①肌を潤して
②老化を防ぐ
化粧品メーカーはクリームに関して、何十年もこの2語を宣伝してきました。今では消費者の皆さんも「肌を潤して老化を防ぐ」のは当然だと思っています。その結果、脂っぽいクリームは姿を消し、つけて気持ち良く感じるタイプのクリームが主流になってしまいました。多くの女性たちがそういうクリームが良いと思っています。
肌を潤すのは親水性成分です。脂をすりこむとべたつくので脂で潤すとは言いません。早い話、湿潤剤をふくむ水を肌にすりこむ、ということなのです。水をすりこむと、その分、脂が減ります。肌は弱くなり、逆に老化を早めてしまいます。
もう一つ、クリームによく使われる宣伝文句があります。「・・・配合」「・・・成分配合」という言葉です。これらのものを含んでいるから、効果がありますという宣伝です。
配合というのは、原料の一部です。クリームにこのような原料を配合しても、認知できるほどの効果はありません。配合というのは、せいぜい数%のオーダーであって他の90%の成分のほうがずっと重要です。わずか数%の配合原料などは無視して、90%の本体の品質をクリームの選択基準にしなければなりません。
「皮脂は混合型のクリーム」
夏の暑いときに仕事をしていると、胸に皮脂がたくさん出てべたべたします。では、完全に脂かというと実はそうではありません。涼しいクーラーの前に立って冷やすと思ったよりさっぱりして、皮脂が脂だけではないことが分かります。
皮脂は脂っぽいコールドクリームと、さっぱりしたバニシングクリームの混合物なのです。暑いと脂が溶けて油気がふえます。
ここで言うコールドクリームとバニシングクリームは、クリームの化学的な区分で使う用語で、たとえば洗顔用のコールドクリームのような商品名ではありません。
①脂と水をまぜたものが、油っぽいコールドクリーム
②脂肪酸と水をまぜてものが、油気のないバニシングクリーム
という2種類のクリームが二十世紀はじめまでに、約2000年かけて発明されました。人間が長年かかって発明した2種類のクリームが皮脂の成分だったのです。
①と②をまぜた、つまり混合型のクリームが皮脂に近いクリームです。クリームを選択する際の、重要なポイントになります。
次回は「クリームの覚え方」「クリームを使いわけよう」です。
3.クリームは皮脂の代用品
女性は、皮脂の分泌量が少ないのをご存じですか?。天然のクリームが足りないので、肌が弱く老化しやすいのが特徴です。肌が弱いのにメイクをしたり乳液や美容液、あるいはオイルフリーのクリームなどで潤したり(一時的)するから、肌がますます弱ってしまいます。そして、いろんな化粧品の毒性が侵入して肌がくすむのも当然と言えます。
もし、おなじ生活条件で男女が歳をとったとすれば、シミやシワが先にできるのは女性です。
したがって、皮脂の代用品として、化粧品のクリームを使わなければいけません。これがクリームを使用する目的です。
基礎化粧やメイクなどすべての化粧品をより効果的に、より安全に使うためには、どうすればよいのでしょうか?
その答えがクリームにあります。クリームは基礎化粧品の中心であり、メイクのための下地化粧品の中心です。クリームは女性になくてはならない化粧品なのです。
では、どういうクリームが良いのか?もちろん「クリームは皮脂の代用品」という言葉をヒントにすれば、もうお分かりですね。
4.本物はべたづき、偽物は脂気がない
くり返しますが、本物は皮脂、化粧品のクリームは代用品、つまり偽物です。代用品は本物に近い性質のものを選ばなければいけません。
ここで皆さんに注意して頂きたいことがあります。それは、本物は脂気があってべたつき気味です。しかし今日、多くの女性が使っている代用品は、しっとりして脂気がないのではないでしょうか?又、脂気の代わりに粘着性の合成樹脂が入っているのではないでしょうか?そして、本物より代用品、悪くいえば偽物の方が肌に良いのだと勘違いしているのではないでしょうか?
