率、核兵器弾頭数、飢餓率等の推移を数字で示し、「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みを捨て、ファクト(事実)により知識をアップデートし、本能をコントロールする事により、世界を正確に見ようとするものです。
(資料1・2・3・4)
今回の新型コロナウィルス感染症のパンデミックは様々な思い込みを誘う脳の「本能」を、
私たち自身がきちんとコントロールできるかどうかを問うものであり、過去に正解を求められない状況の中で懸命な判断を下すためには、思い込みにとらわれず、世界の現実をそのまま見つめる必要があり、自分の内なる「本能」を出来るだけコントロールし、ファクト(事実)に基づいて判断を下すことが求められていると思います。
(脅威はさほど大きくない)
新型コロナ第1波の経験を振り返ると、ファクト(事実)に基づき明らかになったことが2つあります。
1つ目は新型コロナの本当の危険度が見えてきたことです。
昨日の6月11日時点で新型コロナによる日本の死亡者は920人。これは世界的にみると非常に少ない数です。
日本は世界的に見ても高齢化率も高く、また、憲法上の問題もあって、欧米のような厳しい都市封鎖(ロックダウン)を行わず、国民の自発的協力に依拠した活動自粛策にとどまり、人の移動を完全に制限することはできず、感染拡大の余地を残すことになったにもかかわらず、新型コロナによる死亡率は欧米諸国に比べて圧倒的に少なく、世界的に注目されています。
(資料5)
この理由として、むやみに人と接触しない文化や民度、公衆衛生のレベルの高さ、BCG予防接種など、さまざまな仮説が出されておりますが、本当の原因はいまだ不明であり、感染率が低いのか、感染したときの致死率が低いのか、それさえも科学的にわかってはいませんが、日本の死亡率が極めて低いことは紛れもない事実です。
新型コロナの死亡者は欧米諸国に比べて少ないだけでなく、毎年流行する季節性インフルエンザによる死亡者をも大きく下回っています。
既にワクチンや治療薬がある季節性インフルエンザと、全く無い新型コロナを比べると、50歳代まではほとんど亡くならず、高齢化に伴い死亡率が急上昇するという年齢パターンは両者同じですが、
全体的に新型コロナの死亡率のほうが低く、2018年には季節性インフルエンザで3325人が亡くなりましたが、新型コロナによる死亡者数はその3分の1という規模です。
(資料6)
こうした事実の情報から判断すると、新型コロナは決して脅威のウイルスというわけではなさそうです。
もちろん、高齢者での死亡率は比較的高いため、感染予防や重症化対策は不可欠ですが、データを見るかぎり、若年層にとって新型コロナは死亡リスクの低いウイルスといって差し支えないでしょう。
また、今後は解り得ることは無い「感染者数」というものでこの事態を一喜一憂しとらえるのではなく、あくまでも事実に基づく「患者数」や死者数でこの事態をとらえなくてはならない事は自明の理です。
(活動制限によりリーマンショックを上回る景気後退に)
2つ目は、新型コロナ対策としての活動制限が社会に甚大なマイナスの影響をもたらしたことです。
緊急事態宣言が発動された4月の鉱工業生産は前年同月比マイナス14.4%の減少となったほか、小売り販売額も同マイナス13.7%の落ち込みです。
外食産業でも、ファミリーレストランの売上高が同マイナス59.1%減、喫茶店が同マイナス72.4%減となりました。
テーマパークや映画館などはさらに厳しく、売り上げゼロの世界に変わりました。
国全体の経済を最も押し下げたのは、活動制限に伴う国内需要の減少です。
(資料7)
(結果的に緊急事態宣言は過剰反応だった)
以上のように、①新型コロナによる死亡率が非常に低いこと、②看過できない多大なコストが発生したこと、この2つの事実から考えると、これまでの新型コロナ対策は、コストに見合わない過剰対応だったと言わざるをえません。
(資料8)
もちろん、4月までは「未知のウイルス」であったため、初動の間違いを責めるべきではないですが、5月に入った後、低い死亡率と膨大な社会的コストが明らかになった時点で、新型コロナ対策は軌道修正を図るべきであったと思います。
この1カ月の遅れだけでも2兆円の経済的損失を生み出したと試算されています。
警戒されている「第2波」で患者数が増加して、再び緊急事態宣言が発動された場合、
第1波を上回るコストが生じることになります。
