泣きたい方へ。 | ジャージ社長は【ダンギズム】で不可能を可能にする!Powered by Ameba

泣きたい方へ。

「どうして?」 
(How could you ?) 


ぼくがまだ子犬だった頃、

あなたはぼくのかわいいしぐさを

笑ってくれました。

あなたはぼくのことを

「息子」と呼びました。


僕が靴や枕を噛んで

しまったりしたけれど、

あなたのベスト・フレンド

になれました。


ぼくが何か悪いことをした時、

あなたはぼくを指さし

「どうして?」

と聞いたよね。


でもすぐに許してくれて、

ぼくのおなかを

優しく撫でてくれました。


あなたはとても忙しかったので、

ぼくのしつけは思っていたより

長くかかったけど、

なんとか一緒にやりとうしました


昔一緒にベッドで寝て、

あなたの心の秘密に耳を傾けたり

これほど幸せな人生はない、

と信じていました。


一緒に散歩に出かけたり、

ドライブに行ったり、

アイスクリームを食べたり

(あなたはアイスは犬には悪いから、
と言ってコーンしかくれなかったっけ?)

ぼくは、あなたが会社から

かえってくるのを

日向ぼっこしながら

待っていました。 


少しずつあなたは

会社で過ごす時間が長くなり、

人間の親友を探しに

出かけていきました。


わたしは辛抱強く

あなたの帰りを待ち、

落胆や失恋したあなたを癒め、

あなたが間違った選択をしても

小言は言わず

いつもあなたが帰ってきたとき、

恋に落ちたときは共に大喜びして

飛び跳ねるほどでした。 


彼女、今ではあなたの妻、は

「犬は人間ではない」

と言います。


それでもぼくは

彼女が来たときは歓迎し、

彼女に親しもうと努力し、

彼女の言うことを聞きました。


ぼくはあなたが幸せだったから

ぼくも幸せでした。 


それから赤ちゃんが生まれ、

ぼくも一緒によろこびました。


ぼくは赤ちゃんのピンクの肌

そして香りが大好きで、

ぼくも彼らの世話をしたかった。


でもあなたと彼女は

ぼくが赤ちゃんたちを

傷付けるのではないかと心配し、

ぼくはほとんどの時間を

別の部屋か犬小屋で

過ごすようになりました。


ぼくも本当に彼らを愛したかった

でもぼくは

「愛の囚人」

になってしまいました。 


あの子たちが成長すると、

ぼくは彼らの友達になりました。


ぼくの毛に掴まって立とうとしたり、

ぼくの目に指を突っついたり、

ぼくの耳をひっぱったり、

ぼくの鼻にキスをしてくれました


ぼくはあの子たちの全てを愛し、

あの子たちにさわられることに

喜びを感じました。


なぜなら、あなたはもうほとんどぼく

に触れてくれなくなっていたから


そしてぼくは、

必要なら命をかけても

あの子たちを守ってもいい

と思いました。


ぼくはあの子たちの

ベッドにもぐりこみ

彼らの心配事や夢に耳を傾け、

あなたの帰ってくる車の音を

一緒に待ちわびました。 


以前は誰かがあなたに

「犬を飼っている?」

と尋ねると、あなたは財布から

ぼくの写真を取り出し、

ぼくの話をしました。


でもこの数年は単に

「飼ってるよ」

と言うだけで、

話を変えてしまいました。


ぼくは「あなたの犬」から

「単なる犬」へと変わり、

あなたはぼくにかかる費用を

不快に思うようになっていきました。 


そしてあなたは他の街で

新しい仕事を見つけ

ペットを飼ってはいけない住宅に

引越すことになりました。


あなたは「家族」のための

最良の選択をしたのかも

しれないけれど、

昔ぼくがあなたの唯一の

家族だった時代があったよね。 


ぼくはドライブに連れて行って

もらえるのだと思い、

ワクワクしました。


でも、着いたのが

動物保護センターだと

わかったときは、

また悲しくなりました。


犬や猫、

恐怖と不安の臭いがしました。


あなたは書類を記入し、

「いい飼い主が見つかると思うよ

と言いました。


担当の人たちは物悲しげに

肩をすくめました。


彼らは「血統書付き」

でも中年の犬の現実を

知っているのです。


子どもはぼくの首輪をつかんで

離そうとしませんでしたが、

あなたはその指を強引に

引き離しました。

「お父さん、だめ!
 
