2018.9一般質問                  町田市議会議員 渡辺 厳太郎

 

表題; 「静かな空は返ってきたのではないか?」

要旨; 基地問題は日本の安全保障や外交に関わる重要事項であるため、「静かな空を返せ!」と繰り返し叫ぶだけでは騒音解消に何の効果も無い。

重要事項であるからこそ、互いに良い関係を築き、ただ主張するだけではなく、代替え案を示しながら理解や協力を促し、時間をかけて交渉しなければならない。

この度、長年の交渉により米海軍第5空母航空団が岩国に移転され、ジェット機騒音がゼロになった。

現在の良好な関係を維持発展させるため、町田市の防災訓練に厚木基地の米軍や海上自衛隊の第4航空群の参加を促してはどうか。

 

 

質問(厳太郎)

通告に基づき、一般質問を致します。

項目番号1 表題 「静かな空は返ってきたのではないか?」

についてお尋ねします。

 

今日まで長年、厚木基地 周辺住民は、ジェット機騒音被害や航空機事故への不安など、計り知れない程の大きな影響を受けてきました。

 

厚木基地などの、日米安全保障条約に基づいて日本に駐留する米軍の問題は、外交や国防の領域として、一義的には日米両国政府間で取り扱われるものであります。

 

しかしながら、厚木基地による様々な影響を受ける町田市では、市民の負担軽減に向けて全力で様々な取り組みを進めており、防衛省や外務省などへの要請活動や、航空機騒音の測定、国内外の情報の収集・分析を行うほか、直接、米側へも要請など行ってきました。

 

行政としても、現在、関係国会議員を顧問とし、神奈川県知事のほか、9つの周辺自治体の市長、市議会議長、県議会議員を会員とする「厚木基地騒音対策協議会」が昭和63年に設立され、国や国会、米軍に対し要請活動をしてきました。

 

また、議会としましても、周辺の8市の市議会議長や市長からなる「厚木基地周辺市議会 基地対策協議会」を設立し、東京都と神奈川県選出の国会議員や都議会・県会議員のご協力のもと、広く内閣総理大臣や、総務大臣、財務大臣、外務大臣、防衛大臣、環境大臣、在日米海軍司令官、在日米海軍厚木航空施設司令官に要望活動をしてまいりました。

 

これら要請活動や要望活動を通じて、様々な協議がなされ、平成5年4月には硫黄島がNLP(夜間連続離発着訓練)の暫定施設としてアメリカ側に全面提供されました。

 

その後、平成7年以降は、NLPの約90%は硫黄島で実施され、NLP期間中の騒音測定回数は大幅に減少しました。

 

以降、硫黄島は硫黄、塩害、地熱などがきつく、ずっと飛行機を置いておけない等の理由により、NLPや、空母艦載機着陸訓練であるFCLP専用の施設としての位置づけとなりました。

 

NLPはその訓練の特殊性から他に比類ない激烈な騒音を発生させます。

特にジェット戦闘機のNLPの騒音は凄まじく、家庭の団欒、休養、睡眠などの家庭生活の主要な時間帯に、集中的にかつ、長時間にわたって行われることから、市民に計り知れない苦痛を与えます。

 

米軍がNLPで硫黄島を使用するようになると、厚木基地周辺での騒音件数は大幅に減少しましたが、硫黄島周辺での天候不良の時や空母の寄港時には厚木基地でNLPや通常の離着陸訓練が行われ、以前のような騒音が発生し苦情が寄せられました。

 

そこで平成17年「在日米軍再編協議」において空母艦載機の移駐案が合意され、翌平成18年には「再編実施の為の日米ロードマップ」(最終報告)が公表されました。

また、同年「在日米軍再編に関する基本方針」が閣議決定されました。

その在日米軍再編のロードマップによりますと、平成29年頃までには、アメリカ第5空母航空団が山口県岩国基地に移駐されることが取り決められました。

 

それらに基づき、昨年から空母航空団は順次岩国に移駐が開始され、今年3月には完全に移駐は完了しました。

 

