3 生活保護制度について

①の続きになります。

 

再質問3-5 厳太郎

生活保護申請時の説明と、丁寧な聞きとりによる、資産状況の確認、そして必要に応じて金融機関や年金事務所に対して調査を行うとの答弁でした。

これらの確認や調査は厳正にきちんとなされているとは思いますが、どのように厳正に、きめ細かく調査なされていますか?

 

答 弁(地域福祉部長)

金融機関につきましては、保護を受ける本人から申告された預入先のほか、都市銀行及び市内に支店のある全ての金融機関に調査を行っております。

年金については、2016年度から、年金事務に関する経験者を、資産活用支援員として嘱託員で採用し、60歳以上のすべての生活保護受給者の受給権について、確認を進めております。

その他、生命保険等につきましては、本人からの申告されたものすべてについて、満期並びに解約返戻金等の調査をし、詳細の確認を行っております。

 

再質問3-6 厳太郎

では、遠隔地の比較的小規模な金融機関にお預けの預金や、土地、建物の所有の有無、株式、債券、またはそれの売却益、について現実問題調査可能ですか?

偽名の場合はどうですか?

 

また生活保護を受給開始してからの収入の有無は、申告した所得と所得税データを照合するのだと思いますが、雇い主が申告しなければ照合不可能かと思います。チェックする事は可能ですか?

 

答 弁(地域福祉部長)

金融機関の調査につきましては、調査対象が非常に多いことから、不正受給の防止に十分でないことは、課題として認識しているところでございます。

今後、銀行等の金融機関につきましては「社会保障・税番号制度」、いわゆるマイナンバー制度による連携が予定されており、運用が開始されれば不正受給の防止に、効果が期待できるものと考えております。

土地や建物の所有につきましては、本人からの申告のほか、生活保護を受給している期間は、固定資産税を減免する自治体もあり、生活保護の受給に関する照会等から判明することもございます。判明した物件につきましては即座に登記事項証明の取得や、評価格の確認をするなど調査を行っております。

就労による収入につきましては、町田市では年に1回、預金通帳等を提示していただき、収入状況を確認する「資産申告調査」を実施しておりまして、できる限り調査を行い、不正受給の防止に努めております。

株券や債券などの有価証券につきましては、本人からの申告によるもの以外は、調査及び保有の把握は非常に困難であります。また、偽名の場合も把握することは困難となっております。

 

再質問3-7 厳太郎

それぞれ調査しチェックする事が大変難しい事が解りました。

また厳正にきめ細かく調査する事の難しさが解りました。

この状態で本当に不正受給が防げるのでしょうか?

今後どうするのか、どうしていくのか、お聞かせ下さい。

 

答 弁(地域福祉部長)完全に不正受給を防止することは、行政の取り組みだけでは非常に難しいものでございますが、他の自治体の取り組みなどを参考にして、研究してまいります。

 

再質問3-8 厳太郎

不正受給防止について、既に取り組まれていることも多数あるかと思います。

しかし、ご答弁頂きましたように完全に不正受給を防止する事は非常に困難です。

 

また、書店に行けば、いかにケースワーカーの方の周りを日常的にうろつき、申請を認めさせるか、それとない脅し方、などと書かれた「生活保護のススメ」のような書籍があり、実際に対応している職員さんも相当嫌な思いをしている事は色々あろうかと思います。

しかし、生活保護制度の信頼性、有用性のため、最前線で頑張って頂きたいです。

 

今後とも出来うる限り、確実な防止対策をお願いします。

限られた財源の中でしっかりと厳正な審査を行って頂き、本当に困っていて、本当に必要としている人に生活保護受給をして頂きますよう、宜しくお願い致します。

 

次に多くの外国人の方が生活保護を受給されていると思われますが、その状況と生活保護を受給するに至った経緯などについてお聞かせ下さい?

