本日は一関市に視察に来ています。 

 

 

 

新幹線『こだま』、『はやぶさ』、『やまびこ』、と乗り継いでの道中でした。

 

一関市は岩手県の最南端にあり、宮城県と秋田県に接しています。

 

仙台と盛岡の中間地点でもあり、東北地方のほぼ中心に位置しています。

 

 

東京からは約450kmの位置で、人口は約12万人の世界遺産に認定されている『平泉』を誇る歴史ある街です。

 

町田市と一関市の関係は町田テクノパークに一関市の企業が以前出展しており、7年前の平成23年の東日本大震災の時には、

 

町田テクノパークから義援金が送られたり、

町田市内のイベント開催時に一関市の特産品あつかった物産店を出店したりしています。

 

また一関市では現在、全長31㎞~50㎞の地下トンネルで建設される電子・陽電子加速機を中心とした国際的な大規模研究施設である『国際リニアコライダー』の誘致に尽力しています。

 

 

このリニアコライダーは地下トンネル中央部で電子と陽電子を衝突させ、宇宙誕生直後のビッグバンの状態の高エネルギーを再現し、宇宙創世の謎、時間と空間の謎、質量の謎、に迫ります。

 

今回は一関市で取り組まれている『いちのせき元気な地域づくり事業』の視察で訪れました。

 

 

 

町田市では本年度から行うことになっている『まちだ○ごと大作戦』と同様な先行事例であり、

 

事業選定や効果測定をどのように行っていくか?、

 

未来への良い遺産(レガシー)として、どのように残していくのか?

 

を対比し調査するために先進市である一関市役所を訪れました。

 

町田市の『まちだ〇(まる)ごと大作戦18-20』は、主体的に「〇〇をやりたい」という思いをもった人が、新しい人と出会い、つながることで、地域活動や市民活動が盛り上がり、新たな価値が生まれ、地域や町田の活力を高めていく取り組みです。

 

【実施期間】は2018年1月から2020年12月まで

 

町田市は、2018年2月に還暦(60歳)を迎えました。

 

2018年の市制60周年から、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピックへと続く3ヵ年を「未来を見据えた3年」と位置づけ、2018年1月から2020年12月まで『まちだ〇(まる)ごと大作戦18-20』を実施します。

 

より多くの人がこの大作戦に参加・参画し、「やってみたい」ことのアイデアや夢を自分たちで実現することは、「私は〇〇をやった」とか「オリンピックの年に〇〇が始まった」など、人々の記憶に残り、地域活動や市民活動をさらに盛り上げることにつながります。

そして、市内全域で人と人が出会い、町田市や各地域が「祭り」のように盛り上がっている様子を、市内外に情報発信していくことで、

市民が町田に「愛着や誇り」を感じ、市外の人が町田への「関心や憧れ」をもって、「訪れたい」「住みたい」「住み続けたい」まちになることを目指しています。

 

つまり、一言で言うなら、『まちだ○ごと大作戦』とは、

 

市民自らの新たなチャレンジを行政が支援し、熟成させることにより、地域への愛着や誇りを創出していく事業です。

 

一関市の『いちのせき元気な地域づくり事業』は、市民との協働による市民が主役の地域づくりの一環として、

 

地域住民と市が創意工夫をしながら特色ある事業を展開し、地域を元気にしようとするものです。

 

現在、各地域でさまざまな取り組みが盛んに行われているとのことでした。

 

一関市と町田市の違いは、事業主体が一関市の場合は支所(担当部)であり、町田市は市民が事業主体です。

 

市民と行政の協働による街づくりに関しては両市の取り組みは似ていますが、

今回一関市のお話を聞くに、行政の取り組み方や本気度合いが違うなと感じました。

 

年間予算は3000万円で各地域に地域割り、均等割りされています。

 

執行は、各地域に配分された予算について、支所長が実施事項を決定し、支所長の権限で執行されています。

 