脂気のあるクリームが本物に近いのに、中には「脂を肌につけるのは不自然だ」という方もいらっしゃいます。しかし、脂気がないほうが不自然です。脂気のないクリームでは、肌環境を破壊してしまいます。
肌の弱い女性は、固い脂性のクリームを選んで頂きたいと思います。特にメイクしている女性はなおさらです。固いクリームの方が肌の補強に役立ち、メイクの毒性もはね返しやすいのです。
化粧品はつけて気持ちのいいほうが売れます。しかし、皮脂はあまり気持ちがよくありません。クリームはけっして感触で選んではいけない化粧品なのです。
次回は、「肌を潤して老化を防ぐ、というウソ」「・・・成分配合という宣伝のからくり」「皮脂は混合型のクリーム」です。
女性は、皮脂の分泌量が少ないのをご存じですか?。天然のクリームが足りないので、肌が弱く老化しやすいのが特徴です。肌が弱いのにメイクをしたり乳液や美容液、あるいはオイルフリーのクリームなどで潤したり(一時的)するから、肌がますます弱ってしまいます。そして、いろんな化粧品の毒性が侵入して肌がくすむのも当然と言えます。
もし、おなじ生活条件で男女が歳をとったとすれば、シミやシワが先にできるのは女性です。
したがって、皮脂の代用品として、化粧品のクリームを使わなければいけません。これがクリームを使用する目的です。
基礎化粧やメイクなどすべての化粧品をより効果的に、より安全に使うためには、どうすればよいのでしょうか?
その答えがクリームにあります。クリームは基礎化粧品の中心であり、メイクのための下地化粧品の中心です。クリームは女性になくてはならない化粧品なのです。
では、どういうクリームが良いのか?もちろん「クリームは皮脂の代用品」という言葉をヒントにすれば、もうお分かりですね。
4.本物はべたづき、偽物は脂気がない
くり返しますが、本物は皮脂、化粧品のクリームは代用品、つまり偽物です。代用品は本物に近い性質のものを選ばなければいけません。
ここで皆さんに注意して頂きたいことがあります。それは、本物は脂気があってべたつき気味です。しかし今日、多くの女性が使っている代用品は、しっとりして脂気がないのではないでしょうか?又、脂気の代わりに粘着性の合成樹脂が入っているのではないでしょうか?そして、本物より代用品、悪くいえば偽物の方が肌に良いのだと勘違いしているのではないでしょうか?
脂気のあるクリームが本物に近いのに、中には「脂を肌につけるのは不自然だ」という方もいらっしゃいます。しかし、脂気がないほうが不自然です。脂気のないクリームでは、肌環境を破壊してしまいます。
肌の弱い女性は、固い脂性のクリームを選んで頂きたいと思います。特にメイクしている女性はなおさらです。固いクリームの方が肌の補強に役立ち、メイクの毒性もはね返しやすいのです。
化粧品はつけて気持ちのいいほうが売れます。しかし、皮脂はあまり気持ちがよくありません。クリームはけっして感触で選んではいけない化粧品なのです。
次回は、「肌を潤して老化を防ぐ、というウソ」「・・・成分配合という宣伝のからくり」「皮脂は混合型のクリーム」です。
1.皮脂は天然のクリーム
体を観察してみると、皮脂がたくさん出るところはシミもシワも少ないことが分かります。
顔も皮脂のよく出るところと、あまり出ないところがあります。やはり出ないところがシミやシワになります。
シミやシワは肌の老化現象です。いくら若くても皮脂が出ない乾燥肌は、老化を予告する前兆と言えます。
家族の中で、おじいさん、おばあさんは一番風呂には入りません。一番風呂は皮脂の少ない肌には向かないからです。肌から皮脂を奪ってますます老化させてしまいます。
歳をとると先ず顔と手が、最後に体が荒れます。荒れとは、肌が乾燥して滑らかさを失った状態です。