 

答 弁(地域福祉部長)2017年3月末現在の、外国人の生活保護受給状況は、118世帯、214人となっております。

厚生労働省の定める、「被保護者調査に基づく国籍別の内訳」は、韓国・北朝鮮国籍の方が50世帯、64人。フィリピン国籍の方が35世帯、85人。中国・台湾国籍の方が

16世帯、29人。その他、ベトナム、ブラジルなどの国々となっております。

生活保護を受給するに至った経緯につきましては、「長期間にわたり国内に居住していたが、高齢のために就労できなくなった」ことや「日本人配偶者として国内に居住していたが、離婚により母子世帯となり、言葉の壁などで就労することが難しい」ことが主な理由となっております。

 

再質問3-9 厳太郎

町田市における外国人生活保護受給世帯は118世帯214人との事が解りました。

では、日本人の生活保護を受けている数と外国人の数の比較はどのくらいですか?

世帯全体に占める生活保護世帯の比率はどうでしょうか?

 

答 弁(地域福祉部長)2017年3月末現在で、生活保護を受給している日本人のみの世帯は5,399世帯、7,589人ですので、生活保護を受給されている全体の中で、外国人の比率は、世帯数で2.14%、受給者数で2.74%となっております。

また、町田市に居住する外国人の合計は5,608人ですので、受給者214人の受給率は38.16パーミルとなります。

日本人のみで見たときの受給率は、17.97パーミルであることから、外国人のみで見たときの受給率は、とても高いと言うことができます。

 

再質問3-10 厳太郎

町田市において、外国人の生活保護費の受給率は日本人のそれに比べ倍以上である事が解りました。

 

生活保護法の第1条には「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する事を目的とする」

 

とあります

 

日本国憲法25条には「全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

 

とあり、

生活保護は、日本国籍を持つ国民の為の制度であり、外国人に支給する事は本来、想定されていないのです。

 

昭和21年の旧生活保護法では全ての在住者が対象となる内外無差別の原則をとっていましたが、昭和25年の改正に伴い、国籍条項を加え、国民でなければそもそも受給出来ない仕組みにしました。

 

それではどうして今現在、町田市で外国人が生活保護を受給しているのかがご説明ください。

 

答 弁(地域福祉部長)

外国人への生活保護費の給付につきましては、1954年(昭和29年)5月8日付けの、旧厚生省社会局長通知「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」に従い、町田市においても適正な給付を行っているところでございます。

 

再質問3-11 厳太郎

昭和29年5月8日に旧厚生省が社会局長名で「生活に困窮する外国人に対する生活保護の処置について」との通知を出し、それが今日まで継続している事が、町田市が外国人に生活保護を給付している理由だという事が解りました。

 

その昭和29年5月8日の「生活に困窮する外国人に対する生活保護の処置について」の通知文には、「1生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とはならないのであるが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて左の手続きにより必要と認める保護を行う」

 

とありまして、

 

この文面にある「当分の間」が戦後一度も見直されることなく、続いてきました。

63年間の長きに渡り「当分の間」が継続されてきたのですね。

 

続けます。

 

平成26年7月18日に永住外国人は「生活保護法の対象外」との最高裁判所の判決が出ました。

 

この判決は永住資格を持つ中国人女性が、生活保護法に基づく申請を却下した大分市の処分の取り消しなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は18日、「永住外国人は生活保護法の適用対象ではない」との初判断を示しました。

 

その上で、永住外国人も生活保護法の対象になると認めた2審福岡高裁判決を破棄し、女性側の逆転敗訴を言い渡しました。

 

最高裁では4裁判官全員一致の結論でした。

 

つまり、外国人は生活保護法の対象ではなく、法的には受給権もないとの判断でした。

 

一方、町田市では昭和29年5月8日の厚生省社会局長通知を元に外国人への生活保護を行政判断によって続けていると思いますが、その予算を執行する上での法的な根拠について、町田市はどのようにお考えでしょうか?