効果としては、良い意味で地域間の競争意識が醸成されました。

 

また、各地域が元気になることにより市全体の活性化に繋がりました。

 

また、地域が自らの発想で事業を計画することにより、特色ある街づくりが展開されました。

 

今までに行われた事業には、

グルメ祭りや

新春餅つき大会、

御輿、

イルミネーション、

花火大会、

ダンスパフォーマンス、

フラッシュモブ、

 

といったイベント系や、

 

フォトコンテスト、

世代間交流事業、

文化財探訪、

宮沢賢治の演劇、

図書館イベント、

歴史文化の学び、

食文化味自慢、

ハーブフェスタ、

音楽による街づくり、

 

といった文化イベントや、

 

被災地でもあることから防災系の事業や

非常食アイデアレシピコンテスト、

交通安全系イベントや、

 

高校生と乳幼児ふれあい体験、

健康長寿プロジェクト、

通院高齢者お買い物場所確保提供事業、

中高年男性の社会貢献活動、

元気を届ける語り部おばあちゃん事業、

といった福祉の観点からも注目される事業や、

 

耕作放棄地からトマトケチャップ、

桜の巨木を活かした活性化、

野菜づくりから販売事業、

安心安全飲料水推進事業、

 

といった農業系の事業など

、本当に多岐にわたり、

 

現在まで500近い事業を実施しております。

 

担当者のお話を聞きますと、

この『いちのせき元気な地域づくり事業』を通じて非常に防災への意識向上に効果を感じたり、

 

それまで無かった新たな市民同士の繋がりや集まりが誕生したり、新たな賑わいが生まれた事が良く解りました。

 

このようなタイプの事業の効果を金額等ではかる事は大変難しいですが、

 

市民と共に今まで無かったものを創出し、市民の地域への新たな愛着や誇りにつながることは、

 

地域分権につながり、自立型の地域づくりにつながるのであろうなと感じました。

 

人口減少社会や少子高齢化社会の中で、今までにない若い方々を巻き込みアイデアを募り、賑わいを創出することは、一関市を明るく輝かせる効果があるのだと思いました。

 

町田市の既に始まっているのだが、認知度合いがいまいちで、

これから始まると言っても過言でない『まちだ○ごと大作戦』事業に大変参考になりました。

 

町田市では、市民の活力を活かして、

市民自らの新たなチャレンジを行政が支援し、熟成させることにより、地域への愛着や誇りを創出していくと、

 

一言で言っても、

 

現時点では町田市の支援は直接的には補助金を出すだけで、

 

独自に主体性をもって何としてでも市民と共にやりとげよう!という気概が感じられないので、

どうしても小粒な事業にしかならないのではないかと危惧している昨今ですが、

 

市民の心にレガシーとして残る事業にするためには、

市民も行政も一体となって、過去にとらわれない最大限のエネルギーを出す必要があるのだと思います。

 

町田市は一関市に比べると本事業に関しては後発であり、ユニークな先進事例は沢山ありますし、

 

文化の祭典でもある、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの最大限の盛り上がりを視野に入れ、チャンスととらえ、

広く内外にアピールしていく事を目指すのなら、

 

発想を市民任せだけにすることなく、共に挑戦すべきだと思います。

 

なぜなら、自らも起爆剤となるような大きな事業を目指し前進することこそが、

 

人々に興味や感動を呼び起こさせ、参加者を集め、賛同する者を増やし、

 

その事が地域への愛着や誇りにつながり、

 

オリンピック後のレガシーになると思うからです。

 

私は2015年の頃から、議会での一般質問においてこのことを主張してきています。

 

そのような事を考えられなければ、町田市が目指す

 

『市外の人が町田への「関心や憧れ」をもって、「訪れたい」「住みたい」「住み続けたい」まちになること』は叶うはずはありません。

 

素晴らしい町田市になるよう、引き続き鋭意努力します!