人間は他の動物と違って、体毛によって肌を守ることが出来ません。しかし、皮脂を分泌する皮脂腺を沢山持っています。このことから、人間は皮脂によって肌を守っていることが、お分かり頂けると思います。
皮脂は自然の恵み。最高のクリームです。
1950年代初頭。私達はこういう意味で、皮脂を「天然のクリーム」と名付けました。
2.皮脂の中にもシャツがある
もう一度体を観察してみましょう。胸や腹など一年中シャツを着ている部分は、シミやシワになりにくいところです。でも、一年を通して外気にさらすことの多い顔や肩、首筋や腕は、シミやシワになりやすい部分です。日ごろ何気なく着ているシャツも、老化防止に役立っています。
もし皮脂が脂だけで出来ているのなら、脂には通気性がありませんから弱ってしまいます。
自然はこの通気性も考えて、皮脂の中に通気性のある成分を配合しました。通気性のある木綿に似ていて、脂肪酸といいます。脂肪酸を含む皮脂は、木綿のシャツも含んでいると言えると思います。
後述しますが、脂肪酸で、できたクリームをバニシングクリームと言います。これがシャツにあたります。皮脂にもバニシングクリームが含まれていて、これを私達は「天然のシャツ」と名付けました。
現在では、「天然のクリーム」や「天然のシャツ」という言葉が社会でも使われています。内容は以上の通りで、クリームのあるべき姿を暗示しているのではないでしょうか?
次回は、「3.クリームは皮脂の代用品」「4.本物はべたつき、偽物は脂気がない」です。
体を観察してみると、皮脂がたくさん出るところはシミもシワも少ないことが分かります。
顔も皮脂のよく出るところと、あまり出ないところがあります。やはり出ないところがシミやシワになります。
シミやシワは肌の老化現象です。いくら若くても皮脂が出ない乾燥肌は、老化を予告する前兆と言えます。
家族の中で、おじいさん、おばあさんは一番風呂には入りません。一番風呂は皮脂の少ない肌には向かないからです。肌から皮脂を奪ってますます老化させてしまいます。
歳をとると先ず顔と手が、最後に体が荒れます。荒れとは、肌が乾燥して滑らかさを失った状態です。
人間は他の動物と違って、体毛によって肌を守ることが出来ません。しかし、皮脂を分泌する皮脂腺を沢山持っています。このことから、人間は皮脂によって肌を守っていることが、お分かり頂けると思います。
皮脂は自然の恵み。最高のクリームです。
1950年代初頭。私達はこういう意味で、皮脂を「天然のクリーム」と名付けました。
2.皮脂の中にもシャツがある
もう一度体を観察してみましょう。胸や腹など一年中シャツを着ている部分は、シミやシワになりにくいところです。でも、一年を通して外気にさらすことの多い顔や肩、首筋や腕は、シミやシワになりやすい部分です。日ごろ何気なく着ているシャツも、老化防止に役立っています。
もし皮脂が脂だけで出来ているのなら、脂には通気性がありませんから弱ってしまいます。
自然はこの通気性も考えて、皮脂の中に通気性のある成分を配合しました。通気性のある木綿に似ていて、脂肪酸といいます。脂肪酸を含む皮脂は、木綿のシャツも含んでいると言えると思います。
後述しますが、脂肪酸で、できたクリームをバニシングクリームと言います。これがシャツにあたります。皮脂にもバニシングクリームが含まれていて、これを私達は「天然のシャツ」と名付けました。
現在では、「天然のクリーム」や「天然のシャツ」という言葉が社会でも使われています。内容は以上の通りで、クリームのあるべき姿を暗示しているのではないでしょうか?
次回は、「3.クリームは皮脂の代用品」「4.本物はべたつき、偽物は脂気がない」です。
牛乳を放置すると、脂気が表層に浮かんでエキスのように見えます。これを一般にクリームと呼んでいます。食品と化粧品のクリームは語源は同じです。化粧品のクリームも栄養の塊りのようなものだと、誤解されている人が多いのではないでしょうか?