第1波ではさまざまな需要が消滅したものの、ある程度、倒産と失業は抑制できたため、宣言解除とともに経済活動は回復に向かうことができつつありますが、第2波で活動制限を行ったら、さすがに企業の資金繰りも行き詰まり、倒産と失業が急増することになります。
こうなると、緊急事態宣言が解除されても内需減少に歯止めがかからず、本格的な恐慌シナリオに向かってしまいます。
緊急事態宣言が社会不安や経済的困窮を助長し、かえって新型コロナによる死亡者を上回る自殺者などの増加につながりかねません。
緊急事態宣言による活動制限は、財政面からも企業と家計の体力からも、何度も使える対策にはなりえません。
「第2波」を想定するにあたり、今現在の町田市のファクト(事実)を把握し、市民とも共有する必要があると思います。
町田市は「第1波」の混乱の中でも保健所政令市の強みを生かしながら、冷静に情報を収集し、医療体制を強化することにより、感染拡大防止策を講じつつ、経済面でも市民の生活や市内事業者の補助事業を独自の施策として議案化し、2回の臨時議会を速やかに設け、町田市民を守ってきました。
そこで、まず、新型コロナウィルス「第1波」から市民の生活を守り、町田市の商業を守るべく独自施策をも組んできた、町田市の現在の財政状況について伺います。
人口1400万人の東京都は、1999年の石原都知事時代から財政再建を図ってきていて、やっとここ数年の好調な都税収入に支えられ、今年3月時点で過去最大の9345億円まで東京都の貯金にあたる「財政調整基金」を積み立てていました。
しかし、新型コロナウィルス感染症対策のため、これを95%近くも取り崩し、残高が500億円となる見通しで、今後税収が減る事が予想される中、財源の確保が課題となっています。
お隣の人口72万人の相模原市では、「財政調整基金」が2008年のピーク時には143億円ありましたが、現在、残り4億円と減少してしまいました。
人口376万人の横浜市も残高は28億円となり、コロナウィルスの第2波や豪雨などの災害対策に不安が残る水準となっている事から、財源の確保が急務となっています。
人口42万人のここ町田市では、新型コロナウィルス感染症対策で基金は取り崩したものの、残が44億円あるとの事ですので、相模原市や横浜市よりも財政状態が健全で、危惧されている新型コロナウィルス感染症の「第2波」や、震災といった非常事態、今後の長雨や台風といった水災害に対して備えがしてある状況だと判断してよろしいですか?
答弁(石阪市長)
私からは、項目1の「財政状況について」の(1)「新型コロナウィルスの影響による町田市の財政状況について伺う。」について、お答えをいたします。
まず、財政調整基金残高につきましては、今年度、第2次5月補正後の時点におきまして、約44億円となっております。
財政の健全性には様々な指標がありますが、議員から財政調整基金の残高の観点からご指摘がありました。
相模原や横浜の財政調整基金の残高についてもご指摘がありました。
それぞれの自治体のやり方もありますが、通常9月の決算認定は前年の剰余金などを積み増します。
相模原や横浜は、大きな金額を積み増すと思いますが、9月時点までの間に災害などがあった時に財政出動が出来ないということは、まさしくご指摘の通りであります。
財政調整基金は歳入が大幅に減った場合にもこれを取り崩すことになっておりまして、歳入減の可能性が今後高いので、9月時点で積み増したとしても、財政運営上の大きな制約となることが予想されます。
2019年度までの3カ年の町田市における6月補正後の財政調整基金残高は、2017年度が約43億円、2018年度が約64億円、2019年度が約58億円であり、第2次5月補正後の約44億円は、2017年度と同水準であり、不測の事態に対応できる財政調整基金残高となっております。
このことから、財政の健全性を維持しているものと考えております。
これまでの新型コロナウイルス感染症対策としましては、まず、5月補正予算におきまして、国の第1次補正予算による「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」や都による「東京都緊急対策(第四弾)」などを活用し、特別定額給付金や子育て世帯への支援のための給付金などを支給する予算を措置いたしました。
その後の第2次5月補正予算におきまして、国の第2次補正予算に先駆けて、中小企業者を支援する家賃補助を行うとともに、ひとり親家庭等へ臨時特別給付金を支給するなど、市の特性を活かした市独自の施策を通じ、この緊急事態を乗り切るための予算を措置いたしました。