ちなみに、移駐に先立ち、受け入れ側の山口県知事・岩国市長は防衛大臣と面会し、空母艦載機移駐容認を伝えております。

 

さて、私は生まれも育ちも町田市で、厚木基地から北に10キロの位置に住んでいます。

 

我が家は厚木基地に着陸する飛行機の最終侵入区域(ファイナル アプローチ コース)の下ですので、爆音の環境下で青春時代を過ごしました。

 

当時はファイナル アプローチ コースにジェット機が侵入すると逆噴射をしてスピードを落とすために、その下の住人は騒音に苦しめられる、と聞いていましたが、これは都市伝説でして、正確には、飛行機は着陸時に、高揚力装置であるフラップと、ギアと呼ばれる車輪を出しますので、空気抵抗が増え、スピードが落ちます。

失速させず、揚力を稼ぐためにエンジン出力を60から70%のパワーまで上昇させる為、騒音値が一気に上がるそうです。

その爆音の環境下である、最終侵入区域の下で私は育ってきました

 

特に夏はガラス戸をあけ、網戸にするため当然会話やテレビ鑑賞、あるいは授業等は成り立つ訳がありませんし、

地方や都心から親戚が来た際にはビリビリと音を立てて振動するガラス戸にかなり驚いていました。

 

学生時代、校庭で部活している時も、学校で勉強している時も、アルバイトをしている時も、自宅や塾で受験勉強している時も、寝ている時も、厚木基地に着陸する戦闘機がひとたび飛来すると、轟音がとどろく環境で生活してきましたので、本年空母航空団の移駐が完了し、

本当に、今年の夏は何と静かな晴天の空の下なのだろうと、しみじみ思いました。

 

また、一方、人はうるさく感じると「うるさい!」と言いますが、逆に静かになると「いやー静かになったね!」とは以外にも案外気がつかない面も持っています。

 

そこで質問です。

項目番号1 表題 静かな空は返ってきたのではないか?

(1)航空機騒音の苦情件数の推移は?

 

≪政策経営部長 答弁≫

項目1の「静かな空は返ってきたのではないか?」の(1)の「航空機騒音の苦情件数の推移は?」について、お答えいたします。

2018年3月に米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐が完了し、市民からの町田市への苦情件数は減少しております。

移駐完了後の4月から7月の4か月間について、2015年度以降の苦情件数の推移を比較すると、2015年度は252件、2016年度は722件、2017年度は448件、そして移駐が完了した2018年度は122件と減少しております。

 

 

再質問1(厳太郎)

苦情件数が大幅に減少していることが解りました。

 

確認ですが、今ご答弁の苦情件数はあらゆる騒音に関する苦情件数で、ジェット機騒音への件数ではないですよね?

移駐後、厚木基地ではジェット戦闘機の離発着は行われていないのでジェット機騒音苦情の実数はゼロかと思います。

本年の122件はジェット機以外の騒音苦情ですね!

 

町田市の近年の状況は解りました。

それでは、ここで資料2をご覧ください。

 

 

これは、平成29年10月24日に開催された厚木基地騒音対策協議会において示された資料です。

このグラフは厚木基地での空母艦載機着陸訓練時間中の騒音測定回数、及び苦情件数のグラフです。

横軸が年度でして、縦軸の折れ線で騒音測定回数、棒グラフで苦情件数を表しています。

 

このグラフでは平成5年、硫黄島にNLPを移してから、圧倒的に騒音測定回数が減少していますが、厚木基地でFCLPが行われた年に苦情が特出していることが解ります。

 

では資料3をご覧ください。

 

 

これは年間苦情受付件数です。ジェット機騒音以外の騒音苦情もカウントされており、単純に苦情受付件数をグラフにしたものですが、NLPの90%が硫黄島に移った平成5年以降も苦情件数は減っていません。

 

これら2つのグラフを見ますと、昨年まで、

①ジェット機騒音回数は大幅に減少傾向である事。(今年は無くなったよ)

②厚木基地でFCLPを行った年に増えるには増えるが、それ以外の苦情もかなり多い事。

が解ります。

つまり、これは周辺人口が増加し、苦情を言う人数自体が増えた事。

また社会の変化で役所に苦情を言うという行為自体をする人が増えた事だと思いますが、いかが思いますか?どのように感じますでしょうか?