クリームは肌の組織に入りません。表面の角質層という壁にしか入らないのです。そして、栄養や薬効成分を入れても肌には関係ないし、また無添加クリームも肌には関係がありません。
クリームに必要なことは、「壁を壊さない」「壁を補強する」ことです。
基礎化粧もメイクの下地も、中心的な役割はクリーム。そしてクリームは脂を中心とした化粧品であることを押さえて頂きたいと思います。
現在では、脂気のない、さっぱりとしたクリームが主流になってしまいました。これでは肌の壁を強くできないし、強くできないどころか弱めてしまいます。そして、肌の老化を防ぐことはできません。更に、メイクの毒性をますます防ぐことができなくなり、肌のくすみの最大の原因となってしまいます。
クリームを知り、そして選ぶことは肌の一生を決める美容の基本なのです。
クリームは肌の組織に入りません。表面の角質層という壁にしか入らないのです。そして、栄養や薬効成分を入れても肌には関係ないし、また無添加クリームも肌には関係がありません。
クリームに必要なことは、「壁を壊さない」「壁を補強する」ことです。
基礎化粧もメイクの下地も、中心的な役割はクリーム。そしてクリームは脂を中心とした化粧品であることを押さえて頂きたいと思います。
現在では、脂気のない、さっぱりとしたクリームが主流になってしまいました。これでは肌の壁を強くできないし、強くできないどころか弱めてしまいます。そして、肌の老化を防ぐことはできません。更に、メイクの毒性をますます防ぐことができなくなり、肌のくすみの最大の原因となってしまいます。
クリームを知り、そして選ぶことは肌の一生を決める美容の基本なのです。
角質層と顆粒層、これらヒフの壁が弱くなるとヒフの老化がはやくなります。メイクをして、はやく小ジワになるのは、メイク化粧品やメイク落とし用の洗顔料がヒフの壁を弱め、その弱った壁から有毒な色材料などがヒフに入るからです。
メイクの被害を防ぐにしても、タール色素の侵入を防ぐにはヒフの壁が強くなければ出来ません。剥離性パック美顔術でヒフの中の色素を排泄させようとしても、壁が弱ければヒフの生成組織を傷つけヒフを弱めてしまいますから、パックなども不可能です。
これらの美容を可能にするには「ヒフの壁を強く」することです。ヒフの老化を防ぐのも「ヒフの壁を強く」することが大切です。
美しいヒフ作りというと、多くの人は特殊な薬効化粧品や安全な自然化粧品、無添加化粧品を思い浮かべたり、保水性化粧品でヒフを潤したいと思うかもしれません。
でも化粧品、特に基礎化粧品にとって、そのようなことは意味がありません。ヒフを作るのは食生活で、作ったヒフを守るのはヒフの壁だからです。
化粧品に要求されるのは「ヒフの壁を強くできるか?」ということなのです。
メイクによるヒフのくすみやシミ、小ジワや乾燥肌などは、強い壁がなければ防げないということを知って頂きたいと思います。
ゼノアのローションA30は特に壁の強化を目的とする酸性化粧水です。余談になりますが、酸性化粧水はゼノアの創始者が戦前に主張した化粧品で、今日では普通名詞になっています。ローションA30とクリームA30は、ヒフをくすませないためのメイクの下地として役立ちます。
メイクの被害を防ぐにしても、タール色素の侵入を防ぐにはヒフの壁が強くなければ出来ません。剥離性パック美顔術でヒフの中の色素を排泄させようとしても、壁が弱ければヒフの生成組織を傷つけヒフを弱めてしまいますから、パックなども不可能です。
これらの美容を可能にするには「ヒフの壁を強く」することです。ヒフの老化を防ぐのも「ヒフの壁を強く」することが大切です。
美しいヒフ作りというと、多くの人は特殊な薬効化粧品や安全な自然化粧品、無添加化粧品を思い浮かべたり、保水性化粧品でヒフを潤したいと思うかもしれません。
