ストロンチウム博士「最近、よく微分積分の質問がくるんだよね。」
水素っち「僕も嫌いでした・・・。」
カルシウム先生「微分積分ですか。確かに、とっつきにくいところはありますね。高校生からですか?」
ストロンチウム博士「それが、大人からなんだよね・・・。”上司から実験データを微分しといてといわれたけど、やり方がわかりません。”という内容が多いんだ。」
酸素っち「大人ですか??確かに、普段、計算しなかったら忘れてしまうかもしれませんが。」
カルシウム先生「理系の職業についていたら、微分積分の概念を理解してるかどうかで仕事のやり方は変わりますね。実験データがそろっていれば、微積分は簡単に出来ると思いますが。」
ストロンチウム博士「そうだよね。そこで、今日は、Excelなどのよくある表計算ソフトで、微分の概念を学んでみようかなと思っているんだ。」
炭素っち「え?Excelって計算ソフトだったんですか?てっきり文章入力ソフトかと思っていました。」
カリウムっち「"Excel方眼紙"だなんて揶揄されてますよね~。」
ホウ素っち「僕はお絵かきソフトかと思ってました・・・。」
ストロンチウム博士「た、確かに、Excelが表計算以外で主に使われているっていうのは職場あるあるだけど、れっきとした表計算ソフトだよ。
話を戻そう。
じゃあ、まずは、簡単な関数を考えてみよう。」
水素っち「これは僕もわかります。yの値がxの2乗になるというものです。」
ストロンチウム博士「これを表計算ソフトで書いてみよう。まずはA列に1~10までの数字を並べて入れてみようか。」
水素っち「書けましたね、では、B列には、A列の値を2乗にして数字を入れればいいわけですね。」
ストロンチウム博士「数字は自分で計算しなくても、B2のセルをクリックして、=A2^2と書くとよいぞ。」
水素っち「うわ、自動的に1の2乗が計算されました。便利ですね~。」
炭素っち「それはさすがに知ってたんじゃ?」
水素っち「じゃあ、同じように、B3,C3にも2乗の式を書いていけばいいわけですね。」
ストロンチウム博士「そんなことしなくても、こうするとよいぞ。」
水素っち「すごい、全部変わった!」
酸素っち「なるほど~。簡単ですね。」
ストロンチウム博士「これはオートフィルという機能だ。
では、この二つでグラフを書いてみよう。
グラフの散布図を使うとこんな感じになるぞ。」
水素っち「おお、いつもの2乗のグラフですね~。」
ストロンチウム博士「それでは、早速微分してみようか。まず、微分とはなにか?」
水素っち「えーと、そのxのときの、傾き?」
ストロンチウム博士「そうだな。だから、点同士の差分をとる。」
炭素っち「なるほど、隣の点同士の差分を使えばいいのか。」
ここでは、Δy/Δxとすると、その点での微分値になるわけですね。」
ストロンチウム博士「では、それを表計算ソフトで表してみようか。」
ストロンチウム博士「C列をy’として、C3の値に、赤枠で囲ったような式を入れる。」
窒素っち「えーと、(B3-B2)/(A3-A2)ってことは、yの点同士の値を引いて、xの点同士の値を引いて割っているので、微分の定義と同じですね。」
ストロンチウム博士「そうだ、先ほどのオートフィルを使うと、これで微分は終了だ。」
炭素っち「え?これで終わり?信じがたいなあ。」
ストロンチウム博士「先ほどのグラフに重ねるとこうなる。」
フッ素っち「お、直線になったぞ?」
ネオンっち「これであってるのかな?」
ストロンチウム博士「y=x^2を微分すると、どうなる?」
酸素っち「えーと、乗数の2が前に出て、1つ下がるので・・・y'=2xかな?」
ストロンチウム博士「その通り、この直線に沿った式を作れば、このようになる。」
酸素っち「おー、本当だ。でも切片の-1がついてますよ?」
ストロンチウム博士「この例では、Xの刻み幅が甘いからじゃな。Δxの値をずっと小さくしていけば、そのうち、切片の誤差はなくなる。」
炭素っち「なるほど、データ点が細かければ細かいほど精度がよくなるわけですね。」
フッ素っち「でもなあ、微分値がy'=2xって簡単に計算できるのに、わざわざExcelにやらせるメリットってあるわけ?」
ストロンチウム博士「この方法は、微分の定義に沿ったやりかたなので、関数の形がわからないような実験データだったとしても、同じ方法で微分ができるんだよ。」
水素っち「そうか、数式に表せないような実験データでも、同じ方法で微分は簡単に出来るわけですね。」
ストロンチウム博士「それと、微分の定義を表計算ソフトで簡単に理解できるといううえでも、有効かな。」
リチウムっち「ところで、x=1のときの微分の値がないようだけど、これでいいのか?」
ストロンチウム博士「それもいいところに目をつけたね。表のA2の値が空白になっているね。
実際、表計算ソフトでも、隣の点がないので、引く値がないから計算ができないわけだけど、数学上でも、不連続な点での微分は定義できないんだ。」
炭素っち「そうか、隣に点がなければ微分が出来ないってこともわかるわけですね。」
銅っち「いろいろな関数を作って同じことをやってみると楽しそうだどう。」
ニッケルっち「表計算ソフトって最近はスマホにも入っているから、手軽に遊べるね。」
水素っち「今日は勉強になりました!そろそろ文字数制限のため、積分の話は次回に使用と思います!」
ストロンチウム博士「じゃあ、またね~。」
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