今後につきましては、国の第2次補正予算や都の6月補正予算などを積極的に活用し、新型コロナウイルス感染症対策を講じることによって、市民の安全な生活や経済活動を支えるとともに、持続可能で健全な財政運営を行ってまいります。
再質問1(厳太郎)
今回の新型コロナウイルス感染症対策では、急激な歳入減や突発的な歳出増に備えて積み立てている地方自治体の貯金にあたる「財政調整基金」から約9億円支出し、残高の44億円が事実として健全である事が解りました。
さらに他市の例を上げながら町田市の状況をお聞きしたいと思います。
人口15万人の埼玉県の狭山市では、コロナウィルスの感染拡大を受けている市内事業者を支援するため、30%のプレミアム付き商品券をプレミアム分6千万円と諸経費を市で負担して発行する事を発表しました。
同じく埼玉県の人口14万人の朝霞市では、外出自粛等により経済的に影響を受けている市民の支援のため、水道の基本料金を半年間50%削減することや、中小企業融資制度の利子補給の全額補助を決め、事業費は計1億6000万円と発表しました。
これらの事例はマスコミ等で取り上げられやすく、市民の中でも話題となっておりますが、
中小企業融資制度の利子分補給補助事業は、ここ町田市でも先んじて増額して取り組んでおりますし、
町田市では、新型コロナウィルスによる緊急事態を乗り切るために、このまちの歴史的な背景や特徴をかんがみ、「商都まちだ」であることが魅力だと捉え、まちの活気を維持するため、公的支援メニューが無かった中小企業の「家賃補助」に町田市独自の施策として踏み切りました。事業費は10億円でした。
経済対策のみならず、感染拡大防止策として早期に町田市医師会と連携し、事業費約4500万円でPCRセンターを立ち上げるほか、医療崩壊を防ぐために市内4つの東京都指定2次救急医療機関に特別交付金を約2億円支給・町田市民病院には5億円拠出してきました。
子育て世帯への支援として、これまた市独自施策で、ひとり親家庭等の児童を対象に1人2万円の臨時特別給付金を総額1億2500万円支給してきました。
また、約14億円の事業費で、休校を余儀なくされていた小中学校の全ての子供たちのICTを活用した学びを保障出来る環境を早急に整備するため、1人1台の端末、合計2万9500台の整備を前倒しし、加速させてきました。
他市のプレミアム付き商品券の発行や水道基本料金の半額補助といったような突飛性は無いですが、町田市では感染拡大防止の観点や、市の特性や魅力を守るための効果効率的な財政出動であり、規模的にも他市に引けを取らないと思いますが、いかがお考えですか?
答弁1(財務部長)
5月補正予算におきましては、国の緊急経済対策などを活用し、迅速かつ的確に、特別定額給付金や子育て世帯への支援のための給付金などを支給する予算を措置いたしました。
その後の第2次5月補正予算におきましては、国に先駆けて、中小企業者を支援する家賃補助やひとり親家庭等へ臨時特別給付金を支給するなど、市の特性を活かした市独自施策のための予算を措置いたしました。
2度にわたる補正予算については、さまざまな施策について効果的・効率的であると同時に、スピード感を持って対応いたしました。
再質問2(厳太郎)
効果的・効率的な財政出動であったということですね。
では質問を続けます。
一方、東京都の特別区である人口40万人の品川区では、外出自粛要請等に伴う負担の軽減と、区全体の活力を取り戻すため、区民全員に対し、1人当たり3万円、中学生以下は1人5万円を給付する議案を6月25日の区議会に上程するそうで、その予算額は135億5000万円となっています。
町田市と品川区とを比べてみますと、品川区は特別区である事から区民からの区税以外にも特別区財政調整交付金や国・都支出金だけで年間850億円以上収入があることから、単純に比較することは難しいですが、人口は町田市43万人弱、品川区40万人と同規模です。
仮に町田市が品川区と同様の施策を取れば、その予算規模は150億円程に膨らむと思います。
町田市の貯金である財政調整基金の残は44億円であることから、同様の施策は不可能だと思われますし、今後想定される新型コロナウィルスの「第2波」や大規模災害などの不測の事態が発生した際の備えとして危機管理の観点から確保しておくべきと考えますがいかがでしょう?
事態が流動的であることを踏まえて、予備費を潤沢に用意することが重要だと思いますがいかがでしょう?
