ウランっち「よう、この前、オレ様の紹介のときに、核分裂の話をしたら、反響があったので、もうちょっと詳しく説明するぜ。」
水素っち「ウランっち、よろしく！」
ウランっち「まず、核分裂を図式がするとこうなる。
プロトアクチニウムっち「順番に説明をしてくれよ～。」
ウランっち「お前には説明不要だろ・・・。
・質量が２３５のオレ様が中性子を受ける。
・オレ様の原子核が不安定になり、分裂をする。
・セシウムっち137とルビジウム95のように、陽子数が足して92になる組み合わせの元素っちに別れる。
・そのときに中性子を放出する。
・その中性子が他のオレ様に命中する。
以下、無限ループ。
オレ様がいなくなるまでずっと核分裂を繰り返すのさ。」
ルビジウムっち「おいらも生成するみたいだけど、このおいらは天然のおいらとは違うな。」
セシウムっち「中性子の数が天然のものとは違うのだよ。
だから、原子核が不安定で、放射線を出す。
これが原子力エネルギーの核生成物が放射能を持つ原因さ。」
ストロンチウム博士「これのお陰でわしらの名前は有名になったがのう。」
ヨウ素っち「そう、僕もね・・・。」
ウランっち「そう、この例では、ルビジウムっちとセシウムっちと分かれるようになっているが、分かれた後の元素っちの合計陽子数が92であればいいので、いろんな組み合わせが考えられる。
54号室のキセノンっち＋38号室のストロンチウム博士
53号室のヨウ素っち＋39号室のイットリウムっち
52号室のテルルちゃん＋40号室のジルコニウムっち
のような組み合わせがあるな。
ただ、このときの生成物は、先ほど述べたとおりすぐに放射線を出して崩壊して他の元素っちに変身する。
たとえば、今回の例のルビジウムっち95は0.38秒の半減期でストロンチウム博士95に変身し、数10分の間にジルコニウムっちまで変身を続けるんだ。」
ルビジウムっち「なるほど～。
福島原発の事故のときに、おいらの名前が話題にならなかったのは、半減期が短すぎて、ほとんど存在しなかったからなのだな。」
セシウムっち「半減期が比較的に長い、俺はとても悪名高かったよな。」
ヨウ素っち「そうそう・・・。」
鉄わん「それで、核分裂するだけで、どうして莫大なエネルギーがでるんだわん？？」
ウランっち「そう、それが、有名な質量欠損という現象さ。」
リチウムっち「質量欠損？」
ウランっち「崩壊前のオレ様235が、崩壊した後に、ルビジウムっち95とセシウムっち137、中性子4つに分かれたとしよう。
この崩壊前後で、質量がほんのわずかだが消えて無くなるのだ。」
ホウ素っち「化学反応のときは、反応の前後で質量が変わらない、質量保存の法則って習うけど、それに従っていないってこと？」
ウランっち「そう、反応の前後で質量は保存せず、この宇宙から完全に消え去るのだ。」
水素っち「不思議だよね・・・。
でも、よく考えたら、太った僕の核融合反応で起こる現象も、質量欠損でしたね。
太陽の中でもよくやってますよ。」
ウランっち「そして、その消え去った質量が、Ｅ＝ｍｃ^２というアインシュタインの有名な公式により、エネルギーに変換されるのだよ。」
酸素っち「しかし、よくもまあ、こんなことを人間も発見したものだね。」
ウランっち「本当に、科学技術に関するやつらの情熱には感心するよな。
まあ、平和利用してくれれば俺たち元素っちにとっても言うことなしなんだがな。」
カドミウムっち「おっ、なんか面白そうな話やってるな。」
水素っち（しまった、今日は平和に過ごしてたのに、また毒を吐かれてしまう・・・）
ウランっち「なあに、人間の愚かさを語っていただけさ。」
カドミウムっち「そんな当たり前のことで盛り上がってるのか。
お前たちもまだまだだな。」
水素っち「そ、そうだよね・・・。
じゃあ、次回は、僕の核融合について話をしようね！
ウランっち、どうもありがとう！」
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