 

≪政策経営部長 答弁≫

町田市の苦情件数は、2007年度には383件でしたが、10年後の2017年度は931件と、2倍以上に増加しております。苦情件数の増加理由について分析を行っていませんが、議員のおっしゃるとおり、人口の増加は苦情件数の増加の一つの要因であると思われます。

また、一度市役所にご連絡をいただいた市民の方からは、その後続けてご連絡をいただくことが多いことも事実です。

 

再質問2(厳太郎)

苦情の常連さんがいらっしゃることが良く解りました。

それでは、今年3月に厚木基地の空母航空団が岩国に移駐完了し、ジェット機騒音回数が減少したことにより、町田市民からはどのような声が上げられていますか?

 

≪政策経営部長 答弁≫

町田市では、市内5か所で騒音を測定しておりますが、このうち、騒々しい工場内の音と同程度である90デシベル以上の騒音の発生回数について、移駐完了後の4月から7月の4か月間を2015年度以降で比較しますと、

2015年度は289件、2016年度は335件、2017年度は177件でした。そして移駐が完了した2018年度は24件であり、発生回数が大幅に減少しております。

そして、今年度に入ってからは、市民の皆様から電話などでご意見を承る際に、「米軍機の騒音回数は以前と比べ随分減っていると感じる」といったお声をいただくようになりました。

 

再質問3(厳太郎)

それは大変良かったです。

ひとたびジェット機騒音が発生しますと役所中の電話が鳴って、仕事にならないこともあったかと思います。

 

苦情電話が入らないことにより、市役所職員の労働生産性の向上にもつながりましたね。

 

移駐の実現は、これまで空母艦載機の騒音により耐え難い苦痛を強いられてきた多くの市民にとっての悲願であり、町田市が米軍及び国に対して、厚木飛行場周辺市とともに行ってきた、長年にわたる地道な要請活動が実を結んだものですよね?

 

市民から静かになったと声が寄せられるのは大変喜ばしいですが、壇上でも言いましたが、人はうるさく感じると「うるさい!」と言いますが、逆に静かになると「いやー静かになったね!」とは以外にも案外気がつかない面も持っています。

 

ではこの際、長年の地道な要請活動が実を結び「静かな空は返ってきた宣言」をしちゃえばどうでしょう?

町田市のジェット機騒音のイメージを払しょくし、より住みやすい街になったとシティセールスをしてみてはいかがでしょうか?

 

≪政策経営部長 答弁≫

これまで、移駐の進捗状況や騒音の減少について、広報紙や市HPで市民の皆様にお知らせしてまいりました。米海軍のヘリコプター部隊はこれ以後も厚木基地に残留する等、今後の厚木基地の具体的な運用には、いまだ不明確なところがありますので、どのようにシティセールスしていくかを考えてまいりたいと思います。

 

再質問4(厳太郎)

ヘリコプター部隊が残留するため、慎重になっているとのご答弁かと思います。

私は先日、陸上自衛隊の富士総合火力演習に行ってきました。演習では目前に多数のヘリコプターが飛び交っていましたが、ジェット戦闘機の騒音に比べれば、そよ風程度にしか感じませんでした。

 

実際、本年3月をもって50機以上のジェット機である空母航空団が岩国に移駐し、インターネット上の「町田・相模大野駅 周辺暮らし情報」等では、騒音が減り大幅に住環境としての魅力が高まった!と取り上げられています。

 

人は関心がある時や変化が起きた時に、イメージを強く持ちます。

 

町田市のホームページに少し掲載しているだけでなく、

この静かになったタイミングで、広報や垂れ幕、横断幕を活用し、長年の努力により「静かになった」と宣言すれば市民は町田市の努力に関心を持って心の中で拍手を送ってくれると思いますがいかがでしょう?

 

現実として今現在、静かな空は帰ってきています!

