先日、町田地方史研究会主催の『秋の歴史散歩』に参加してきました。

 

今回の歴史散歩は世田谷、等々力周辺の歴史散歩でした。

 

この付近一帯は古代から人々が活躍した地であると同時に、近世の由緒ある寺社が数多くあります。

 

満願寺

玉川神社

瑠璃光院

等々力渓谷

大塚古墳

六所神社

善養寺

等々力不動尊

浄真寺

 

を巡ってまいりました。

満願寺は江戸時代中期の儒学者・書家・篆刻家である細井廣澤の墓所です。

 

細井廣澤は赤穂浪士で有名な堀部安兵衛の日記を編纂をした方で、朱子学・陽明学・兵学・歌道・天文・算数などのあらゆる知識に通じ、剣術も得意な文武両道の先生で、今で言うスーパーマンです。

 

 

玉川神社は明治41年に、村内にあった伊勢宮、諏訪神社、御嶽社を熊野神社に合祀し、玉川神社としたもので、とっくりの形に成長した巨大楠で有名です。

 

等々力渓谷は世田谷等々力にある渓谷で、23区内では唯一の自然渓谷です。

 

自動車の往来の激しい環状8号線のすぐ下にあり、大都会の喧騒が嘘のような静けさの中豊かな自然が残っています。

 

渓谷の崖には7世紀頃の横穴古墳が多数あり、そのうちの3号古墳は保存されていて今でも見学出来ます。

 

 

大塚古墳は元々、東急グループのゴルフ場だった玉川野毛山公園内にあります。

 

『ホタテ貝柱形古墳』と大変珍しい大型の古墳で、全長104メートルあり、内部からは5世紀初めの鉄製甲冑や剣が多く出土していて東京都指定有形文化財に指定されています。

 

 

 

六所神社は明治31年に近隣にあった、天祖神社・山際神社・日枝神社・北野神社の4社を合祀した神社で、この社は昔、洪水の時に多摩川を上流の府中から流れてきたとの言い伝えがあり、社地内からは古くは縄文時代前期の土器や住居跡が発見されています。

 

善養寺は大日如来像を本尊とし、真言宗智山派満願寺の末です。

境内にある榧(かや)の大木は東京都の天然記念物に指定されていて、古くは多摩川を往来する舟からも見え、目印にされていたそうです。

 

浄真寺は浄土宗のお寺で、九品仏浄真寺ともいわれています。

 

開山は江戸時代の4代目将軍、徳川家綱の時代に、奥沢城跡に開かれました。

今でも大変広い境内を有していますが、当時は12万㎡もあったそうです。

 

九品仏浄真寺では法事があったのか読経が聞こえる紅葉のなかのお参りで、静かに手を合わせてきました。

 

 

今回の歴史散歩で、多くの市内歴史研究家の皆様に色々と教えていただきながら巡らせていただきました。

 

今ではすっかり大都会となっている区部も史跡によれば、昔は自然豊かな環境であったこと。

 

縄文時代の遺跡から近代に続いていく史跡を見学し、

 

頭の中にタイムマシーンを持って想像すると、人類の進歩や息吹き、また生活様式の変化やそれぞれの時代の人間のたくましい活躍を感じました。