でも化粧品、特に基礎化粧品にとって、そのようなことは意味がありません。ヒフを作るのは食生活で、作ったヒフを守るのはヒフの壁だからです。
化粧品に要求されるのは「ヒフの壁を強くできるか?」ということなのです。
メイクによるヒフのくすみやシミ、小ジワや乾燥肌などは、強い壁がなければ防げないということを知って頂きたいと思います。
ゼノアのローションA30は特に壁の強化を目的とする酸性化粧水です。余談になりますが、酸性化粧水はゼノアの創始者が戦前に主張した化粧品で、今日では普通名詞になっています。ローションA30とクリームA30は、ヒフをくすませないためのメイクの下地として役立ちます。
バニシングクリームはべとつかず、さっぱりしているので夏でも使えます。だからバニシングクリームに色をつければ、夏でも暑苦しくなくメイクができるのではないか、というわけで100年ほど前にバニシング系のファンデーションクリームが誕生しました。これがメイクの流行した発端です。
でも、メイクをするとファンデーションがヒフにこびりついて落ちにくくなります。つまり石鹸で洗うだけでは十分に落とすことが出来ません。
こういうときゼノアは、戦前から「固い脂はやわらかい油でマッサージして溶かして、ふき取り、それから洗えばよく落ちる」と指導してきました。
ゼノアはこの原理をフライパン方式と呼んで戦後も普及に務めてきました。フライパンにこびりついた固い汚脂の落とし方をまねればいいからです。
当時、ヨーロッパでは、むかしからのコールドクリームでマッサージして、メイクを溶かしてふき取っていました。やがて水の少ないコールドクリームほどよごれやメイクがよく落ちることがわかり、まもなく水のないコールドクリーム(こうなるとクリームとはいいがたいのですが)も出現しました。
ゼノアはこの洗顔用コールドクリームを無水型コールドクリームまたは非乳化型コールドクリームと名づけました。無水型コールドクリームでマッサージして、メイクのよごれ(普通のよごれもおなじ)を溶かし、布でふき取って最後に石鹸または洗い粉で洗い落とすのです。
戦後は合成界面活性剤をコールドクリームに入れてクレンジングクリームと称しました。これは合成洗剤とおなじですから、よごれを簡単に落とすことが出来ます。でも、私達の主張により評判が悪くなって、クレンジングクリームという名称は少なくなりました。
だからでしょうか、最近は「水で落とせるコールドクリーム」のように、名を変えたクレンジングクリームが出てきました。これは非イオン系の合成界面活性剤を添加したクレンジングクリームです。
今でも舞台俳優は伝統的にコールドクリームで舞台化粧を落としています。でも今日のコールドクリームはむかしのとは違います。中味はクレンジングクリーム、つまり合成界面活性剤をクリームに溶かした合成洗剤の一種なのです。
でも、メイクをするとファンデーションがヒフにこびりついて落ちにくくなります。つまり石鹸で洗うだけでは十分に落とすことが出来ません。
こういうときゼノアは、戦前から「固い脂はやわらかい油でマッサージして溶かして、ふき取り、それから洗えばよく落ちる」と指導してきました。
ゼノアはこの原理をフライパン方式と呼んで戦後も普及に務めてきました。フライパンにこびりついた固い汚脂の落とし方をまねればいいからです。
当時、ヨーロッパでは、むかしからのコールドクリームでマッサージして、メイクを溶かしてふき取っていました。やがて水の少ないコールドクリームほどよごれやメイクがよく落ちることがわかり、まもなく水のないコールドクリーム(こうなるとクリームとはいいがたいのですが)も出現しました。
ゼノアはこの洗顔用コールドクリームを無水型コールドクリームまたは非乳化型コールドクリームと名づけました。無水型コールドクリームでマッサージして、メイクのよごれ(普通のよごれもおなじ)を溶かし、布でふき取って最後に石鹸または洗い粉で洗い落とすのです。
