『モノレール新駅を契機とした新たな中心市街地まちづくりについて』町田市の考え方を質問した一般質問の原稿を投稿します。

これは、モノレールの開通に伴い、新駅が登場することを中心市街地の最大の契機と捉え、駅のみでなく中心市街地や市域を変革させ、まちの価値を大きく向上させるためには、民間活力の導入は不可欠であり、そのための規制緩和や減税施策について質問しました。

また、現在の「まちづくり計画」に欠けている県境を越えた相模原エリアも行政区にこだわらず、民間の視点で考え、相模原市も共にやっていこう!と共存共栄を計るよう提言しました

『商都まちだ』が埋没せず、さらに人々から選ばれ続けるよう、素晴らしい発展をすることを目指して質問しました。

 

 

 

2019.6一般質問「モノレールを見越した中心市街地の街づくりについて」

 

厳太郎(壇上)

項目番号3 表題「モノレールを見越した中心市街地の街づくりについて」の(1)モノレール新駅を契機とした新たな中心市街地まちづくりについて町田市の考え方を問う。

 

についてお伺いいたします。

 

近年、周辺都市において、大型商業施設開発や駅前開発が行われるなど、町田市を取り巻く環境は大きく変化しています。

 

また、周辺都市における新たな商業開発は、町田市を訪れる人の数に大きく影響を与えることが懸念されています。

 

これら周辺都市との間で、“商都まちだ”が埋没せず、その優位性を維持し、町田市が選ばれ続けるまちであるためには、いかにして人を惹きつけるかを意識したまちづくりが求められていると思います。

 

その中にあって南町田駅や鶴川駅については、駅を基点とした周辺エリアの再開発が行われ、これから新たな魅力をもって、大きく生まれ変わろうとしています。

 

 

一方、町田駅を有する中心市街地においては、首都圏有数の商業集積都市ではありますが、来街者動向調査の結果を見ますと、昨今、来街者の減少傾向がみられたり、商業のかげりが見え始めたり、していると言われ始めました。

 

そのため、地元の中心市街地活性化協議会と「町田市中心市街地まちづくり計画」を策定し、「夢かなうまち」に向けたまちづくりが再スタートしているところであります。

 

その過程において、多摩都市モノレール延伸は、中心市街地に新たな活力をもたらす起爆剤として大いに期待しているところです。

 

そこで、モノレールの新駅を契機としたまちづくりをどのような考え方で進めようとしているのか確認したいので、現状のお考えについてお答えください。

 

 

 

<都市づくり部長答弁>

多摩都市モノレール町田方面延伸は、中心市街地の新たな姿を描く絶好の機会となると考えております。

中心市街地は、広域的な拠点としてのポテンシャルが飛躍的に高まることを契機に、多様な過ごし方ができるまちに生まれ変わることを目指してまいります。

3つの駅が混じり合う新たな駅空間を、単なる交通処理の場として捉えるのではなく、人が集い、憩う空間と捉え、駅とまちなか、あるいは芹ヶ谷公園やシバヒロ、さらに周辺へと有機的につながった、新たな交流や活動を生み出していく拠点としてまいります。

変革の大きなチャンスを、質の高いまちづくりに結び付けていくためには、交通事業者や駅周辺の施設管理者はもちろんのこと、住んでいる人、まちで活動する人、訪れてきた人、町田に興味関心のある人、多くの人達と新しいまちをつくっていきたいと考えております。

 

 

 

厳太郎【再質問1】(具体的イメージ)

モノレール新駅ができたときの交通ターミナル機能の拡充により、町田駅を訪れる人の移動の快適性を高めていくことは当然必要になると思います。

 

同時にこれから先の中心市街地は、駅のみ考えるのではなく、駅周辺も含めて考えることが必要だと思います。

 

まちなかには個性あふれる商店街がありますが、より一層、人を惹きつけるための新たな魅力を常に創出していく必要があるとも思っています。

 

また、通勤通学での電車の乗り換えの為だけで、素通りしてしまうのではなく、まちなかにどのように誘導し、回遊性を高めていくかが中心市街地活性化のカギになると考えます。

 

そこで、モノレールを契機とした町田駅周辺の具体的な取組みやイメージについて伺いたいと思います。

 

 

再質答弁1 都市づくり部長

町田の中心市街地のひとつの大きな魅力として、様々な個性あふれるエリアが混在していることが挙げられます。

新たなまちづくりを進めていく視点としては、こうした町田らしさはそのままに、空間と歩行者動線のネットワークで人とまちをつないでいくことが挙げられます。

新たに整備される3つの駅が交わる空間を、様々な人々が集まるプラザのような広場に見立て、そこから、まちの様々なエリアに自然につながっていく、そこには、緑や居心地のいい溜まり空間が点在しており、そこからまちの賑わいや新たな交流が生まれていく、そんなイメージを持っております。

