本日は三多摩議員連盟主催の勉強会が立川でありました。
第1講座 『防災対策について』
第2講座 『がん対策について』
第1講座「東京都における最近の防災対策」は講師として、東京都総務局 総合防災部 防災計画課長であられる若井太郎先生から地域防災計画について教えていただきました。
地域防災計画は東日本大震災の教訓や南海トラフ地震の影響をふまえて度々修正されてきました。
更に熊本地震の教訓や女性や要配慮者の視点を重視され、平成31年の夏頃に修正される予定です。
防災事業の緊急総点検の結果 、 重点的に取り組む12分野が決まりました。
①タイムラインの普及拡大
②調整池の加速的な整備
③豪雨における土砂災害対策
④ブロック塀の安全対策
⑤災害拠点病院等における震災対策
⑥災害発生時における停電対策
⑦防災意識向上のための新たな普及啓発
⑧防災情報のワンストップ化
⑨都民が危険を判断できる情報の発信強化
⑩外国人への情報発信強化
⑪避難所の快適性向上
⑫初動体制の充実・強化
です。
時代の変化を受けてAIやVR、多言語化、SNS、アプリ等の言葉がちりばめられてましたが、防災対策の基本は『英知の結集』と『人の力』だと思います。
高齢化社会の中で、如何にマンパワーを集められるのかについても考え方をうかがいたかったです。
それと以前の勉強会でもありました、東日本大震災時の東京都の課題として、携帯電話がつながらない現状にたいして、携帯電話三社に機能ダウンしない取り組みを求めてきましたが、その進捗もうかがいたかったです。
第2講座として「東京都のがん検診の現状と課題」と題して、東京都福祉保険局 保険政策部 健康推進課長であられます、中坪直樹 先生から教えていただきました。
がん検診は区市町村事業です。
当然ながら早期発見は死亡率を下げます。
がん検診の目的は「がんを早期発見し、適切な治療を行い、がんによる死亡率を下げる」事です。
がん検診は通常健康な方々が受診するもので、1000人検診しても1人見つかるかどうかです。
死亡率を減らすためには、科学的根拠にのっとった有効な検診を、精度管理された高い質で、多くの人による高い受診率によって、成り立ちます。
現在、がん検診は、
50歳以上は2年に1回、内視鏡・エックス線による胃がん検診
40歳以上毎年、便潜血検査による、大腸がん検診
40歳以上毎年、胸部エックス線検査による肺がん検診
50歳以上で喫煙指数600以上の方に肺がん検診
40歳以上2年に1回、マンモグラフィによる、乳ガン検診
20歳以上2年に1回、細胞診検査による子宮頸がん検診
があります。
口腔がん検診や前立腺がん検診は、やればやるほど発見率はあがりますが、死亡率減少効果は明らかではないため東京都では推奨されていません。
東京都ではがん検診の集団検診の実施率では軒並み最下位です。
受診率を向上させる取り組みは当然ですが、今回新たに教わったことは、
『質の悪い検診は何もしないより悪い』
『検診の価値があるとしても、きちんと行われた時のみである』
『科学的根拠があるとしても、きちんとおこなわれなければ不利益をもたららし、利益はほとんどない』
とのことでした。
東京都ではHPで厚生労働省から求められているチェックリストの調査結果を公開していく予定です。
市町村が実施するがん検診の受診率向上に加え、『質の向上』にもしっかり目を光らさなくてはならないと感じました。