戦後は合成界面活性剤をコールドクリームに入れてクレンジングクリームと称しました。これは合成洗剤とおなじですから、よごれを簡単に落とすことが出来ます。でも、私達の主張により評判が悪くなって、クレンジングクリームという名称は少なくなりました。
だからでしょうか、最近は「水で落とせるコールドクリーム」のように、名を変えたクレンジングクリームが出てきました。これは非イオン系の合成界面活性剤を添加したクレンジングクリームです。
今でも舞台俳優は伝統的にコールドクリームで舞台化粧を落としています。でも今日のコールドクリームはむかしのとは違います。中味はクレンジングクリーム、つまり合成界面活性剤をクリームに溶かした合成洗剤の一種なのです。
百年ほど前にファンデーションクリームが開発されて、メイクは飛躍的に普及しました。開発当時、そのメイク落としに困って開発されたのが無水型(非乳化型)コールドクリームです。合成洗剤以前にあったのは石鹸だけですが、石鹸ではメイクを落とすことはできません。そこで、油っぽいコールドクリームから水を抜いて、洗顔専用のクリームにしたのです。紀元前から中近東で行われていた油で身体を洗う方法、日本の米ぬか油洗顔法、そして戦前の無水型(非乳化型)コールド。これはすべて同じ方法です。油で脂を溶かし、拭う。とてもシンプルなやりかたですが、肌の角化層(二重の殻)を傷めない最も安全な洗浄法なのです。しかし、古来のぬか油やオリーブオイルのような固定化した単一の油では、どうしても汚れやメイクを溶かす力は弱いものがあります。その点、無水型(非乳化型)コールドクリームならマッサージしてメイクを溶かし、汚れを拭き取ってから石鹸で洗い流すことが出来ます。溶かす力の強い油で作られた無水型(非乳化型)コールドクリームの登場は、良い意味での洗顔の近代化でした。
[まとめ]
肌には角化層(角質層+顆粒層)という殻があります。この殻は固いタンパク質でできていて、脂で守られています。合成界面活性剤という洗剤の特徴は、殻の奥深くまで脂を根こそぎにし、奥深くにあるタンパク質まで溶かしてしまう点にあります。刺激がないために安心して使う女性が多いのですが、毒物の場合は刺激がないこと自体が危険なのです。使用者にとって使用感が良いため、毒性に気づかずに使い続けた結果、慢性毒となるからです。メイクの肌への密着性が進歩すればするほど、クレンジング類は売れ、宣伝も盛んになります。
ゼノア化粧料本舗の無水型(非乳化型)コールドクリームは、合成洗剤(合成界面活性剤)を使わない国内唯一のメイク落としです。洗顔は美容の基本中の基本。全ての土台となるものです。
化粧品メーカーの良心は、メイク落としに現れます。どうぞ正しい洗顔の知識を身につけて、10年後、20年後の「素肌の健康」を考えて頂きたいと思います。
角化層にはあらゆる物質の侵入を防ぐ、バリアゾーンという強力なシステムがあります。このバリアゾーン角化層は脂質が非常に多く、肌は角化層という油紙でおおわれているといえます。強い油紙ほど異物の侵入を防ぎ、肌を守ります。胸の肌が水を勢いよく弾くのも、胸の油紙である角化層が健康で強いからです。肌を守るバリアゾーンというシステムがある以上、栄養を肌から補給することは不可能なのです。
日本古来の美容法として米ぬかがリバイバル人気のようです。確かに米ぬかは、他の植物にくらべて10~20倍ほどのビタミンB1、B2、ナイアシンといったビタミンB複合体、また2%近いカリウムを含んでおり、食物としての価値は大といえます。しかしこの栄養たっぷりの米ぬかでも、顔にこすりつけてビタミンB群やカリウムを浸透させることはできません。