 

 

厳太郎【再質問2】(中心市街地活性化奨励事業)

先般、「中心市街地活性化奨励事業」が発表されました。

 

これは、1000席以上の映画館、1500席以上の劇場・音楽堂、客室数が100室以上のホテル等が中心市街地に進出してくれた場合、固定資産税を5年間で最大5億円まで減免したり、建物の容積率を緩和したりする制度です。

 

これ以外にもシェアオフィス、サテライトオフィス、共同荷さばき場、といったものにも、土地の賃借料相当額や固定資産税等を減免することで、民間の投資を呼び込むきっかけを創出する制度です。

 

壇上でもお伝えしましたが、中心市街地の市民からは、多摩境、南町田、鶴川と着々と新たな魅力創出に動いていた行政が、やっと中心市街地の活性化に腰を上げてくれたと、歓迎の声が上がっています。

 

この「中心市街地活性化奨励事業」は民間事業者の投資性向や土地投資利回りについて他市との比較や、様々な角度から研究し、ターゲット企業をある程度定めて事業化された事業だと私は予想しますが、どのような経過を経て、事業化が実現されたのですか?

 

 

再質答弁2 経済観光部長

この奨励制度を設けた目的は、新たな賑わいと交流を創出する施設の整備を奨励することによって、民間の投資を呼び込む契機とし、官民で更なる中心市街地の活性化を図ることです。

制度設計にあたっては、中心市街地に求められる機能や役割をもとに施設を検討しました。

例えば、中心市街地で「楽しむ」ためには、映画館や、劇場やホテルといった施設が必要であり、中心市街地で「働く」ためには、ワーク・ライフ・バランスの実現に寄与するシェアオフィスやコワーキングスペースが必要であると考えております。

 

 

 

厳太郎【再質問3】(民間活力導入・「規制緩和」や「減税政策」)

今後モノレール開通や、新駅の登場は中心市街地にとって最大の好機となりますでしょうし、町田市全域のブランド力の向上にまたとない機会となることと思います。

 

これらを見越し、新たな民間活力の導入のきっかけとなり、市内全域の経済効果を高めて行くような、「規制緩和」や「減税政策」を今後も打ち出していっていただきたいと考えますが、いかがでしょう?

 

大きく中心市街地の様相が変化するであろう、新駅を契機とした新たな街づくりには民間活力の導入や、多くの関係者の協力が不可欠となると思いますが、そこで、関係者との協力体制構築の進捗状況はどうでしょうか、またどのように進めるのでしょうか?

 

 

 

再質答弁3 都市づくり部長

議員がおっしゃるとおり、モノレール新駅を契機とした新たなまちづくりを進めていく上では、民間活力の導入は必要不可欠です。

 

今後新たな中心市街地の在り方の検討を進める中で、例えば、新たな事業者が進出しやすくするための都市計画上の規制の緩和や現在の中心市街地にない機能を政策的に誘導するための新たな制度の導入の検討は必要であると考えております。

様々なステークホルダーを巻き込んだ中心市街地のまちづくりについてですが、まずは、まちの将来像をしっかり描くことが重要だと考えております。

それは、社会経済の大きな変化や、人々の価値観やライフスタイルが変化する中でも選ばれるまちとなるために、大胆かつ斬新であると同時に、市民や事業者の誰もが目指すべき将来像として共感・共有できるものでなければならないと考えております。

どのような空間構成やデザインを目指していくべきかというストーリーをしっかり共有した上で、関係者が一堂に会して議論していく場である「駅まちマネジメント会議」を今年度立ち上げ、その中で具体的な検討を進めてまいります。

 

 

 

厳太郎【再質問4】(神奈川エリアの考え方)

関係事業者や関係者を一堂に「駅まちマネジメント会議」を立ち上げ、検討を加速させていく、とのことですが、

1日に50万人が行きかう首都圏有数の交通ターミナルで、今後モノレールが入ってくるであろう中心市街地は、バスターミナル機能の再構築や、モノレールと小田急、JRの2駅との接続、連絡方法などの課題もあります。

 

また中心市街地やその隣接にも大きな団地があり、その再生についてもこの機に議論していくべきと考えます。

 

さらにあえて提言させていただければ、境川の先の神奈川エリアについての考え方をお示しいただきたいと思います。

 