 

時期を逸することなく、速やかで効果的な広報をすることこそが、市民に当事者意識を伴いさせ、都市に対する誇りや愛着といった、「シビックプライド」に繋がると思いますが、いかがでしょう?

 

街を自慢するだけでなく、街のことを自分のこととして喜ぶ、自分のこととして誇りに思う為には、ある種の当事者意識が必要です。

 

市民に町田市に対する誇りや愛着といったシビックプライドを持っていただき、さらに醸成させ育てていくためには、誰もが潜在的に持っているであろう「誇り」や「愛着」を共有し、目に見える形にすることが大切です。

 

今回の静かな空が返った事も、目に見える形で、広く市民と共有し、町田市民の「シビックプライド」にしていくべきと考えますが、いかかでしょう?

 

例えば今年3月に小田急線がダイヤ改正を行い町田~新宿間が大幅に早くなりました。

今までの49分から37分になり、町田市の住環境としての魅力が向上しました。

 

これに対して小田急電鉄は神奈川中央交通のバスにデカデカと「新宿まで49分→37分」と宣伝してあります。

 

これを日頃乗降しながら目にしている市民は、潜在的に意識の中に入り、他の自治体に住んでいる友人等に「今住んでいる町田から、都心まで何分?」と聞かれたら、「30分ちょいだよ!」と答え、ゴミゴミせず、緑豊かな住環境で、都心にもアクセス良い立地を誇るでしょう。

 

市民の町への愛着や誇りと言ったシビックプライドの醸成のためにも、時期を逸することなく、変化が起きた今のタイミングで

「長年の努力により、年間ジェット機騒音●●●回→ゼロ回!静かな空が戻りました!」

と目に見える形で情報を発信し、共有する事が、市民の街への誇りにつながる情報提供だと思いますが、いかがですか?

 

≪政策経営部長 答弁≫

議員からお話しいただいたとおり、市民が街に愛着や誇りをもっていただくことは大変重要だと考えております。

厚木基地の今後の運用が明確になっていない現在は、「静かになった空」をいかにシビックプライドにつなげていくか、ということを、これからの研究とさせていただきたい。

 

再質問5(厳太郎)

もうひとつ提案させていただきたいのですが、

空母航空団を受け入れてくださった山口県岩国市との自治体間交流を深めてみてはいかがでしょう。

基地を持っている自治体は平時には各種厳しい問題もありますが、災害時には非常に頼れる存在です。

人口過密地である厚木基地周辺から、在日米軍再編計画にのっとり、空母航空団を受け入れて頂いた岩国市とこれを機に物産展を互いの市で開きあうなど、交流をしていくというのも両市にとってメリットになる事だと思いますので、ご提案しておきます。

 

再質問6(厳太郎)

私は、以前から「静かな空を返せ!」ばかり繰り返し叫び続けたって、そんなものはほとんど何の効果も無いと思ってきましたし、街頭でも訴えてきました。

当然のように基地問題は日本の安全保障や外交に関わる重要事項です。

何の意味も無く基地は厚木にあって、騒音を出しているだけの施設なわけがないのです。

 

座間市の遠藤市長が、当時の在日米軍厚木基地の司令長官であるガードナー大佐に面会に伺った時の事ですが、基地のゲート付近である団体が「基地は出て行け!」などと書かれた横断幕やプラカードを持って、大声でシュプレッヒコールを叫びながら、大きくデモをしていました。

 

遠藤座間市長は、ガードナー司令長官と面会した際に、建設的な話し合いがしたかったため、

まず最初に、はるばる故郷をはるか離れ、日本の国防の一翼を担っていることへの感謝と、デモの事で気を悪くしないでほしい。とご挨拶をされました。

 

それに対して、ガードナー司令長官は「自国アメリカでも同じですよ。あのような方々も全員守るのが私どもの仕事です。そのためにこの制服を着ているのです。」と笑顔でお答えされました。

また会合の中で、「国籍は異なりますが、同じ地に生活する者同士最大限協力していきましょう」とも発言されています。

 