もちろんぬかには、ビタミンEのような親油性成分も多く含まれています。ビタミンB群やビタミンCのような親水性ビタミンとちがって、親油性成分は高濃度をマッサージすればごく微量が角化層を通過します。しかし通過した物質が肌に役立つかどうかは別問題で、そのほとんどは異物として肌を疲労させるだけなのです。学問の世界では「肌の外部から浸透させた物質が肌に役立つ」ということは認めていません。役立つと主張しているのは、化粧品業界だけです。
では、昔から米ぬかは美容に良いと言われてきたのはなぜでしょうか。ポイントは油。なんと米ぬかの20%近くは油なのです。米ぬかを木綿の袋入れて肌をこすり、汚れた皮脂をぬか油が溶かし、それを布で拭う。つまり手を汚さずにできる簡単な洗顔法。これなら顔にはぬかの油が適量残ることになり、脂性のクリームを塗ったことと同じ。ぬか袋は、メイクをしている人には使えませんが、洗顔と洗顔後のクリームを兼ねた昔の基礎化粧だったのです。
しかしご用心、残留農薬は油の多いぬかに集中します。現在使われている殺菌剤や殺虫剤などの毒薬は親油性のものがほとんど。健康のために米ぬかを食べている人は要注意です。
日本古来の美容法として米ぬかがリバイバル人気のようです。確かに米ぬかは、他の植物にくらべて10~20倍ほどのビタミンB1、B2、ナイアシンといったビタミンB複合体、また2%近いカリウムを含んでおり、食物としての価値は大といえます。しかしこの栄養たっぷりの米ぬかでも、顔にこすりつけてビタミンB群やカリウムを浸透させることはできません。
もちろんぬかには、ビタミンEのような親油性成分も多く含まれています。ビタミンB群やビタミンCのような親水性ビタミンとちがって、親油性成分は高濃度をマッサージすればごく微量が角化層を通過します。しかし通過した物質が肌に役立つかどうかは別問題で、そのほとんどは異物として肌を疲労させるだけなのです。学問の世界では「肌の外部から浸透させた物質が肌に役立つ」ということは認めていません。役立つと主張しているのは、化粧品業界だけです。
では、昔から米ぬかは美容に良いと言われてきたのはなぜでしょうか。ポイントは油。なんと米ぬかの20%近くは油なのです。米ぬかを木綿の袋入れて肌をこすり、汚れた皮脂をぬか油が溶かし、それを布で拭う。つまり手を汚さずにできる簡単な洗顔法。これなら顔にはぬかの油が適量残ることになり、脂性のクリームを塗ったことと同じ。ぬか袋は、メイクをしている人には使えませんが、洗顔と洗顔後のクリームを兼ねた昔の基礎化粧だったのです。
しかしご用心、残留農薬は油の多いぬかに集中します。現在使われている殺菌剤や殺虫剤などの毒薬は親油性のものがほとんど。健康のために米ぬかを食べている人は要注意です。
まず忘れてはいけないのは、私たち人間は哺乳類という動物だということです。動物にとって夏は活動期。熱気という外気の刺激を受けてホルモンは夏型の配置になります。その結果、男性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂が多くなって戸外活動に支障がないように肌の殻を補強することができます。汗をかくと脂も一緒に出てくるのは、肌の角質層と顆粒層という二重の殻(角化層=バリアゾーン)を守るためですが、男性ホルモンの少ない女性は肌の脂が出にくいのです。
冬になると、動物も冬型のホルモン配置になります。活動型の夏にくらべて冬の動物は巣にこもりがち。あまり戸外には出ないので、肌を守る必要がなく脂も出なくなります。そのため冬は、肌の殻が脂を失い、乾燥して弱くなっているのです。しかも女性の場合、もともと男性ホルモンが少なく脂が出にくいうえに、冬は肌の細胞の生産量も衰えるため、肌はますます老化しやすくなります。皮脂も少なく細胞も弱くなる冬、まちがった洗顔で肌の殻を弱めてしまうと、その害は肌の奥にまで及んでしまいます。したがって冬は、もっとも洗顔を大切にすべき季節なのです。