 僕の犬と別れるのは嫌だ!」

とあの子は叫びました。

ぼくはあの子のことが心配です。


あなたがたったいま

息子に教えたことを…

友情、忠誠心、愛や責任、

そして何よりも

生命を尊重するということについて、

あなたが息子に教えたことを…


あなたはぼくと目はあわせず、

帰り際にぼくの頭を軽く撫で、

丁寧にぼくの首輪とリードを

持って帰ることを断りました。


あなたは時間がないと言います。

それはぼくも同じでした。 


あなたが去ったあと、

優しい二人の女性は、

引越しのことは

以前からわかっていたのに、

なぜ新しい飼い主を

探そうとしなかったのか

と話していました。


頭を横に振りながら彼女たちは

「どうしてなの?」

と言いました。 


忙しいのに、

彼女たちはできるだけぼくたち

の世話をしてくれました。


もちろん餌は与えられているけど

もうずっと前から

ぼくは食欲を無くしました。


最初は誰かが

ぼくの檻の前を通る度に、

ぼくは前の方に飛び跳ねました。


あなたの気が変わって

また迎えにきてくれたんだと思い

今の状況が単なる悪夢だと思い、

そしてあなたでなくても

ぼくを愛してくれる

誰かが来たのだと願いながら…


自分たちの運命に気付いていない

かわいい子犬たちには

ぼくは勝てない、と悟ったとき、

ぼくは奥の角にうずくまり、

ひたすら待ちました。 


その日の終わりに

係員の足音が聞こえ、

彼女と一緒に別の部屋に行きました。

とても静かな部屋でした。

彼女はぼくを台に乗せ、

ぼくの耳をさすりながら

「心配しなくていいのよ」

とささやきました。


ぼくの心は今から

何が起こるのだろう、

と不安でいっぱいになりましたが

安心感さえも感じました。 


「愛の囚人」となったぼくは

最後の日を迎えていました。


でもぼくは自分のことよりも、

彼女のことの方が心配でした。


ぼくがあなたの機嫌が

いつもわかっていたように、

彼女の気持ちもわかるのです。


彼女の心の重荷は

非常に大きいものでした。 

彼女は優しくぼくの前足に

止血帯を巻きました。

彼女のほおには涙が流れています


ぼくは昔あなたを慰めるときにも

いつもしたように

彼女の手をなめました。

それから彼女は慣れた手つきで

ぼくの静脈に注射をさしました。

チクッとしてから

薬が体を流れるのを感じました。

ぼくは眠くなって横たわり、

彼女の優しい目を見つめながら

「どうして?」

とつぶやきました。 

彼女に、ぼくの犬言葉が

わかったのでしょうか。

彼女は

「本当にごめんね」

と言いました。


彼女はぼくを抱きしめ、

ぼくがもっといい場所、

無視などされず、

虐待や見捨てられることもない、

この地上とはまったく違う

愛情と光あふれる幸せなところに

行けるようにするのが

自分の役目だと教えてくれました


ぼくは最後の力を振り絞って

尻尾を一度ふりぼくが

「どうして?」と言ったのは、

彼女にではないことを教えたかった。


この言葉はあなた、

そう、ぼくの愛するご主人さまに

向けたものなのです。


ぼくはあなたのことを考えていたのです。

ぼくはいつまでも

あなたのことを記憶し、

あなたを待っています。 


ぼくがあなたを愛したように、

あなたが人生で出会う

すべての人から愛されることを

願っています。

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著者から一言

わたしが「どうして?」

を書いたとき涙を流したように、

あなたもこれを読んで同じく

涙を流してくれたのだとすれば、

それは、毎年アメリカとカナダで

死ぬ何万匹ものペットたちに

捧げられた涙です。


非営利目的であれば、

著作権を明記して

この話をぜひ配信してください。


動物保護センターや

獣医のウェブサイト、

ニュースレターなどで、

動物は私たちの愛情と

暖かい世話を受ける権利があること、

どうしてもペットを

手放さなければならない場合、

他にいい飼い主を探してあげるの

私たちの責任であること、

すべての生命は大切であること、

を伝えてください。


無意味な殺しを止め、

捨てられるペットが

増えないようにするためにも、

去勢キャンペーンに協力してください。 


ジム・ウイリス