その会合は終始建設的な意見交換の場となりました。

 

先程もお伝えしましたが、私は、基地問題は日本の安全保障や外交に関わる重要事項ですので、「静かな空を返せ!」ばかり繰り返し叫び続けたって、そんなものはほとんど何の効果も無いと思ってきました。

 

(資料1)をご覧ください。

日本の国民の国益を守るための優先事項である防衛計画は、これだけ複雑な代替え案や国境を越えた再編プランをもってなされています。

「静かな空を返せ!」の一言で済むわけ御座いません。

 

重要事項であるからこそ、きちっとお互い顔の見える関係になり、良い関係を築き、膝を付け合わして話し合い、ただただ主張するだけではなく、代替え案を示しながら理解や協力を促し、時間をかけて交渉しなければ、効果は出ないものだと思います。

 

今回、ジェット機騒音問題について、町田市が米軍及び国に対して、厚木飛行場周辺市とともに行ってきた、長年にわたる地道な協議や要請活動が実を結んだものと考えます。

 

現在の良好な関係を維持発展させるため、今後、町田市の防災訓練に厚木基地の米軍や海上自衛隊の第4航空群も参加してもらったらいかがでしょう?

 

町田市地域防災計画では災害派遣される自衛隊は、陸上自衛隊第一施設大隊及び航空自衛隊航空総隊司令部となっています。

 

よって、陸上自衛隊は町田市の防災会議や防災訓練に参加して下さっておりますが、厚木基地のアメリカ海軍や海上自衛隊は合同で防災訓練をしたことはありません。

 

町田市とアメリカ海軍厚木基地は2011年の東日本大震災発災直前に災害時応援協定を締結しています。

 

大規模災害時応援協定にのっとり、共に活動する米海軍とも防災訓練をしておくべきだと、思います。

 

1つの自治体をはるかに凌駕する災害時に備えた食料や水、災害用の様々な物資や設備、特殊な資機材を蓄え、それらを扱う即応能力のある人材が揃っており、ヘリコプター部隊を有する、アメリカ海軍と、海上自衛隊最大の航空隊を有し、最大のヘリ部隊を保持する海上自衛隊第四航空群と大規模災害に備えて一緒に防災訓練をしておくべきだと考えますがいかがでしょうか?

 

≪防災部長 答弁≫

災害時応援協定を結んでいるアメリカ海軍厚木基地とは、災害時に支援を受ける関係にあるので、日頃からコミュニケーションをとれるようにすべきかと思っている。

自衛隊については、大規模災害時に市長が都知事に要請し、都知事から自衛隊に災害派遣を要請することになっている。

防衛相では、災害業務計画で東京都と自衛隊との窓口を決めており、町田市では航空自衛隊航空司令部と陸上自衛隊が窓口となっている。

自衛隊で主に想定しているのは陸上自衛隊第一施設大隊の派遣であるため、その第二中隊長に防災会議には来てもらっている。

アメリカ海軍厚木基地や海上自衛隊との合同の訓練については、他市の事例を含めて調べてみたい。

 

再質問7(厳太郎)

防災訓練の参加を要請するだけでもするべきだと思います。

 

以前、海上自衛隊の幕僚の方と防災訓練の参加についてお話をした際に、「確かに大規模災害時には、ここ厚木基地から各種物資を町田市に運ばなくてはならないことが想定出来るが、どのルートでどこに物資を運ぶかが決められてない。是非とも普段から訓練などを通じ検討しておくべきだ!」と非常に前向きなお話しをしてくださいました。

 

また、長年の厚木基地周辺自治体からの要請や要望活動の相手先であった、在日アメリカ海軍のトップである、グレゴリー・フェントン少将とお話しした際に、「在日米軍の防災訓練参加などといった、地域貢献も大切なことだね。」とおっしゃっていました。

 

普段から共に訓練しておかないと、2011年2月24日に町田市とアメリカ海軍厚木基地で締結された「災害時応援協定」が張子の虎になりかねません。

 

静かな空が返ってきた今こそ、今後の関係の強化を図り、さらに顔の見える関係を続け、良い関係を促進し、この町田市の災害対応能力の向上を図ることが大切だと思います。

 

まずは、こちらがどのような防災訓練をやっていて、米軍や自衛隊が、どのような貢献や参加が出来るか見ていただくのが大切かと思います。

ご招待するべきと考えますが、いかがでしょうか?