このエリアは行政区としては町田市ではありませんが、生活者の視点では中心市街地に居住する住民であります。

 

当然立地する事業者にとっても多摩都市モノレール新駅を含む三駅が基点となります。

 

中心市街地に参入を検討する民間事業者にとっては、行政区の観点で見るよりも、神奈川エリアを含めて商圏として投資効果を予測します。

 

相模原市の市長が変わり、変化が起きた今だからこそ、相模原市にも積極的に協力を仰ぎ、交通インフラの整備を進めるとともに、両市で共存共栄を図る事が中心市街地の魅力向上に資すると思いますし、中心市街地のみならず、相模原市、町田市両市の発展に寄与すると思いますがいかがでしょうか?

 

今後の中心市街地を構想するには、当然含むべきエリアである事を意識した計画策定が必須でありますし、現在の「まちづくり計画」に欠けている部分だと思いますが、町田市はいかがお考えですか?

 

 

 

再質答弁4 都市づくり部長

神奈川エリアの多くの方にも、行政区分とは関係なく、町田の中心市街地をご利用いただいており、これからの中心市街地を考える上で、商圏、生活圏などの広域的な視点は重要であると考えております。

現在、中心市街地への南の玄関口として設えるため、JR町田駅の南地区では、市街地再開発事業等の検討を進めております。

また、神奈川エリアからのアクセス性向上のため、町田都市計画道路3・3・7号原町田川崎線の整備に向けて、東京都、相模原市と協議を進めております。

これらの取組みも含め、中心市街地は町田市内だけではなく神奈川エリアからこれまで以上に多くの方を迎え、生活の場、文化情報の発信の場など、様々な交流の場として、活気あふれる賑わいのあるまちを目指してまいります。

 

 

 

厳太郎【再質問5】(民間活力の導入・投資予算の回収)

先程もお話ししましたが、現在の中心市街地の商業施設は、郊外型の商業施設に商圏を奪われている状態であり、従来の商店はもとより、大型商業施設にとっても非常に厳しい業績見込みになっており、再投資へ二の足を踏む状態にあると思います。

 

この商都町田を復活させるには、新たなビジネスモデルを再構築する取り組みを、企業と行政が一丸となって進める事が必要だと思います。

 

郊外型の商業施設の台頭はもとより、千代田、中央、港区エリアに着実に進行している再開発に伴い、周辺都市の駅前地区は、都市間競争力が弱まってきていると思います。

 

あるいは首都圏より遠く離れた地方都市は、「地方の首都」という役割を担う商業都市機能を模索しています。

 

これらとは異なる存在感を示す事が出来るかが、まさに今回のまちづくり計画の根幹であると確信しています。

 

新たなまちづくりを進めていく上での行政側の視点として、行政は投資をしてそれで終わりではなく、その投資がどれだけ民間の投資を引き出すことにつながるか、といったことや、どのようにまちの魅力の向上につながるかということを意識することが重要であると考えています。

 

昭和50年代にさかのぼれば、町田市の中心市街地への投資の累計は約600億円ともいわれています。

今後取組を進めていく上では、これらの投資を回収するという視点も必要だと思うがいかがでしょうか?

 

 

再質答弁7 都市づくり部長

今後の、価値が多様化、複雑化していく成熟社会を見据え、都市基盤整備は、都市機能の更新のみならず、利便性や快適性の向上、ひいては、町田の独自の魅力の創出といった、質や価値の向上につながるものでなければならないと考えております。

整備した都市基盤が、周囲の環境と一体となり、新たな民間の投資を喚起し、それが、まちの多様性や活力へと結びついていくことが重要です。

そのためには、中心市街地がこれまで育んできた魅力を継承し、今後大きく変わる環境の変化を的確に捉えた個性と魅力あふれる中心市街地のまちづくりを目指してまいります。

 

 

 

厳太郎【再質問8】(民間事業者の「夢」・投資すべきまち)

縷々お聞かせいただきましたが、今後は関係事業者や関係者を一堂に「駅まちマネジメント会議」を立ち上げ、検討を加速させていく、とのことですが、私はポイントとして民間事業者が投資したくなるような「まちづくりのビジョン」が必要だと考えています。

 

民間事業者が町田市を投資対象として見ることが出来なければ、町田市の未来は暗いと言わざるを得ません。

 

「駅まちマネジメント会議」や積極的なリサーチにより、民間から見て、投資すべき町として認識するよう、民間事業者の「夢」を最大限引き出せるような努力をお願いしてこの項目を終わりたく思います。