 

答 弁(地域福祉部長)

生活保護法では、その適用対象を日本国民と想定しており、外国人は保護の適用対象ではないと、2014年(平成26年)に最高裁判所の判断が下されていることは承知しております。

しかしながら、1954年(昭和29年)5月8日付けの旧厚生省社会局長通知のほか、外国人への生活保護費の給付に関しては、国が4分の3を負担する「国庫負担金」の対象とされており、都内でもすべての自治体で外国人への給付を行っていることから、他の自治体と同様に保護を実施しているものでございます。

 

再質問3-12 厳太郎

外国人への生活保護に対する法的根拠についてお尋ねしましたが、なかなか答弁するのが苦しかったと思います。

 

法的に外国人に受給資格がない。このことは最高裁でハッキリしたわけです。

 

行政の判断で法律では認められていない外国人を日本国民と同じように取り扱うという判断自体、この際、よく考えて見る必要があると思います。

 

行政の裁量による判断というのは本来あってよい話ですが、生活保護の場合、法律では認められない外国人への支給を認めてしまっています。「法律を準用する」といいながら、行政の判断だけで巨額の税金を使ってしまっているわけです。

 

こんな例がありました。

 

2010年6月、大阪市に住む70代の姉妹2人の親族の中国人48人が姉妹の介護名目で福建省から来日しました。

日本に入国した直後、そのうち46人が市に生活保護の受給を申請し、32人が既に受給していることが明らかになりました。

 

入国審査の際、48人は扶養する第三者の身元引受人を用意して在留資格を得ましたが、外国人登録後、46人が平均6日間で市内5区に「身元引受人に扶養してもらえない」として生活保護を申請し、受給しました。

 

今後2020年に東京オリンピックをひかえ、世界中の耳目を集める中、日本に定住する事を志す外国人は益々増加する事が予想されます。

 

しかし、現在まで大変残念な事に外国人による生活保護費の不正受給の例は枚挙にいとまがありません。

 

外国人による生活保護は法的な根拠もなく、1地方自治体である町田市の行政判断だけで対処可能な事ではないと私は考えますが町田市はいかがお考えでしょうか?

 

答 弁(地域福祉部長)

町田市としては、法令により永住を認められている外国人が、生活に困窮する状況にある場合には、生活保護法を準用し保護を行うことは、人道上の配慮から、やむを得ないものと考え、旧厚生省社会局長通知に基づき、他の自治体と同様に措置を実施しているところでございます。

 

再質問3-13 厳太郎

日本に永住資格を有する外国人世帯の問題点として、一般永住者と特別永住者の問題点があると思いますが、町田市の見解を教えてください。

 

まず一般永住者は「出入国管理及び難民認定法22条」に一般永住の要件として「独立の生計を営むに足る資産又は技能を有する事」とありますので、独立の生計を営む事が出来ない時点で、永住権を失うのが本来の意味だと考えますがいかがですか?

 

特別永住者は先程からお話ししていますが、昭和29年の厚労省の通知により、当面の間保護の対象となった方々で、これは昭和27年のサンフランシスコ平和条約の発効に伴い、朝鮮や台湾統治で日本に残っていた朝鮮人や韓国人、台湾人は日本国籍を失って無国籍に陥ってしまった方への救済処置です。

 

こうした方々は平成3年になって正式に特別永住者という資格を得ました。そしてこの特別永住者も先ほど述べました平成26年の最高裁判決により生活保護制度の対象外となりました。しかし相変わらず受給している現実がございます。

 

ここで更に外国人に受給資格があるのかないのかだけではなく、もう一つ問題点があると思います。

 

通常生活保護を申請し受給するにあたり、日本人の場合、生活保護法第29条により収入や扶養の実態調査が行われていますが、外国人にも同様に扶養の調査などはなされているのでしょうか?

 

以上2点、一般永住者の永住資格について、29条調査について日本人と同じく外国人も調査しているかについてお答えください。

 

答 弁(地域福祉部長)1点目の永住資格でございますが、外国人に対する生活保護の準用の申請につきましては、有効となる在留カード又は特別永住者証明書の確認と、現に生活に困窮する状態にあるかの確認のみが要件となっており、生活に困窮し生活保護費の給付が必要と認められれば、在留資格にかかわらず措置を実施することとなります。

2点目の生活保護法第29条に基づく調査につきましては、外国人の生活保護受給者へも、日本人と同様に、扶養義務者や金融機関等に調査を実施しております。

ただし、外国人の場合は、扶養義務者や保有財産など、本国への調査は非常に困難であることから、調査範囲を日本国内として実施しております。

 