 

≪防災部長 答弁≫

自衛隊については、基本的には陸上自衛隊第一施設大隊の方に来てもらっている。

米海軍厚木基地については、日頃からのコミュニケーションをとれるようにしておかないと、災害時応援協定を締結していたとしても、いざというときにどう支援を要請するか、うまくいかないと考える。

そのため、まずは定期的に意見交換をして、コミュニケーションをとれるようにしていきたい。その中で、町田市の訓練に来てもらいたいという話もしてみたい。

 

再質問8(厳太郎)

前向きな答弁ありがとうございます。

是非とも実現に向けて宜しくお願いします。

最後に副市長、今日までの交渉経過や、今後お考えのことについてお聞かせください。

 

≪髙橋副市長 答弁≫

航空機騒音等の解消に関するこれまでの町田市の取組を振り返りますと、2008年から毎年、市長と議長が「厚木基地騒音対策協議会」において、基地周辺9自治体とともに、国と米軍に対して、空母艦載機による騒音問題の解消や移駐の実施等を要請してまいりました。

また、2013年から毎年、「厚木飛行場からの空母艦載機の移駐等に関する協議会」において、基地周辺9自治体とともに、国と米軍に対して、移駐を早急に実現し、住民の負担軽減に繋げていくことや移駐に関わる情報提供をきめ細かく行うこと等を要請してまいりました。

こうした取組を通じて、本年3月に、厚木基地から岩国基地へ空母艦載機の全固定翼機が移駐をしました。

一方で、厚木基地のヘリコプター部隊の残留など、今後の具体的な運用は明確になっておらず、また、FCLP、陸上空母離着陸訓練については原則として硫黄島で実施されますが、天候等の事情により厚木基地で実施される可能性があるとされています。

今後は、移駐完了後の厚木基地の運用について、より具体的な説明を国や米軍に対して求めるとともに、引き続き、市民生活に影響を与える航空機騒音が発生することがないよう要請してまいります。

また、さきほど部長からも答弁がありましたとおり、移駐が完了したことにより騒音がなくなり、より一層住みやすいまちになりました。

今後も、「住みたい、住み続けたいまち」となるよう取り組んでまいります。

 

 

まとめ (厳太郎)

何度かご指摘させていただきましたが、「交渉」というのは、普段から顔の見える良い関係を構築し、ひざを突き合わせ協議し、一方的ではない理にかなった主張をしていかなくては、効果がありません。

 

つまり最初から交渉のテーブルに着いていないと、いくら大声をあげても何も効果がありません。

 

大和市ではこんな話がありました。

大和市は米軍に対し、ジェット機騒音に対してはきちんと主張しつつ、お互いお祭りなどの文化交流事業は長年続けていました。

 

そのことにより顔の見える関係となり、米軍は代替え案を受け入れ、騒音激しいジェット機離発着訓練は相当数減少していきました。

 

しかし、諸般の事情からある日突然米軍の離発着訓練が再開され、ものすごい轟音が夜の街に響きました。

 

これを受けて大和市は、長年の続いた文化交流事業も取りやめて抗議しました。

この長年続いた文化交流を捨ててまでの抗議を真剣にとらえた米軍は、これ以降厚木基地でのNLPをしなくなりました。

 

まさに交渉とはこのようなものだと思います。

 

町田市においては、長年の交渉の元、「静かな空が返ってきた」今こそ、アメリカ海軍厚木基地と交流を深め、更なる関係性の向上を図るべきだと思います。

 

防災訓練などを通じ、2011年に「町田市」・「アメリカ海軍厚木基地」で締結した「災害時応援協定」をより強固なものにし、町田市の大規模災害時対応能力の向上をしていく時だと思いますので、宜しくお願いいたします。