答弁2(財務部長)
予備費につきましては、今後想定される新型コロナウイルスの「第2波」や大規模災害などの不測の事態が発生した際の備えとして危機管理の観点から、適正な規模を確保しておくべきと考えております。そのため、第2次5月補正予算にて予備費を1億円予算措置しております。
再質問3(厳太郎)
一般的に財政調整基金は「標準財政規模」の10%が適正と言われておりますし、大規模災害等の予期せぬ事態が発生した場合、発災時の初期対応には被災者1人あたり40万円~50万円の支援が必要だと言われており、国などからの支援があったとしても、スピード感のある救済処置が求められる時のため、ある程度は不測の事態の備えとして確保しておくことが必要だと思います。
これまでに町田市では新型コロナウィルス感染症に対して、2回の臨時議会を通じて様々な対策を講じてきました。
市としては9億円拠出し、その総事業費は約474億円となりました。
こうして見ますと町田市は新型コロナウィルス感染症と言う未知で未曾有な危機に対し、国や都の臨時交付金や特別交付金を即座に活用し、ボリューム感のある効果的で効率的な事業を展開してきたと思います。
市民の中には、他市は消毒液を配ったから町田市も配布しろ!とか、町田市も もっとお金を給付しろ!とか、商品券を配布しろ!とか、一時はマスクを配布しろ!とか、あれもこれも、もっと、もっととおっしゃる方もいらっしゃいます。
議員の皆様もこの間、市民から様々な要望をお聞きになってこられたのではないでしょうか?
仮に町田市の貯金である財政調整基金を市民の皆様全員に配布するとしても、残額は44億円ですので、1人あたま1万円にしかならない上に今後の第2波や災害に対しての備えが全く無くなります。
町田市も国のようにお金を刷ったり赤字国債を発行したりする「通貨発行権」があるのなら問題ないですが、勿論、通貨発行権があるわけではございませんので、
現在の財政調整基金の44億は備えとして確保しておき、この度のような一朝有事の際にはボリュームがある国や東京都の交付金を速やかに効果的に活用しながら、危機対策予算を編成していくための「原資」としてとらえておく事が今後の町田市民のためになると思いますし、ボリューム感のある財政出動にするためには国費や都費と連携しての効果的な活用が不可欠だと考えますが、いかがでしょう?
今までの国や都の交付金は事業費の10分の10出ることは無く、何割かは市費の出動が要件となっていることから、財政調整基金を今後の町田市の財政出動時の「原資」としてとらえておく事が重要と考えますがいかがでしょうか?
答弁3(財務部長)
今後につきましては、国や都の補正予算などを積極的に活用し、市の特性を活かした市独自の新型コロナウイルス感染症対策を講じることによって、市民の安心な生活や経済活動を支えるとともに、持続可能で健全な財政運営を行ってまいります。
まとめ(厳太郎)
ディズニーランドで有名な浦安市では、前、松崎市長の方針で、いざという時のために財政調整基金を潤沢に積み上げておりました。
浦安市はディズニーランドからの税収に賄われていると思われがちですが、実際は個人市民税と固定資産税が主な税収源です。
浦安市は、東日本大震災の時、市域の86%も液状化現象で大きなダメージを被り、都市基盤の甚大な被害総額は734億円となり、一般会計623億円を上回りました。
市内の家屋7万2000世帯中、半数の3万7千世帯が液状化により傾きました。
国や県からの支出により復興を図る「災害救助法の適用」も受ましたが、
積み上げられていた財政調整基金を活用し、住宅の一部損壊から全壊まで、市独自の支援策を設けて被災者支援に乗り出し、スピード感を持って市民の住環境や生活を再建し、復興・復活させました。
浦安市の近隣の「ある市」は、蓄えがなかったこともあり、復興に相当な時間がかかり、市境の道一本はさんで、あちらとこちらでは別世界の状況となりました。
その市の人口はそれまでの増加傾向から一転し、転出者が増え、数年間も減少傾向となってしましました。
一方、浦安市の住人からは「今まで、こんなにも市境を意識したことはない。」と感謝の声が寄せられたそうです。
今回は質問を通じて、多額の支出が伴った「新型コロナ第1波」後の町田市の財政の状況が健全であることが事実によって示され、今後の財政的な備えや持続可能性もお聞かせ願えました。
国の第2次補正予算や都の6月補正予算もこれからありますので、引き続き、市民のため最大限活用されるようお願いいたしましてこの項目を終了します。
ありがとうございました。