再質問3-14 厳太郎

国内にある資産などについては、日本人と同じように調査出来るが、外国人の外国にある保有財産や扶養義務者の調査は出来ないという事ですね。

 

外国人は普通に考えれば、外国に資産を持っている可能性が高いですし、扶養義務者も外国にいらっしゃると考えるのが、通常です。

 

私は、困っている人は助けるべきだと思います。しかし限りある財源で、外国人の方が受給しやすいという現状は変えるべきだと思います。

 

市川市において自治体独自で大使館、領事館に扶養実態の調査をしていくとの先駆的な試みがおきました。

 

町田市としましても最高裁判決を確認している今、新たな施策にチャレンジしていく時だと思いますがいかがでしょうか?

 

答 弁(地域福祉部長)

現時点でも、扶養義務者への調査や保有財産の確認は、日本人と同様に実施しているところではございます。今後は、他市の取り組み事例を参考にして、さらに徹底した調査の実施について研究してまいります。

 

再質問3-15 厳太郎

国内にある資産などについては、日本人と同じように調査出来るが、外国人の外国にある保有財産や扶養義務者の調査は出来ないという事ですね。

 

つまり、外為法上外国に資産を持ちだす事が、強く監視されている日本人より、外国人の方が日本の生活保護制度を利用しやすくなっている現状があるのではないかと思います。

 

それでは最後に、理事者に感想と不正受給を許さないという気概も含めて、お聞きしたいと思います。

 

生活保護制度は、日本国憲法に定められた「全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念に基づいた生活保護法によって、全ての国民に保護と最低限度の生活を保障した、大切なセイフティネットです。

 

本来、本当に困っている人の為の制度で、不正受給はこの制度の維持の為に絶対にあってはならない事だと思います。

 

本来は、日本に国籍を有する人の社会権として与えられている生活保護制度も、法的な根拠のないまま、旧厚生省通知を準用し、人道的見地という名目で、町田市内においても外国人にも給付されているのが現実です。

 

また、外国人の受給率は日本人である町田市民の倍です。

 

私は、その現象は外国人の外国に所有する資産の調査が現在、実質的に出来ない事が、一つの原因だと思います。

 

そして市川市のように独自に大使館や領事館を通じて、外国人の外国に所有する資産や扶養実態の調査に前向きな自治体も出てきました。

 

今後、2020年の東京オリンピックを控え、より多くの外国人を迎えようとしている町田市で、国際社会に通じる保護制度の在り方についていかがお考えになりますか?

 

本日の感想も含め、不正受給は許さないという気持ちを込めて一言、ご答弁を頂けませんか?

 

≪理事者≫高橋副市長

今、議員からもご指摘ありましたとおり、外国人の生活保護の支給ということですが、部長からも答弁がありましたけれども、確かに外国人の生活保護の支給については保有財産の確認は非常に難しいところがございます。

また、制度に関する最高裁の判例というのもでているところでございます。

 

これにつきましては、国の動きも当然ながら、まずは市としてできることとしては、ご指摘のありました他市の取り組み事例、領事館への調査なども含め、しっかり研究・検討して進めて行きたいと考えております。

 

また、不正受給の防止に関しては、まさしく大事な市として取り組むべき事業でありますし、すごくポイントになってくる事だと思います。

これまでも町田市としては積極的に不正受給の防止に関して取り組んできたと考えておりますが、実際にはまだまだ足りない所もございますので、不正受給の防止については力をいれていきたいと考えております。

 

終わりに

厚生労働省の試算によれば生活保護費は8年後の平成37年度には5兆2000億円に増えるらしいです。

これは日本の防衛費をしのぐ金額です。今のうちから不正受給を認めない社会作りが必要かと思います。

 

更なる町田市の取り組みをお願いいたしまして、今回の私の一般質問を終わります。

 

ありがとうございました。

 

今回の私の一般質問の動画です。↓

平成29年9月定例会(第3回)一般質問