島根県 出雲市に「観光事業」と「定住化政策」について視察に来ました。

 

 

 

町田市は60年前の市制施行以来、当時の人口6万人から現在の42万7千人と右肩上がりの一本調子でずっと人口増加をしてきましたが、

 

ついに昨年、人口の自然減が上回り、市制施行以来初めて人口が僅かですが減少しました。

 

町田市は全国レベルではトップクラス、東京都でナンバー1の年少人口の転入率を維持し、

 

ファミリー世帯層に大人気とはいえ、
ついに総人口は予想より早く減少へと転換しました。

 

また、町田市でも観光コンベンション協会等を通じて観光事業にも力を入れてはいますが、

 

他市に比べてことさら目立っているような施策があるわけでもなく、


先進事例があるわけでもないのが現状です。

 

 

 

そこで伝統があり、歴史深く、観光の名所でもある「出雲大社」をゆうし、

人口増加を遂げている出雲市で勉強させていただきました。

 

出雲市は平成17年・平成23年の合併により、2市5町からなる新しい出雲市となりました。

 

地理的には北に日本海、南に宍道湖の位置にあり、
面積は東京23区全てとほぼ同じの624.13平方キロメートル。

 

人口17万5000人で国内では珍しい人口増加のまちです。

 

出雲市を選び定住してる外国人も増加し、市内人口の内5000人が外国人です。

 

出雲市は「神話の国 出雲」として全国に知られているように出雲大社、須佐神社、西谷墳墓群、荒神谷遺跡ほか豊富な歴史・文化遺産に恵まれ、
古代史文化のシンボル的な空間を形成しています。

 

 

一般的には10月を昔の言い方ですと「神無月」(かんなづき)と呼びますが、

 

神々が集まる出雲の地では、旧暦10月を「神在月(かみありづき)」と呼んでいるそうです。

 

出雲市の観光事業についてと、定住化政策について、それぞれ「出雲市観光課」、「出雲市縁結び定住課」の方々から学ばさせていただきました。

 

 

出雲市の年間観光入込客数は1200万人
年間市内宿泊者数80万人
年間外国人宿泊者数1万人です。

 

大変多くの観光客に来ていただいていて羨ましく思う程ですが、

 

出雲市では観光客数の割には宿泊者数が少ないことを課題ととらえ、


市内通過型観光から滞在型観光への転換をはかるべく、観光事業に力を入れています。

 

観光名所の出雲大社+αのコンテンツを掘り起こし、以下の3つのプロジェクトで成功をおさめています。

 

日御碕(ひのみさき)周辺の魅力アップ(3つのプロジェクト)
①日本遺産「日が沈む聖地出雲」の認定!

 

②日本ジオパーク「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」認定!

 

③「大山隠岐国立公園」のナショナルパーク認定!

 

と矢継ぎ早に各種認定を受けることに成功し、
出雲市の『日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日巡る~』といった新たなブランディングにも成功しました。

 

また観光アドバイザーを招致したり、地域限定旅行業の免許を取得したり、して体験型旅行商品の開発を独自に自ら行いました。

 

それ以外にも出雲の海外での認知度を上げるため、YouTubeを活用した動画配信をし、
それまではローマ字で『IZUMO』と検索すると自衛隊の護衛艦しか出てこなかったという課題を解決しました。

 

そして更なる観光客数の誘致を目指し、各種補助金を充実させています。

 

例えば平成24年の「古事記編纂1300年」及び平成25年の「出雲大社平成の大遷宮」を機に、
地域の魅力ある歴史文化を活用した観光客をおもてなしする誘客事業支援補助金や、

 

新たな宿泊施設の建設、又は既存の宿泊施設の増改築を支援する宿泊機能強化補助金などがあり、
増改築を促進し、市内ホテルの宿泊収容人数の増加に成功しています。

 

「定住化施策」を担当するのは、ユニークな名前の「出雲市総合政策部 縁結び定住課」です。

 

縁結び定住課では、
①出雲の真のブランド化
②定住促進・支援
③縁結び(結婚対策)
の3つの事業をすると共に、これらを絡めながら出雲シティセールス事業として効果的にPRしています。

 

 

 

タレントのはるな愛さんを出雲観光大使に起用したり、
「ナインティナインのお見合い大作戦」に協力したり、
シンガーソングライターの竹内まりやさんによって故郷出雲の歌「うつくしきわが出雲」を発表したり、しました。

 

それ以外にも
出雲縁結びプロジェクト事業、
出雲定住促進事業、
出雲大好きIターン女性支援事業、
移住促進住まいづくり事業、
等々とても多くの事業に次々と取り組んでいて実績を上げています。

 

それぞれの事業に補助金を助成することにより、外部からの定住者誘致のきっかけとしているのだなと思いました。

 

この度、出雲市を視察させていただいて、観光施策であろうが、定住化政策であろうが、思い付く事は全て自ら積極的に取り組む姿勢に感銘をうけました。

 

人口減少社会への危機感をきちんと持ち、沢山の施策を産み出し、実現するには必ずやり遂げようとの情熱と、ある種の「遊び心」が必要不可欠なのだと感じました。

 

どんな事業でも、とかくやらない言い訳作りに終始したり、
企画の段階で理屈を求め過ぎてスタートもきれない事こそが勿体無い事なんだと思います。

 

この度、学んだことを必ずや町田市制の前進に役立てようと思います。