メイクしている人と、していない人の洗顔法は微妙にちがいますが、冬の洗顔の大切さという点では変わりありません。どちらの場合も大切なのは、合理的な洗顔であるかどうか。つまり、角質層と顆粒層を壊さずに補強できる正しい洗顔をすることで、洗顔フォームを使って脂を徹底的に洗い流すことではないのです。
冬になると、動物も冬型のホルモン配置になります。活動型の夏にくらべて冬の動物は巣にこもりがち。あまり戸外には出ないので、肌を守る必要がなく脂も出なくなります。そのため冬は、肌の殻が脂を失い、乾燥して弱くなっているのです。しかも女性の場合、もともと男性ホルモンが少なく脂が出にくいうえに、冬は肌の細胞の生産量も衰えるため、肌はますます老化しやすくなります。皮脂も少なく細胞も弱くなる冬、まちがった洗顔で肌の殻を弱めてしまうと、その害は肌の奥にまで及んでしまいます。したがって冬は、もっとも洗顔を大切にすべき季節なのです。
メイクしている人と、していない人の洗顔法は微妙にちがいますが、冬の洗顔の大切さという点では変わりありません。どちらの場合も大切なのは、合理的な洗顔であるかどうか。つまり、角質層と顆粒層を壊さずに補強できる正しい洗顔をすることで、洗顔フォームを使って脂を徹底的に洗い流すことではないのです。
年齢を重ねるごとに肌も老化します。シミ、シワ、固い肥厚化、薄く弱化するといった肌の老化は、身体の部位によってそのスピードがちがいます。老化がいちばん早いのは手の甲、肩と首、その次に顔というのが普通。ただし最近は、まちがった化粧品で顔が先に老化するケースが急増しているようです。
ところで肌の老化がいちばん遅いのは胸。試しに入浴のとき鏡で観察してごらんなさい。老化の早い手の甲と老化の遅い胸に水をかけると、胸のほうが圧倒的に水を弾く力が強いことがわかります。胸は皮脂が多く、手の甲は皮脂が少ないからです。脂は肌の老化を防ぐ重要な存在なのです。
みずみずしい若い肌といいますが、これは大量の脂とちょっぴりの水で潤っているのです。潤いの本質は水ではなく脂であって、角質層という肌の殻を守るのはあくまでも脂なのです。若ければ脂は多く、年齢とともに脂が少なくなり老化を早めます。まして女性は男性に比べて脂が少なく、年をとるとその傾向はより著しくなるのです。
不健康なら肌の老化も早くなります。しかしいくら健康でも角質層という肌の殻が弱ければ、肌は保護壁を失って老化を早めてしまうのです。それを防ぐためには脂を補充して角質層を補強しなければいけません。顔も手の甲も肩も首も、胸の肌のように脂で守ってあげましょう。水を強く弾く肌ほど、老化が遅く、健康な肌であることをお忘れなく。
ところで肌の老化がいちばん遅いのは胸。試しに入浴のとき鏡で観察してごらんなさい。老化の早い手の甲と老化の遅い胸に水をかけると、胸のほうが圧倒的に水を弾く力が強いことがわかります。胸は皮脂が多く、手の甲は皮脂が少ないからです。脂は肌の老化を防ぐ重要な存在なのです。
みずみずしい若い肌といいますが、これは大量の脂とちょっぴりの水で潤っているのです。潤いの本質は水ではなく脂であって、角質層という肌の殻を守るのはあくまでも脂なのです。若ければ脂は多く、年齢とともに脂が少なくなり老化を早めます。まして女性は男性に比べて脂が少なく、年をとるとその傾向はより著しくなるのです。
不健康なら肌の老化も早くなります。しかしいくら健康でも角質層という肌の殻が弱ければ、肌は保護壁を失って老化を早めてしまうのです。それを防ぐためには脂を補充して角質層を補強しなければいけません。顔も手の甲も肩も首も、胸の肌のように脂で守ってあげましょう。水を強く弾く肌ほど、老化が遅く、健康な肌であることをお忘れなく。